目次
- そもそもディレクションとは何か
- プランニングにおいて、まず考えるべきは「戦略」
- 伸びないWEBサイトは、情報があふれかえっている可能性大!?
2021.06.01
「WEBサイトを作ったけど、プレビュー数があまり伸びない」
「新商品(サービス)をサイト内で宣伝しているが、なかなか結果に結びつかない」
このような悩みを抱えている人は、ネットユーザーが求めていないゴールを設定し、本来求めているゴールにはたどりつかない道を進んでいるかもしれません。WEBサイトを制作する場合はとくに「ディレクション思考」をしっかり身に付ける必要があるでしょう。
Schooの授業『苦手な整理整頓がうまくなる「お片付けディレクション」』では、WEBサイト制作に役立つディレクション思考について学べます。講師を務めるのは株式会社エンタミナ・代表取締役の田口真行先生です。
先生は授業の冒頭で「WEBサイト制作におけるディレクションは、私たちにとって身近な行動『部屋の片付け』になぞらえながら考えるとわかりやすい」と語ります。いったいどのような授業が展開されるのでしょうか。本記事では、そんな授業の一部を掘り下げてご紹介!
また先生は、授業内で「プランニング」について少し掘り下げた解説を加えます。その題材として挙げられたのが「ユーザーエクスペリエンスの5階層モデル」という考え方。これは先生がWEBサイト制作時に必ず念頭におくもので、ネットユーザーが「有益だ」と思えるサイトにするためには必要なのだそうです。
ではその5階層の中身を見てみましょう。下のスライドを見ると上から順に「表層」「骨格」「構造」「要件」「戦略」となっています。
「この5つの中で、最もユーザーに届く部分・ユーザーが受け取る部分は一番上の『表層』になる」と語る先生。ちなみにWEBサイト制作において「表層」とは、ビジュアル・デザインのことを指します。
ここで人によっては「ユーザーに届いて欲しいのであれは、まずは表層に力を入れて作ればいいのか」と思うかもしれません。しかし先生は「それは違う」と否定します。結果的にユーザーに届くのはビジュアルやデザインですが、WEBサイトの制作者側がまず力を入れるべきなのは、階層の一番下「戦略」なのだそう。「戦略」とは、ユーザーニーズやコンテンツの目的を考えることを指し、ここを基盤に他の階層の中身を詰めてWEBサイト制作を進めないと、ネットユーザーが有益だと思えるWEBサイトから遠ざかってしまい、制作自体もうまく進まなくなるそうです。
ここまでディレクションの内容について、ディレクションをおこなう際の考え方にについて語られました。ただ「聞きなれない言葉ばかり出てきて難しい……」と思った人も多いのではないでしょうか。先生はそんな人達がより理解でき、身近に感じられるように、ある行動の例を用いながらディレクション思考を掘り下げていきます。
先生は用いた例とは「部屋の片付け」。まず受講生に以下のような質問をします。
“あなたは部屋の片付けが得意ですか?苦手ですか?”
多くの受講生が「苦手」を選択するなか、先生は「片付けが苦手な人や、片づけられない部屋には主に2つのタイプがある」と述べ、以下の2枚の写真を受講生に見せます。
Aの写真はとにかく色々なものが散らかっている状態の部屋、Bの写真は散らかっているというよりも物があふれすぎている状態の部屋を表しています。先生曰く、片付けが苦手な人はBの部屋であることが多く、WEBディレクションが苦手な人もBのような状態になっているケースが多いとのこと。
「このBの状態をWEBサイトにおきかえると、色々な情報がたくさん載っているけども、ユーザーが目的とする情報やサービスに辿り着きにくかったり、他の部分をクリックしてしまう可能性が高かったりする状態です。そのためユーザーからは『使いにくい……』や『見にくい』というイメージが生まれてしまうんですね。」
では、Bのような部屋の状態と似たWEBサイトを整理整頓し、ユーザーにとって有益なサイトへとディレクションするためには、何からおこなえば良いのでしょうか?先生曰く「この答えは、もともと部屋の片付けが得意な人はすぐに出てくるけど、苦手な人はなかなか出てこない」とのこと。詳細は、実際の授業で確かめてみましょう!
授業ではこの後、部屋の片付けを例に用いながらWEBディレクションの具体的な方法が紹介されます。WEBディレクターを目指す人やWEB制作がうまく進まない人はもちろん、部屋の片付けが苦手な人もぜひ、受講してみてください。
文=トヤカン
ペンシルからのプッシュ通知を設定しておくと、新着記事のお知らせなどをブラウザ上で受信できて便利です。
通知を受信しますか?
そもそもディレクションとはどういった業務なのでしょうか。普段からWEB関係の業務に携わっている人であれば答えられるかもしれませんが、そうでない人にとっては全容が掴みにくいものであるはず。
先生はまず、ディレクションの業務を2つ提示します。それが「プランニング(設計立案)」と「マネジメント(進行管理)」です。「ここでいうプランニングとは、1つのゴールを形作ることを指し、マネジメントはゴールまでの道筋を管理することを指す」と語る先生。この関係性をわかりやすく表したのが以下のスライドです。
山の一番上に立てられた黄色の旗が、プランニングによって生み出されたゴールです。一方、山の中腹に数本立てられた水色の旗がマネジメントによって生み出されたポイントで、ゴールまでに必要な道筋を整え、管理しています。つまりディレクションとは、1つの事業に関するゴールを定めて、そこまでの道筋を管理する業務なのです。ちなみにプランニングとマネジメント、最初に手をかけるのはプランニングとのこと。