目次
- 「アンガーマネジメント」の基本をおさえる3ポイント
- 効果的な怒りの収め方。怒りのピークは何秒間?
2022.02.02
近年、注目されている「アンガーマネジメント」。「怒り」の感情との向き合い方を考える人が増えています。職場の人間関係がギクシャクしてしまったり、仕事を抱え込みすぎて大きなストレスに感じてしまったり……怒りの感情をコントロールできないことは、仕事や生活に悪影響を及ぼします。
Schooの連載授業『5万件のこころ相談に答えた漢方薬剤師・タクヤ先生のメンタル養生メソッド』の第7回目、テーマはずばり「アンガーマネジメント」。『「怒り」を理解し、平静な心を取り戻す漢方学』と題し、漢方アドバイザーの杉山卓也先生が「怒り」を理解し、これから先より良い働き方ができるようになるためには、どういったことに意識するべきなのか伝授します。
この記事では、杉山先生が指南する「アンガーマネジメントの基本」を深掘りしてお伝えします。「怒り」の感情に振り回されている人、必見です!
次に杉山先生は、効果的な怒りの収め方について話します。
まず知っておきたいのは、怒りのピークは6秒間であること。6秒間を待てば少し冷静になれるかも!? それでもヒステリックに叫んでしまいそうなときは、「1!2!3!……」と声に出してカウントすると、怒りによる最悪のケース(手が出てしまうなど)は避けられるはずです。
次に「めちゃくちゃ重要」と杉山先生が言うのは、怒りがわきそうな場面から離れること。物理的にも心理的にも、どちらでも怒りの対象から距離を取ります。そして、最悪の事態を起こした時の自分の評価を考えます。6秒数えたあとに、「ここで怒りを出したら自分はどうなるか」まで考えられると良いと杉山先生はアドバイス。
その後に重要なのが、過去の成功体験や嬉しかった体験を思い出すこと。怒りではなく別の感情に目を向ければ、思考をそらすことも最悪のケースを避けるのに効果的です。
そして、怒りがわいた時に言うセリフを決めておくことも大切です。「このセリフを言えばクールダウンできる」と自分の中に決めておきましょう。「脳は何かに紐づけられた言葉や動きをすると、思考や感情をもっていくことができる」と、杉山先生は補足します。また、怒りを点数化するのも落ち着かせるひとつの方法です。
最後は深呼吸。「怒ったときはとにかく深呼吸してください。怒った時は交換神経が優位になり血圧が上がると、呼吸が早く浅くなる。この状況を回避するために、大きく腹式で深呼吸することが大事」と、杉山先生は言います。
今挙げた例をすべてやる必要はありません。意識しておいてひとつでもふたつでも実践できると、怒りを収められるはずです!
授業では、怒りのタイプ別におすすめの漢方薬も教えます。体は活発だけど不安とイライラを持っていて便秘がちな人、ヒステリックで虚弱体質な人など、あなたは怒りを感じるとどんな体の症状を感じますか?実際の事業を確認しながら、学んでみませんか?
アンガーマネジメントがうまくできれば、怒りが抑えられるだけではなく、仕事や人間関係が円滑になり、より良い仕事環境が構築できるかもしれません。怒りと上手に付き合って、平静な心で日々を過ごしましょう!
文=田中ラン
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杉山先生はアンガーマネジメントの基本として、3つのポイントがあると言います。
①自分の「怒り」のタイプを診断し、何に怒りを感じやすいのかを知る
怒りのタイプは人それぞれ。自分がどんなことに怒りを感じやすいのか、まずはそこを知ることから始めましょう。
②怒りを感じても、外に出さない方法を知る
百貨店のスタッフさんは、いくら客が理不尽なことを言っても突然怒りを顕にはしません。もちろんスタッフさんは怒りを感じていないわけはないですが、外に出さない方法を知っている=アンガーマネジメントの基礎ができていると言えます。
③怒りを外に出す代わりに、自分が何に怒りを感じているかを落ち着いて説明する
外に出さない方法を知っていても、ため込むのは限界があります。ここで、怒りにまかせて感情を発散するのではなく、冷静に淡々と「自分は何について怒りを感じているか」理路整然と説明をします。
怒りの感情を相手に伝えたいときでも、「ぶわーっと怒りをぶちまけられるより淡々と何に怒っているか理由を並べられて説明している方が根深くて怖いと感じる」と杉山先生。感情のぶつかりあいにならず争いも避けられるうえに、問題解決の提言ができます。