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2020.09.28

column

「働き方改革」より、「働きがい改革」を。今すぐ始められる働きがいの高め方

「働き方改革」より、「働きがい改革」を。今すぐ始められる働きがいの高め方

今を改善するために本を読む。この習慣はたいへん良いことですが、具体的にどのようなビジネス書を読んだらスキルアップやマインドセットに役立つのかわからないという人も多いのではないでしょうか? 

Schooでは「スキルをアップデートするビジネス書大全」と題して、ビジネスパーソンにとって必要なスキルや関連書籍にフォーカスしてご紹介しています。

今回のテーマは、「働きがいをアップデートさせる書籍」。講師は、AMEビジネスコンサルティング合同会社代表社員で中小企業診断士の岡本洋平先生です。「働きがい」を正しく知って高める方法を学び、「働きがい」を持てるようになるためのヒントを話していただきました。

目次

  • なぜ、今働きがいが求められるのか?
  • 働きがいを高める意識作りと仕組み作り
  • これからの時代に求められるのはEQ(心の知能指数)

 

なぜ、今働きがいが求められるのか?

 

 

働きがいが昨今求められているのは、企業間で働きがいの格差が深刻化しているからです。働きがいの格差は、同時に人材格差を生みだします。ブラック企業から優良企業に人材が流れる傾向が強まっているのです。

 

人材の偏りは、今ある働きがいを奪う環境にもつながります。たとえ働きがいを感じている社員がいたとしても、人材に偏りが生まれた会社ではチームワークが欠如するからです。企業の生産性はこうした悪循環のなかで、ますます落ちていきます。

 

働きがいは「持て」と言われて持てるものではありません。とはいえ、働きがいを感じて働けるよう意識を改善した方が、10年後、20年後をずっと有意義に過ごせるはずです。ではそのために何をすべきなのか、先生の著書『SDGs時代の働きがい改革』をもとに考えていきましょう。

 

 

この本は、「意識作り」と「仕組み作り」の両面から働きがいを高めていこうという目標を描いています。「意識作り」は「働きがい改革」に、「仕組み作り」は「働き方改革」に直結するものです。今、多くの会社は「仕組み作り」を意識しすぎています。しかし、本来はじめに目を向けるべきは「働きがい改革」です。働きがいを持っているかどうかで、働き方改革の効果も変わってきます。

 


働きがいを高める意識作りと仕組み作り

 

まず、働きがいを高めるために自分の心を切り替えることで取り組める方法を二つ紹介します。

 

一つ目は、肯定思考になることです。肯定思考とは、単に相手を正しいと受け入れることではありません。なぜ相手はそう言ったのか考えることで、冷静に相手の心境を分析できるようになります。

 

肯定思考を身につけるためには、あまりテレビのように否定的な情報がたくさん報道されているものを見ないことが大切です。楽しいポジティブな情報を見るように意識すると、マインドがプラスの方向に変わってきます。すると、今まで否定的に捉えていたものを肯定的に分析できるようになります。

 

二つ目は、自己分析をして自分の強みを知ることです。自分のことはわかっているようで、見落としがあるものです。なかなか自分で強みを見出せない方は、客観的に自分を見てくれる同僚や家族などからフィードバックをもらうと、自分の意外な強みを見つけることができるかもしれません。

 

次は、仕組み作りです。業務を効率化するためには、まず「見える化」することが大切です。1日の仕事を15~30分刻みで書き出すことで、客観的に仕事を把握できるようになります。時間がかかっているところがわかったら、「なぜ?」と問いかけて改善してみましょう。例えば、メールを書くのに時間がかかっているなら、定型の挨拶文を辞書登録してみましょう。「自分にとって楽しいことをやるために、無駄な時間を減らす」ことを考えると、仕事を楽しくできます。

 

また、日々の習慣には「3Sの法則」がオススメ。3Sとは、「迅速に、シンプルに、誠実に」の三つの頭文字を取っています。はじめの「迅速に」は、スピード感を落とさずに応えること。時間をかけて完璧なものと作ろうとするのではなく、まずは出して、何か要望があればフィードバックをもらって完成させていく。その方が評価は高まり、次の仕事につながっていきます。

 

そのために大事なのは、「シンプルさ」です。例えば、前述した業務効率化の「見える化」は、「見える化」して「なぜ?」と問いかけていくだけのシンプルな作業です。この「シンプルさ」は働き方のトレンドになっていくでしょう。報告やメールも、シンプルさを意識してみてください。

 

最後の「誠実に」は、誠実な対応をすることです。

 


これからの時代に求められるのはEQ(心の知能指数)

 

個人の働きがいと組織の働きがいを区別して自分の力で働きがいを高めようとする方もいますが、個人の努力では限界があります。

 

組織に愛想を尽かせて辞める前に、周りの人に「頑張っているね」「ありがとう」といった感謝の気持ちをフィードバックしてみましょう。最初は反応がなくても、何十回、何百回も行ってみると、相手もフィードバックを送ってくれるようになります。

 

ちなみにテレワークでは、こうしたフィードバックをもらえる機会が減るため、ついサボりがちになります。フィードバックは働きがいを高めることにもつながっていますから、コロナ禍でも意識して周囲へのフィードバックの頻度を高めてみるとよいでしょう。

 

これからのAI時代、仕事をするビジネスパーソンは改めて「人間力」「行動力」「共感力」「思考力」が求められます。このなかの人間力は高めづらいですが、行動力と共感力はすぐに取り組めます。行動力は一歩踏み出せばいいだけですし、共感力も思考力よりは高めやすく、相手を注意深く見るだけで高まってきます。今は、IQ(知能指数)よりもEQ(こころの知能指数)の方が重視される時代。ぜひ、EQを高める訓練をして行っていってください。

 

岡本先生からは、そのほかにも具体的な「明日からすぐできること」と「今すぐできること」についてご紹介いただきました。気になる方は授業を見てみて、実践してみてください。そして今回の授業以外にも、シリーズ「スキルをアップデートするビジネス書大全」では、おすすめの書籍を紹介しながらスキルアップやマインドセットに役立つヒントを先生が解説しています。読書から自分を変えたい方は、ぜひ他の授業もご覧ください。

 

『スキルをアップデートするビジネス書大全 第3回 働きがいをアップデートさせる書籍』

http://schoo.jp/class/7136/room

 

文=宿木雪樹

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