目次
- 最初の質問は『問題の把握』から始めよう
- 客観的な視点から質問してみよう
- 問題解決のために「なぜなぜ」から「どこなぜ」へ
2021.05.31
ビジネスシーンの中で、相手に質問を投げかける機会は多いものです。しかし、この質問が適切でないと、思い描いた結果に結びつかなかったり、相手との間に誤解が生じたりします。こうした失敗を重ねないよう意識したいのが、5W1H(When、Where、Who、Why、What、How)です。
Schooの授業『シンプルに人を動かす「5W1H」質問術』では、5W1Hをテーマに多くの著書を生み出してきた株式会社ランウィズ・パートナーズ代表の渡邉光太郎先生を招き、5W1Hを上手に使い分けるコツを学びます。本記事では、授業内で紹介されたテクニックの一部を紹介します。
次に、ビジネスシーンでよくある質問の失敗例を解説します。たとえば、「よく失注してしまう」と悩んでいる営業担当の部下がいた場合、あなたならどんな質問を投げかけますか? もしもいきなり「どうして失注してしまうんだ(Why)」、「どうしたら失注しないと思う?(How)」と問いかけると、相手は答えられなくなってしまうでしょう。
このような場合、意識してほしいのが質問の視点を変えることです。「取引先はなぜ提案を断るんだろう?」というふうに、悩んでいる部下本人ではなく、第三者の視点での想像を促すような質問をすると、当事者を責める印象を和らげながら問題の本質に向き合うことができます。
あらゆる問題があったとき、多くの人がつい投げかけてしまう問いは「なぜ?(Why)」です。しかし、課題が漠然としているからこそ問題が生じるので、Whyの答えを探る前に向き合うべき問いは「どこが?(Where)」なのです。
たとえば、「会議が多い」という課題が社内にあった場合、「なぜ会議が増えるんだ」と問うのではなく、「具体的にどの部署で会議が多いのか」、「どんな目的のための会議が多いのか」を問うことが大切です。『なぜなぜ』ではなく『どこなぜ』の順序で質問することを意識すると、適切なHowを導き出すことができるでしょう。
今回は「シンプルに人を動かす『5W1H』質問術」の授業内容の一部をお届けしました。授業では、このほかにも5W1Hを図式化したものや、質問のテクニックを紹介しています。相手への問いの投げかけを意識することで、社内外とのコミュニケーションを改善し、スムーズな課題解決を目指しましょう。
文=宿木雪樹
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誰かから何か相談を受けたとき、あなたは何から質問しますか? 多くの人が投げかけがちな問いは、「どうしてそうなったのか?(Why)」や「どうしたら解決できると思う?(How)」です。これらの問いが悪いわけではありませんが、模索している段階の相談者に対してプレッシャーを与えたり、わからない答えを急かしたりしてしまう危険性があります。
相手の課題解決に結びつきやすいのは、相談内容をより具体にするための事実質問です。たとえば、「最近よく宿題を忘れやすいの」と子どもが相談してきた場合、「どうして忘れたの?」ではなく、「何の宿題を忘れやすいの?(What)」、「どこの教室にいるとき?(Where)」といった事実確認の質問を先にすることをおすすめします。これらの質問は、相談者の悩みの核心を探る効果があります。
ちなみにこの相談は実際にあったもので、「最近はいつ忘れたの?その前は?(When)」と事実質問をした結果、「実は数カ月に1回しか忘れ物をしていない」という事実がわかり、相談者である子どもの不安は解決したそうです。このように、まだ模索している段階の相手に対しては、事実質問をすることで課題解決の糸口が見えてくるかもしれません。