目次
- イケてる会議とイケてない会議の違い
- イケてる会議は、議題とゴール(着地点)があらかじめ決まっている
2021.03.12
些細なことで大勢の社員が集められ、長い時間を費やしたにもかかわらず、何も結論が出ずに終わってしまう……。現代社会にはそんな“無駄な会議”がいまだに存在します。
きっと多くの社会人が「この会議、本当に必要だったのかな?」と思ったことがあるはず。ただもし、自分が会議を開く立場になったとき、無駄のない会議を行う自信はありますか?
今回紹介する授業『「イケてる会議」では何が行われているのか?』では、そんな会議の無駄を減らすポイントが、数多く紹介されています。講師を務めるのは、書籍『ムダゼロ会議術』(日経BP社)の著者であり、CRMダイレクト株式会社・代表取締役の横田伊佐男先生です。
では実際に、イケてる会議ではどのようなことが行なわれているのでしょうか。先生は主要先進7カ国が行う会議「サミット」を例に挙げ、ポイントを解説し始めます。
サミットでは毎回、世界に共通するさまざまな問題が挙げられます。それらについて各国の首脳陣が話し合いますが、数日間という短い期間の中で、すべての議題に対し結論を出すのはとても難しいのです。
ただサミットでは、毎回「共同声明」「一部共同声明」「共同声明せず」といった結論が出ています。なぜなのでしょうか。それは、彼ら首脳陣には会議を円滑に進め、陰で支えてくれる各国の高官「シェルパ」という存在がいるためです。「彼らこそが首脳会議の運営の肝であり、イケてる会議を形成する1つの要素である」と先生は語ります。
そんなシェルパが、サミットを円滑に進めるために大事にしていることは2つ。1つは「会議の前に議題を明確にして絞っておくこと」です。実はサミットでは、シェルパ同士で会議前に話し合う内容を細かく調整し、議題を明確にしています。その結果、議題が横道に逸れる可能性が少なくなるのです。
先生はもう1つ、シェルパが大事にしていることとして「ゴール(着地点)の設定」を挙げます。先生いわく、シェルパは議題が決まった後、各国の首脳に以下のような話をするとのこと。
「サミットに参加する国はどこも、必ず議題ごとに『自国が求めるゴール(着地点)』を設定しています。そこで各国のシェルパは、議題が決まり次第、自国の首脳に『こういう時は首を横に振ってください』『ここのゴール(着地点)で落ち着くように誘導しましょう』などと伝えているんです」
こうした調整によって、サミットのような短い期間の中でも結論が出せるのです。
先生は「こうした手法は私達が行う一般的な会議でも有用」と語ります。議題に関しては、最低限「何をやるか」「誰とやるか」「運営する資金はいくら必要か」の3つは挙げ、議長を務める場合は、2~3個のゴール(着地点)を決め、選択肢を提示できるようにしておいた方が良いとのこと。これだけでも、短い時間で結論が出る「イケてる会議」に近づくそうです。
授業ではこの後、ソフトバンクと楽天の会議事例が挙げられます。両社のイケてる会議に対する取り組みは、新型コロナウイルスによって変容した会議の形にも対応できる素晴らしいものでした。いったい、どのような取り組みが「イケてる会議」へと導いているのでしょうか。詳細は実際の授業で確認してみましょう。
文=トヤカン
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横田先生はまず、受講生に以下のような質問を投げかけます。
ここでいう「あなたの会議」とは、あなた自身が参加している会議も含まれます。受講生から「イケてない」というコメントとその理由が数多く届くなか、先生が続けて提示したのは、イケてる会議とイケてない会議の違いです。
これは「会議」をテーマに講義を何万人に向けて行なってきた、横田先生のアンケート結果から導き出されたもの。そこからは、イケてない会議には「参加者からの発言がなく、中身も薄く、時間が長い割には何も結論が出ない」という特徴があるということがわかったそうです。一方、イケてる会議はすべてが逆になります。