目次
- 苦手な人とのコミュニケーションコストを最低限に
- コミュニケーションの3つの壁苦情に対する謝罪でまずすべきことは?
- 相手のタイプを知ってコミュニケーションを取る
2020.07.08
仕事をする上で、コミュニケーションに悩んでいるという方は多いのではないでしょうか?
人間にはさまざまなタイプが存在する以上、苦手な人とも接しなければならない機会は必ず訪れます。
そんなとき、コミュニケーションコストを最低限に伝えたいことを伝えられる技術を身につけたいですね。
毎週月曜日朝9:00-開講されている朝Schooの第六回『人間関係の技術』では、コミュニケーションのプロである元アナウンサー兼記者で株式会社アットリーチェ代表取締役の木村明日香先生から人間関係をよくするコミュニケーションの技術がレクチャーされました。
「コミュニケーションには3つの壁」があると木村先生はいいます。それぞれの壁は、以下の通り。
①「思ったことを言語化できるか」の壁
②「自分の意図通りに言語・非言語をつかって届けられるか」の壁
③「相手が自分の想いを分かってくれるか」の壁
「自分の前に立ちはだかるのはどの壁か考えてみましょう」と木村先生。
「思ったことを言語化できるか」の壁の場合は、そもそも言いたいことがわからない、言語化できていないという問題があるといいます。その場合の対処法は「意見を伝える前に自分の感情を整理する」こと。そのうえでまずはどのような結果が得たいか、と目的から逆算することで適切な言語化が可能になるそうです。
「自分の意図通りに言語・非言語をつかって届けられるか」の壁を乗り越えるコツは、「相手の言葉に通訳して伝えること」。相手の受け取り方に応じてベストな語彙を選び、なるべくあいまいさを排除して伝えましょう。先生は語彙力を鍛えるために「語彙力ノート」を常に携帯し、使えそうな言葉をメモして自らの血肉としているそうです。
最後の「相手が自分の想いを分かってくれるか」の壁は、「察するを確認する」。つまり質問力を鍛えきちんと自分の意図が伝わっているかを確認することで対処できます。
質問力を上げるために使える武器として挙げられるのが「オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン」。前者は答えが決まっていない質問、後者が「はい/いいえ」など答えがあらかじめ絞られている質問です。
「オープンクエスチョン」で芳しい答えが得られない場合は、クローズドクエスチョンを活用して答えを絞ってあげましょう。例えば部下に「(仕事で)どこがわからない?」と聞いて「なにがわからないのかわからないんです(泣)」と回答されてしまったとしても、クローズドクエスチョンで細かくヒアリングすることで課題や思いを聞き出すことができるはずです。
人間関係を円滑に進めるうえで重要なのが「相手のタイプを知り、それに合わせて適切なコミュニケーションを選択する」こと。
木村先生曰く「感情を抑えるタイプ/出すタイプ・自己主張が激しい/相手の話を聞く」の2軸を使えば人のコミュニケーションの取り方はほぼ判定できるということです。
そうして2軸で分けられたコミュニケーションのタイプを図に表したのが、以下の画像。
「感情を抑える×相手の話を聞く」タイプは分析(Analytical)タイプといいます。このタイプは論理やデータを重視し、結論を出すまでに時間がかかるとのこと。うまくコミュニケーションを取るには部下の場合「事前・具体的に伝える」、上司の場合「積極的に話しかける」ことです。
「感情を抑える×自己主張が強い」のは行動(Driver)タイプ。このタイプは行動や決断が速い代わりに空気を読むのが苦手で権威に弱い傾向にあります。部下の場合はゴールを伝えた上で仕事を任せてあげる、上司の場合は短く的確なコミュニケーションを重視するといった対処法が有効です。
「感情を出す×相手の話を聞く」共感(Amiable)タイプは、協調性が高い一方、決断力に欠けるのが特徴。部下にはねぎらいの言葉を、上司には気持ちやみんなの意向を伝える表現を多めに使って感情面に訴えかける意識をしましょう。
最後は「感情を出す×自己主張が強い」直感(Expressive)タイプ。感情豊かでムードメーカー的役割を担ってくれますが、飽きっぽくルーテイン作業が苦手なタイプです。部下の場合はポジティブなコミュニケーションでテンションを上げることを、上司の場合は気分で向かう先がコロコロ変わる事態を防ぐため発言内容をしっかりメモすることを意識しましょう。
このように相手のタイプを見極めることで適切なコミュニケーション方法が見えてきます。ちなみにどのタイプにも見える人のタイプを判断するのに適切なのは相手が「○○時」だとか。「○○」に何が入るかは、授業動画の39:00ごろで確認できます!
今回は木村明日香先生による講義『人間関係の技術』の内容をテキストにてご紹介しました。朝Schooではほかにも『急な仕事の頼み方』『謝罪のお手本』といったコミュニケーションにまつわる授業が開講されています。
コミュニケーションスキルを向上させたい方はぜひそちらもご覧ください。
文=宮田文机
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アナウンサー・記者時代に、東日本大震災の被害に遭われた方を取材しするなかで「伝えるべきことを伝える技術」を多くの人に広めたいと思い現在のキャリアを選んだという木村先生。
意外にもアナウンサー時代にはコミュニケーションに悩み職場で居場所のない「苦手なひと」になってしまった経験があるといいます。
誰かにとっての「苦手な人」にならないためのスキルとして先生が掲げるのが「傾聴スキル」と「コミュニケーション頻度を増やすこと」。
うなずき、相槌、復唱など相手に“しっかりと聴いていること”を伝えるためのしぐさはコミュニケーションを円滑に進めるために非常に重要です。
そこで注意すべきことのひとつが、「なるほど」という言葉は不快に受け取られる場合もあるのでなるべく使わないということ。どうしても使ってしまう場合は「なるほど」のあとに「そうでしたか」など言葉を付け加えることで、良い印象を与えられる工夫をしましょう。
コロナ禍で一気に導入する企業の増えたリモートワークでは、特に傾聴の姿勢を分かりやすく伝えることが重要になるそうです。
また、「人とうちとけるためにはコミュニケーションの質以上に量が重要」だと木村先生は断言します。苦手な人に対してはどうしても避けるような態度をとってしまいますが、そのままでは溝は深まるばかりです。
「顔をあわせないのが一番のリスク」と考え、まずはなによりも話す頻度を増やすことを意識しましょう。