目次
- 穏やかさとは自然体でいること
- 状況の良し悪しと穏やかさは関係性がない
- 意識の向けどころを変えると穏やかになれる
2020.08.22
昨今のコロナ禍で、ニュースやSNSに不安を感じ、穏やかさを欠く自分に気づく瞬間があるかもしれません。どうしたら心穏やかに日々を過ごせるのでしょうか。
今回はセルフメンタルマネジメントについて、メンタルコーチであり、株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役である大平信孝先生から学びます。
思ったように物事が進まなかったり、状況が悪化したりすると、穏やかさを保てなくなる方もいるでしょう。これは、自分の穏やかさが状況に左右されてしまう状態です。この状態に自ら向き合い、改善することができれば、メンタルの安定性は格段に上がります。
『状況はあくまで脇役であり、主役は自分自身である』。この考え方を前提にすると、状況によって穏やかさが左右される自分から脱却しやすいかもしれません。というのも、状況が悪化したときは、穏やかでいられるよう自分で自分のご機嫌を取ればいいからです。つまり、どんな状況であっても選択権を自分で持つことが重要なのです。
もちろん、不安になることや緊張することが悪いわけではありません。ネガティブな感情は誰でも抱くものです。ただ、その感情を自分の意志で進みたい方向に関連づけることが大切です。
例えば、翌日に大きな発表の場を控えているとき、不安に襲われたとします。そのとき、不安に左右されて翌日の発表をダメにしてしまうのではなく、不安な気持ちも含めて楽しみ、いつもと違った自分を見せられることを楽しみにできるような方向へ、自分の機嫌をコントロールするのです。
自分の機嫌をうまく取れない方は、まず物事の見方を変えることから始めましょう。日々さまざまな出来事がありますが、それに対して主観で評価を加えないことが大切です。
例えば、ある仕事で自己評価が低く、他者の評価が高い場合があるとしましょう。そのとき、自分や他者の評価に関係なく、ただそこにある成果のみを見る習慣をつけてみてください。他者からの評価に依存して自分の機嫌が左右されることも、自分の自信のなさからついネガティブに物事をとらえてしまうことも、きっと少なくなるはずです。
最後に、穏やかさを保つためのポイントを紹介します。穏やかな状態を保つためには、意識の向けどころを変えることが大切です。人は、自分の「できていないこと」や「嫌なこと」につい意識を向けてしまいがちです。その意識を、逆の「できていること」、「うれしかったこと」に向けてみましょう。すると、周囲の環境や状況に左右されて穏やかさを失わなくなります。
心理学的にも意識を向けているほうの物事は増えていくと言われており、ポジティブな意識を持つと実際に「できること」や「うれしいこと」が増えていく効果が期待できます。
より具体的な手法に落とし込むと、ノートをつけて自分を見つめなおすことがおすすめです。「昨日うれしかったこと」「改めてそれをどう感じたか」「今日1日本当はどうしたいか」「今日の10秒アクション」といった項目を定めてノートを書いてみてください。1日の始まりにそのノートを書き、1日の終わりに見つめなおすことで、言語化したポジティブな日々を再認識するとともに、穏やかさを保つことができます。
授業内では、このほかにも穏やかにいるためのtipsを紹介していました。興味のある方は、授業動画で確認しましょう。
大平先生のシリーズ『新しい時代に適応するためのセルフマネジメント』では、このほかにも多くの人の悩みを解決するテーマを扱います。気になる人はぜひチェックしてみてください。
『新しい時代に適応するためのセルフマネジメント 第4回 穏やかに過ごすためのメンタルマネジメント』
http://schoo.jp/class/6998/room
文=宿木雪樹
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大平先生が定義する穏やかさとは、自然体であり、かつ仕事の成果にもそれがつながっていることです。おなかの力は入っているけれど、肩の力は抜けている状態とも言い換えられます。穏やかさが保たれていれば、周囲の環境や人に左右されることなく物事に向き合えるため、仕事とプライベートどちらでも好循環が生まれやすくなります。
なかには穏やかでなくても成果を出せる人もいるかもしれません。しかし、いまはただ成果を出すことよりも、プロセスも含めた成果が評価される時代です。そういった時代の傾向も考えると、穏やかさのうえにある成果のほうが今後多くの人の共感を得られやすいでしょう。
穏やかさは、周囲と柔軟に関わるために必要な性質でもあります。穏やかな姿勢そのものが周囲に良い印象を与えるだけでなく、穏やかであることは、だれかの不安に寄り添うための基盤にもなるのです。