目次
- オンライン会議の難しさは反応の見えづらさから生まれる
- 快適なオンライン会議のために必要なアイテムや環境
- チャット機能やファシリテーションスキルの活用で意見を聞く
2021.03.18
コロナ禍で急増したオンライン会議で、これまでのように会議を進められないストレスを抱えるビジネスパーソンが増えています。オンライン会議がうまくいかない原因一つずつに個々人が対策しなければ、ビジネス全体に支障が出てしまうでしょう。
今回はプロファシリテーターとして会議のファシリテーションや環境設計の指南をしている園部浩司先生の授業『オンライン会議でも活きるファシリテーションスキル』から、オンライン会議をスムーズに進めるための条件について学びました。本記事では、環境面での準備について解説します。
では、具体的な対策例を挙げます。まず、通信環境を整えましょう。オンライン会議で問題のない通信速度は、20Mbps以上と言われています。通信速度を確認できるブラウザサービスもありますので、自身がオンライン会議をする環境が適しているか確認してみましょう。さらに、高性能マイクまたはヘッドセットを利用することで声を聞こえやすくできます。1万円以内で入手できるマイクを使うだけで十分音質が改善されますので、ぜひ試してみてください。
また、オンライン会議における顔の情報は極めて重要です。たとえメインスピーカーでなかったとしても、ビデオをオンにして臨まなければなりません。一方で、映りが悪いことを気にする方が多いのも事実です。そういう場合は、カメラの角度と距離を調整するだけでもずいぶんと印象が変わります。さらに、リングライトなどを導入して光を入れると、相手にも表情が伝わりやすいでしょう。
背景については手軽なバーチャル背景を利用するのも良いですが、自身の趣味やライフスタイルがわかるレイアウトを背面に作っておくと、会議前の話題作りにも最適です。
オンライン会議中のファシリテーションのポイントは、名指しで一人ずつ意見を聞くことです。全体に問いかると誰も答えない沈黙ができてしまい、会話のリズムが作りづらくなります。また、チャット機能の活用も効果的です。一人ずつ指名しづらい人数の時は、意見をチャットに書き込むようはじめに促しましょう。
今回は「メンバーがすぐ行動できるファシリテーションスキル」シリーズから、第二回「オンライン会議でも活きるファシリテーションスキル」の授業内容の一部をお届けしました。会議をより良くしたいと考えている方は、同シリーズの他授業もチェックしてみてください。
文=宿木雪樹
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園部先生がアンケート調査をもとにオンライン会議の課題を抽出したところ、悩みの大半を占めるのはコミュニケーション面、特に相手の反応を捉えにくいことから引き起こされるものだということがわかりました。
例えば、画面をオフにすることによって相手の顔が見えないと、発話しない限り相手がどんな反応をしているのかがわかりません。また、たとえ画面をオンにしていても、顔映りが悪いことで表情が読み取りづらいこともあります。さらに、通信環境による反応の遅延や、複数人の同時発言も会話に支障をもたらします。
こうしたオンライン会議だからこそ起こるコミュニケーションエラーを解決する準備が、オンライン会議をスムーズに行うためには必要です。そこで、本来の会議室にあった環境を思い出してみましょう。従来のオフィスで行う会議室では、相手の顔が見えるのは当たり前でした。また、声もよく聞こえますし、周囲の環境音やノイズも少なかったはずです。会議室への出入りに許可が要らないことや、ホワイトボードなどで情報を可視化できることも会議室の利点でしたね。
こうした会議室の価値を再確認しつつ、オンライン会議でもその環境を再現できるか考えてみましょう。