目次
- Z世代とY(ミレニアル)世代とは?
- Z世代の高校生と大学生時代の違い
- Z世代の承認欲求・WebやSNSの活用・音楽にまつわる価値観
2021.03.01
団塊の世代、ミレニアル世代……各世代をまとめるキーワードは時代ごとに存在し、それぞれに特徴的な消費傾向や共通意識を知るヒントとなります。
2021年のトレンドを押さえる上で知っておきたいのが「Z世代」。1990年代中盤(または2000年代序盤)以降に生まれた若者世代を指す言葉です。
SNSを使いこなすZ世代の価値観を教えてくれるのが、タレントプロモーションやメディア運営を手掛ける株式会社N.D.Promotion取締役でZ世代の研究メディア「Z総研」アナリストの道満綾香先生。大学在学時に女子大生のマーケティングを目的としたTeamKJを設立するなど若者文化を追い続けてきた道満先生の授業で、社会人になるとなかなか追い続けることが難しい若者カルチャーを探りましょう!
Z世代の中にも3つの階層が存在すると田原先生。それは、2020年時点で19-25歳・16-18歳・13-15歳の3つです。大学生と中学生を比べれば選択肢や関心の対象は違う、というのは多くの人が納得のいくことでしょう。
例えばインスタグラムへの投稿ひとつとっても、以下の画像のようにJK(女子高生)とJD(女子大生)では、お揃いにするか否か、複数人で撮影するか、などの違いが見て取れます。
Z世代の高校生の特徴は、“みんなが同じ方向を向いていないとおかしいコミュニティ”。学校という狭いコミュニティでの情報共有が大半を占めるため、情報サイクルが確立されているのです。そのため、コミュニティ内の複数人が話題にしているものであれば、最初はあまり興味がなくてもクラス中に広まります。
一方、大学生以上の特徴は、“みんな違ってみんな良い”。学校・バイト・地元などコアコミュニティが複数に渡るため、カメレオンのように複数の個性を使い分ける人が多くなるのです。そのため、支配的な共通言語は存在せず、それぞれの考えが尊重されるようになります。
道満先生はこの特徴をまとめて、「女子高生はコアコミュニティ全体を『自分ゴト化』しており、大学生以上はコアコミュニティの一部ではあるが『自分は自分』である」と表現します。
大学生以上と高校生の違いは“人に認められたい”という「承認欲求」の形にもあります。
高校生の場合は、不特定多数から認められたいという欲求が強く、SNSの「いいね」数やフォロワー数を自身の通知表のように用いる傾向がみられます。学校のクラスでの立ち位置を確立するため、新しいものをいかに早く見つけられるかということに関心が向いているようです。
一方、大学生以上は所属する複数のコミュニティそれぞれで認められたいという欲求が強く、自分と関わりのある人に向けた発信が多くなるようです。行動範囲が増え「合わない」コミュニティは抜けられるようになるので、ひとつのコミュニティでの評価に固執する傾向は薄れていきます。大学生以上のZ世代にとってSNSは今ある関係を向上させるためのツールなのです。
つづいて話題は「Z世代の価値観」へ。
JKとJDのつながり・承認欲求に関する価値観の違いは調査でもはっきり表れており、特に「常に誰かと一緒にいたい」「常にSNSで誰かとやりとりしていたい」といったつながりに対する欲求はJKがJDを15ポイント以上凌駕しています。
友だちと位置情報を共有できるZenlyというアプリがJKの間で流行しているのも、このようなつながりに対する需要にマッチするからでしょう。
「WebやSNSの活用」では、Z世代はほかの世代と比べてシェア率が高くなっています。また、インスタのストーリーズに記事をスクリーンショットしてアップする使い方が、Twitterのリツイートなどが主体のミレニアル世代と比べて特徴的です。
Z世代は「リアルとSNSが常に連動しており、オンラインとオフラインの境目がないというのが多くみられる」と道満先生。プリクラで撮った写真をそのままインスタグラムに投稿したり、コスメの情報をSNSでキャッチして買いに行ったりといった行動が例として挙げられました。
若者文化としてかかせない「音楽」について、Z世代ではアーティストをグッズ購入や人に勧めることで“推す”行為が当たり前となっているのが、ミレニアル世代と比較して目立つポイントです。アーティストとファンだけでなく、ファンとファン同士でコミュニティを築き交流することもZ世代では多く見られるということです。
このような“推す”文化から、「Z世代の方がミレニアル世代よりもCDを多く購入している」という事実があります。ここから、CDが今や一種のグッズやアーティストの応援アイテムとなっている現状が見て取れます。また、Z世代にはミレニアル世代以上のイメージとは逆に「CDは古い」というイメージはなく、消費活動が逆行し始めている現実もあるそうです。
この記事で取り上げるZ世代のトレンドはここまでです。実際の授業ではさらに踏み込んで同世代のお金の使い方や流行った食べ物・飲み物についても紹介されました。
新世代の消費行動をビジネスに生かすのも、また若い世代との交流に生かすのも良いでしょう。ぜひ録画授業でご覧になってみてください!
文=宮田文机
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授業の最初にはリアルタイム受講生の皆さんに「若い人との好みや趣味について驚いた経験はありますか?」という質問がなされました。受講生代表の田原さんからも「略語などが移り変わって何を言っているのかがわからないことがある」という発言が。
受講生の皆さんからタイムラインに寄せられたコメントは以下のようなものです。
・最近大きなレンズの眼鏡が流行ってる?
・ネオンカラーが流行ってびっくりしました
・恋人探しをスマホでする
・やたら自撮りをする
・位置情報を、友だちと共有しあう
みなさんは上記の要素に共感する世代でしょうか? それともギャップを感じる世代でしょうか?
Z世代は1995年生まれのソーシャルネイティブ世代、Y世代は1981~1995年生まれのデジタルネイティブ世代だと道満先生。
ソーシャルネイティブとは、スマホやSNSに幼少期から慣れ親しんでいる、デジタルネイティブとはインターネットや携帯電話が当たり前の時代に生まれたということです。ちなみに広告用語でターゲットとしてよく使われるF1世代は20~34歳の女性を指します。