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2020.10.23

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幸福度ランキング世界1位のフィンランドから学ぶ、これからの働き方

幸福度ランキング世界1位のフィンランドから学ぶ、これからの働き方

近年、日本でもワークライフバランスを重視した働き方が推奨され、従来のような「働くために生きる」といった考えが「生きるために働く」といった考えへと変化しつつあります。しかしそれでも日本は、2020年3月に公表された世界幸福度ランキングで156カ国中62位。しかも2013年の43位から徐々に下がりつつあるのです。

一方、幸福度世界1位は3年連続でフィンランドでした。その最たる要因は、フィンランドが国全体でワークライフバランスを重視しており、安心して暮らせるという点にあるとのこと。

本授業はそんなフィンランド人の働き方・生き方を知り、そこから個々の働き方・生き方を見つめ直すきっかけ作りへと繋がる内容となっています。講師は書籍『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか 』(ポプラ社)の著者で、ライター兼フィンランド大使館広報部・プロジェクトコーディネーターの堀内都喜子先生です。

目次

  • フィンランド人はなぜ午後4時に退社できるのか

 

 

フィンランド人はなぜ午後4時に退社できるのか

 

「本書を出してから多くの人に聞かれるんですけど、フィンランド人は本当に16時になると帰りますね、あっという間です。フレックス制を取っている場合だと、多少時間は前後しますけど、それでも太陽が出始める7時くらいに出勤して、16時よりも前に帰る人の方が圧倒的に多いです」

 

そう語るのは、本授業の講師・堀内先生。おそらく現代日本では考えられない働き方であり、実践しようものなら周りから冷たい目で見られてしまうことの方が多いはず。

 

ではなぜ、フィンランド人はそのような働き方ができるのでしょうか。それは企業だけではなく国全体がワークライフバランスを重視しているためと先生は語ります。

 

「そもそも勝手に残業ができないんですよね。残業をする場合は上の許可が要りますし、基本的に無駄なことはしたくないという考えなので、上司から『早く帰れ』って言われてしまいます。

 

あと、子どもを部活動に送り届けるために、早く帰らないといけないという理由もあります。日本と違ってフィンランドの部活は、いったん家に帰ってから向かうので、親が送り迎えをしないと部活にいけないんです。でもそのような理由で退社できるのは、国民全体がそれ常識として認識しているからかなんですよね」

 

 

ただこれを聞いて、多くの人の頭には「そんなに早く帰って納期は守れているのだろうか」「仕事の成果はちゃんと出せているのか」と疑問が浮かぶはずです。確かに働く時間が短い分、納期も守れず仕事の成果は出しづらそうに思えてなりません。

 

この点について、堀内先生は以下のように語ります。

 

「基本的にフィンランド人は誠実なので、納期は守ります。ただ緻密さでいうと80%を目指しているところがあるのかなと。日本は100%を求めて仕事をするじゃないですか。

 

もちろんこれは日本の仕事における良い点なんですけど、ここが大きく異なるんじゃないかなと。あとはあらかじめ無理のない範囲で納期を設定していますね。もしそれ以上にリクエストをされた場合は無理をするのではなく、賃金を割り増しで請求してその割り増し分で人を雇い納期に間に合わせるという考え方が強いと思います」

 

 

また堀内先生は、日本とは異なる仕事の文化が午後4時に帰れる要因であるとも述べています。

 

その1つとして挙げたのは「社会的階層をあまり作らない」ということ。

 

日本では一般的に、社会的階級が上の人に裁量権があります。そのため、何か決めなければいけない時は、お伺いを立てるのが基本です。しかしフィンランドでは個々に裁量権が与えられているため、面倒な上司へのお伺いがほぼないとのこと。

 

加えて情報の共有は、口頭もしくは電話で済ませてしまい、わざわざccを使用したメール共有などはないそうです。

 

これは個々に裁量権があり、結果さえわかれば良いという考えがフィンランド人にあるからこそ実践できる点であると堀内先生は語ります。

 

 

授業内では他にも、フィンランド人が仕事を午後4時で終わらせられる秘訣が語られます。中でも「社会保障、福利厚生、税金に対する考え方」「会議にかける時間」や「社内のコミュニケーションの取り方」に関する話は、現代日本でもワークライフバランスを掲げる上で取り上げられやすい問題でしょう。

 

しかし、堀内先生が語ったフィンランドの取り組みは非常にシンプル、かつ日本でもすぐに実現可能な内容を含んだものでした。一体、フィンランドが取り入れている非常にシンプルな取り組みとは?詳細はぜひ動画をご覧になってみてください。

 

『『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか 』著者:堀内 都喜子さん (著者が解説 人気ビジネス書シリーズ)』

http://schoo.jp/class/6796/room

 

文=トヤカン

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