目次
- 新人や若手にメッセージを伝えるときの3つのポイント
- 日頃のコミュニケーションを信頼関係に変える4つの柱
- 新人・若手も対等な相手としてコミュニケーションを取ろう
2023.05.15
マネジメントに携わる立場になると、新人や若手との間にジェネレーションギャップやコミュニケーションの温度差を感じることが増えるかもしれません。とくに、相手のミスを指摘するときなどは、相手を傷つけないか心配になる人も多いでしょう。
昨今は相手を軽視した発言が何らかのハラスメントと受け止められる可能性が高く、組織として社内のコミュニケーションを改善しようという動きが広がっています。もちろん組織全体を巻き込んだ啓蒙運動も重要ですが、何より大切なのは年齢や役職を問わず、一人ひとりが信頼関係を築き、伝えたいことを伝えられる環境をつくることです。
新人や若手との関係を保ちつつ、伝えたいことを伝えるためには、どうしたら良いのでしょうか。そのポイントを、NPO法人アサーティブジャパン代表理事の森田汐生(もりた・しおむ)先生が、授業『新人・若手とうまくかかわるコツ』で解説してくれました。
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新人や若手に物事を伝えるときのポイントは3つあります。1つめは、自分の主張を整理すること、2つめは相手の言い分を理解すること、そして3つめは対等なやり取りで合意を取ることです。
1つめの自分の主張については、事実と自分の感情に他者の意見などを混ぜず伝えることを意識し、具体的な提案を入れるよう心がけましょう。例えば、「おまえが遅れるとみんなが迷惑する」といった指摘は、自分と相手以外に「みんな」という存在が介入し、攻撃的なメッセージになってしまいます。あくまで1対1で起こった事実を確認し、自分の感情を踏まえて、次回どうすべきか提案することが大切です。この提案は、「これから毎週木曜10分間は進捗を確認しよう」というように、具体的なアクションに落とし込める内容にしましょう。
2つめの相手の言い分を理解するときのポイントは、複数の選択肢を出して聞くことです。なかなか相談してくれない新人に対しては、「なんでだよ」と怒るのではなく、「タイミングがわからなかったり、話しかけづらかったり、理由が何かあるのかな」と複数の選択肢を提示しながらヒアリングしてみると効果的です。
3つめの対等なやりとりについては、たとえ役職やキャリアが上の立場でも、相手を尊重し、自分の責任も認めることを意識してみてください。また、何かを注意する内容であったとしても、日頃の仕事ぶりなどについては肯定したうえで伝えることを心がけましょう。最後に「これかも一緒に頑張っていこう」というふうに、フォローの一言を添えることで、より対等な関係性を意識づけることができます。
日頃のコミュニケーションを信頼関係に変える4つの柱
こうした具体的なコミュニケーションのポイントに加え、新人や若手との信頼関係を築くためには、日頃の姿勢に反映される4つの柱を意識してみましょう。
4つの柱とは、それぞれ「見下さない・持ち上げない」、「率直になる」、「正直になる」、「言った責任と言わなかった責任」です。
見下さないことは言うまでもありませんが、やたら持ち上げることも対等な関係構築を阻害します。事実として若手が頑張っていることは評価すべきですが、意味もなく「すごい!」といった褒め言葉をかけすぎないようにしましょう。
また、厳しい言葉は言いづらいかもしれませんが、率直に、正直に事実と感情を伝えることで、相手は何が問題なのかを正しく受け止めることができるはずです。そのうえで、指示が甘かったり、これまで言い過ぎたりと、自分の過去の発言に非があったならば、その責任を受け止める姿勢を示しましょう。
新人・若手も対等な相手としてコミュニケーションを取ろう
マネジメント層の方の多くは、年が離れた新人や若手に対してさまざまな気遣いをするでしょう。その気遣いは適切な形で取られれば良いのですが、言いづらさを抱えたままの関係性は長期的に見て良いものには育ちません。
授業内では、こうした考え方の根源にあるアサーティブコミュニケーションの解説もしています。新人や若手とのコミュニケーションに悩みを抱える上層部の方は、ぜひ授業動画をチェックしてみてください。
文=宿木雪樹
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