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2022.03.06

column

社員教育や部下への指摘で役立つ、「言いづらいこと」を伝える方法

社員教育や部下への指摘で役立つ、「言いづらいこと」を伝える方法

社員育成のプロセスには、指摘や指示などのビジネスライクなコミュニケーションが欠かせません。しかし、昨今はパワハラを始めとしたハラスメント対策が重要視されているだけでなく、コロナ禍による対面コミュニケーション頻度の低下などが相まって、社員教育に資する対話の難易度が高まっています。

人事担当者や人材育成の役割をもつ人は、このコミュニケーションの難しさをとくに感じる立場です。新人社員や部下に対してミスを指摘しなければならないとき、どのような言葉をかけるべきか悩むことも多いでしょう。誤ったコミュニケーションは、相手との心的距離を離すだけでなく、場合によってはパワハラにつながるかもしれません。

言いづらいことを新人社員や部下に伝えるとき、どのようなことに注意して伝えればいいのか。この疑問に対し、NPO法人アサーティブジャパン代表理事の森田汐生(もりた・しおむ)先生が、授業『言いづらいことを伝える方法』内で答えます。

目次

  • アサーティブコミュニケーションは信頼関係を構築する方法
  • アサーティブコミュニケーションを実現するための順序
  • 相手を傷つけず、伝えたいことを主張する

 

 

アサーティブコミュニケーションは信頼関係を構築する方法

まず、森田先生の専門領域である「アサーティブ」とは、自分と相手双方を尊重した自己主張のことを指します。自分の意見を率直に、誠実に、そして対等に伝えることで問題解決を目指すコミュニケーションスキルです。

 

アサーティブコミュニケーションの目的は、正しい情報を伝達しつつ、相手との信頼関係を構築することです。ただ必要な情報を伝達するだけでなく、かといって友人のように仲良くなるためではない、その両方を備えた対話の手法を目指しています。

 

 

 

アサーティブコミュニケーションは、反応ではなく対応です。例えば、何度も同じミスをする部下に対して、怒りを爆発させてしまったり、間接的な嫌味をぶつけてしまったりするのは、その場の感情に任せた反応です。一方、アサーティブコミュニケーションは誰も攻撃せず、相手との中長期的な関係にとって合理的な形で、自分の希望や提案を伝える方法です。

 

 

 

アサーティブコミュニケーションは、このような特徴から、新人社員や部下などの立場にある社員と信頼関係を構築するために必要なスキルと考えることができます。

 


アサーティブコミュニケーションを実現するための順序

アサーティブコミュニケーションのポイントは、事実や問題と、感情を織り交ぜないことです。注意したいことがある場合、まず事実を伝えます。

 

例えば、状況を随時報告するよう伝えた部下がなかなか報告をあげてくれない場合は、「報告がないと迷惑だ」などと怒るのではなく、「情報共有がないと全体のスケジュールに影響がある」といった客観的な問題を先に伝えましょう。

 

その次に、自身の感情を開示します。「みんな迷惑している」など全体を巻き込む表現を使わず、あくまで自分が「心配している」、「まずいと思っている」といった感情を示します。

 

最後に、具体的な要望を提示しましょう。「次回はしっかり報告してほしい」といった曖昧な表現ではなく、「毎週1回15分程度進捗を確認する時間を取ろう」といった提案が望ましいです。

 

 

 

この3つの順序とポイントを意識することで、相手に伝えたいことを、誤解やネガティブな印象を与えることなく伝えることができます。

 


相手を傷つけず、伝えたいことを主張する

マネジメント層の方や人事担当者の多くは、相手を傷つけないよう意識するあまり、表現をオブラートに包んでしまったり、伝えたいことを我慢して自分が仕事を巻き取ろうとしたりしてしまいがちです。しかし、実際は率直な意見を伝え、明確な改善案を提示するほうが、相手も仕事がしやすく、信頼関係を構築することもできます。

 

授業内では、このほかにも具体的なシーンに応じてどのような対応が適切か解説したり、受講者から寄せられた質問をもとに伝える表現のポイントを紹介したりしています。社員教育に携わり、コミュニケーションに悩みを抱えている方は、ぜひ授業動画をチェックしてみてください。

 

文=宿木雪樹

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『言いづらいことを伝える方法』

 

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