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2021.01.24

Column

迷わない未来図を描くための「アンゾフ・マトリクス」

迷わない未来図を描くための「アンゾフ・マトリクス」

あなた自身、そしてあなたの働く企業は未来に向けてどのような戦略を描いているでしょうか。

VUCA時代といわれる現代、先の見えない状況下で生き残るためには確かな戦略に基づいて未来を思い描く力が必要です。

そのような目標に向けての指針として開講されたSchooの授業が「成功企業の事例から学ぶ『1枚の未来地図』」。著者の横田伊佐男(よこた・いさお)先生は約6,000商品のプロモーション開発経験・大手企業100社超のコンサルティング経験を持つ「短期間で成果につなげる1枚超訳家」です。そんな先生が著した書籍『迷えるリーダーがいますぐ持つべき1枚の未来地図』(日経BP社)。

授業シリーズの第2回「目標達成するための戦略を導き出す『4つの方角』」では、「どうすれば迷わない未来図を描けるか?」をテーマにレクチャーが行われました。

目次

  • アンゾフ・マトリクスとは何か
  • 「FUJIFILM VS Kodak」の横綱相撲、勝ったのはどっち?
  • Kodakが取るべきだった3つの戦略とは

 

 

アンゾフ・マトリクスとは何か

 

どのような生き方で目標に向かえばいいのかについて説明するわかりやすいフレーズとして先生が掲げたのが「現在と未来をつなぐ」。“経営学の父”といわれるH・イゴール・アンゾフ氏が提唱した言葉です。

 

アンゾフ氏の名前を冠した経営学マトリクスが、以下の「アンゾフ・マトリクス」。

 

 

縦軸に市場、横軸に製品を設定し、「A市場浸透戦略(既存市場×既存製品)」「B新製品開発戦略(既存市場×新規製品)」「C新市場開拓戦略(新規市場×既存製品)」「D多角化戦略(新規市場×新規製品)」の4象限で戦略を説明するマトリクス図です。

 

「経営学を学んでいる受講性の皆さんの中には『よく知っているよ』という方もいらっしゃるでしょう」と先生。受講生代表の田原さんは「言葉は聞いたことがあるけど内容がよくわからない」と自身の現状を吐露します。

 

それを受けて「“聞いたことはあるけど深く考えたことはない”というのが大方の意見だと思う」と先生は同意し、「それぞれについてある題材を使って深く考えていただく場を作りたい」とこれからの授業の展開に言及しました。

 


「FUJIFILM VS Kodak」の横綱相撲、勝ったのはどっち?

ここで先生から問われたのが以下の質問。

 

・「FUJIFILM VS Kodak」の横綱相撲、勝ったのはどっち?

 

市場シェアを二分していた2社でしたが、勝利したのは「FUJIFILM」でした。売り上げ2.2兆円まで順調に業績を伸ばしたFUJIFILMに対し、Kodakは2012年に破産。それの原因いったい何なのでしょうか?

 

 

「実はKodakはフィルム事業という一本の矢で勝負していたんですね」と先生。しかし、現在フィルムカメラを使う人口がどんどん減ってしまっているのはご存知の通りです。

 

一方、FUJIFILMは未来への3本矢を飛ばしていました。

 

ここで先生からの第二の質問です。

 

・もし時が戻せたとして、Kodakはどんな3本矢を飛ばしていれば生き残ることができたでしょうか?

 

これを「アンゾフ・マトリクス」を使って考えていきましょう。

 


Kodakが取るべきだった3つの戦略とは

「A市場浸透戦略」にあたるのは「カメラファン×フィルム技術」。KodakはここだけにこだわったためにFUJIFILMに敗北を喫することになったわけです。

 

「ここからFUJIFILMを真似て『B新製品開発戦略』『C新市場開拓戦略』『D多角化戦略』を考えていきましょう」と先生。

 

最初に考えるのは「B新製品開発戦略」からです。「Bに当てはまるのは何でしょうか?」という質問にリアルタイム受講生からの回答が寄せられます。

 

その一部は、以下の通り。

 

・写ルンです
・写真ストレージサービス
・化粧品
・デジカメ

 

答えは「カメラ」。自社の抱えるカメラファンに向けて当時のFUJIFILMはデジタルカメラ開発・販売を開始し、生き残りの柱をつくったということです。

 

 

つづいては「C新市場開拓戦略」。「既存商品をつかってみなさんはどんな市場を開拓すればいいと思いますか」という質問が問われ、続々と回答が寄せられます。

 

「医療機器」「レントゲン」という答えに「商品名ではなく、どのようなお客さん=市場を開拓すればよいか考えてみてください」と先生。 それに対して寄せられたのが以下の回答です。

 

・若い学生や子ども
・スマホユーザー

 

しかし、答えは「法人客」でした。BtoCからBtoBに市場を広げたということです。スマホのタッチスクリーンのセンサーなどの開発にかかわり、おそらく携帯通信会社やタブレット部品メーカーを顧客として開拓したのではないかと先生は予想します。

 

最後に残されたのが「D多角化戦略」です。「全く新しいお客さんに全く新しい商品というのはワクワクするけど難しい」とコメントする先生。「これだけがらっと変えられる経営者は優秀だよ」というリアルタイム受講生の声に対し、同意を示しつつ、「アンゾフ・マトリクス」でざっくりと切り口を与えられると、わずか数分で皆さんからいろいろなご意見が出た通り、アイディアが浮かびやすいとも語ります。

 

その言葉の通り、受講生からは以下のような多様な回答が寄せられました。

 

・再生医療
・健康診断の結果をセカンドオピニオンにするアプリ
・宇宙開発
・未来予想事業
・深海探査
・ウイルスを遮断するフィルム

 

「0からアイディアを出すのは正直なところ難しいと思っていた」という先生もそのアイディアの豊富さに驚きの声を上げます。これには、「今日の受講生の皆さんがとびきり優秀だ」という理由もあるとしつつ、「アンゾフ・マトリクスの優秀さ」が改めて証明された結果でもあるとコメントがなされました。

 

0からアイディアを考えるよりも「今までのサービスはそのままに新しいお客さんを開拓したらどうだろう?」「全く新しい組み合わせはどうだろう?」と枠組みを作って考えることが新しい戦略を生み出すためには効果的だということです。

 

さて、実際かつてFUJIFILMがとった「D多角化戦略」は「女性客×化粧品」でした。フィルム事業を営む中で美容成分コラーゲンについての研究も進めていたFUJIFILM。そのことをCMキャラクターとして起用した松田聖子さんなど知名度の高いタレントに発言させることで、スムーズに化粧品事業に参入したということです。

 

「『カメラファン×フィルム技術』から『女性客×化粧品』はなかなか行きつかないところだったんじゃないでしょうか」と先生。しかし、このような発想に至った道筋は「アンゾフ・マトリクス」で説明できるのです。

 

文=宮田文机

この記事では迷わない未来地図を描くための「アンゾフ・マトリクス」についてまとめてご紹介しました。そもそもどのように目的地を定めればよいのかについては授業の前半や第1回の授業でも言及されています。ぜひそちらの動画もご覧になって学びを深めてみてください。

 

『成功企業の事例から学ぶ「1枚の未来地図」 第2回 目標達成するための戦略を導き出す「4つの方角」』http://schoo.jp/class/7257/room

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