目次
- 20代が抱える苦しみは視点を変えて大きく成長しよう
- 自分のためだけに生きられる時期
- 2つのエンジンを使いこなせ
- 失敗が許される20代こそ恐れずチャレンジを
2020.09.17
20代はこれからの生き方に悩む時期です。若さゆえの苦しみも多く、どうすればもっと成長できるのか悩む方も多いでしょう。
今回は博報堂フェローでコラムニストのひきたよしあき先生を招き、新刊『20代だから許されること しておきたいこと』で解説している20代がこれから生きていく上での心構えについて、ご自身の体験を交えながら学びます。
30代から40代にさしかかると、自分のためだけに生きるのはなかなか難しくなってきます。守るべきものが増え、子どものためだったり、妻や夫のためだったり、または部下のために生きるというケースもあるでしょう。自分のことだけに注力できるのは、20代の特権です。
自分のために時間がたっぷり使える20代のうちにしておきたいのが旅。よくいわれることですが、私は既知の旅と未知の旅、1年間に2つの旅をすることをおすすめしています。
未知の旅とは海外でも国内でも、まったく知らない場所に行く旅のこと。新しい出会いや緊張したり失敗したりといった経験は自分を成長させ、リアルな世界で自信となるはずです。
一方、既知の旅は、毎回同じ季節に同じ場所に行く旅です。既知の旅を続けているとそこで友達ができたり、「あそこのお店変わったな」など気づいたり、まるで第二の故郷になってきます。地元でもなく、今住んでいる場所でもないサードプレイスができると、生きるのがとても楽になる。つらいときの逃げ道になってくれるのです。
ただ、今のコロナ禍では旅はおろか、家からもなかなか出られません。かの正岡子規は病に伏せたまま、家から出ることなく豊かな観察眼で身の回りをモチーフとした数多くの俳句や短歌を詠みました。20代のこの時期だけの感性やセンスを無駄にしないためにも、街の風景や道ゆく人などを身近な周囲をあらためて見直し、子規のように豊かで鋭い観察眼を養いましょう。
私たちのモチベーションの源には、2つのエンジンがあるといわれています。それはホワイトエンジンとブラックエンジン。ホワイトエンジンは、世のため人のためになりたいといった道徳的な動機です。一方ブラックエンジンとは、「お金持ちになりたい」「出世したい」「モテたい」といった自分の利益が動機で、あまりいいイメージを持たないかもしれません。
どちらのエンジンが良い、悪いというわけではなく、誰でもこの2つのエンジンを持っているということを理解しておきましょう。
時には、ブラックエンジンを思い切り吹かさなければならないときもあります。社会のために働きたいと考えるのはすばらしいことですが、そのためにはお金を稼がなければなりません。とくに20代はまず生活を安定させるためにも、出世して上に行ってやろうというブラックエンジンが大事。
とはいえ、ブラックエンジンだけを吹かし続けていると勢いも落ちてきます。そこでホワイトエンジンに切り替えると、またモチベーションがアップします。20代のうちにモチベーションには2つのスイッチがあることを知り、今どちらのエンジンで動いているのかなと考えて行動するのが大事です。30代、40代になったときに、エンジンの切り替えが上手にできるようになってきます。
20代はたくさん失敗する時期でもあります。失敗しても周りがフォローしてくれる、失敗が許される時期です。
失敗するとついネガティブになってしまいますが、起こってしまったことはもう戻りません。だからこそ、パッと切り替えて次にチャレンジしていけばいいのです。20代はたくさん失敗することで学んでいく時期。周りのフォローを味方に、失敗を恐れずチャレンジしていきましょう。
ひきた先生はこの他に言葉をテーマにした授業も行われており、8月26日には「質問力」をテーマにした新たな授業も。言葉の持つ力や伝える力について学びたい方は、そちらもぜひチェックしてみてください。
『20代だから許されること、しておきたいこと』
http://schoo.jp/class/7073/room
文=宿木雪樹
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多くの20代が抱える苦しみの原因は3種類あり、それぞれ「自己卑下」「万能感」「完璧主義」です。いずれもなかなか脱却するのが難しい苦しみですが、考え方や視点を変えることで、大きく成長できるチャンスへと転換できます。
たとえば多くの若者が抱える自己卑下という苦しみ。自己肯定感の低さが原因ですが、「どうせ自分はできない」と思い込んだままだと前進できません。しかし、「どうすればできるか」と考え直し、すぐには答えが出なくても繰り返し自分に問い続けることが大事。体験がともなうことで、30代や40代になったときに答えが出るはずです。
逆に考えると、30代や40代になってもこのような苦しみを抱えているということは、成長できていないということ。まさに伸びしろの大きな20代だからこそ許される苦しみだといえます。