目次
- 学びに「特効薬」はない!
- テクニックと結果だけを教えるのはNG!
2021.04.19
仕事の業務スピードを上げるには「業務効率の向上」が必要不可欠。そしてその大役を、長きにわたり担っているツールの1つがExcelです。昨今はExcelオンラインなどを活用し、複数人でデータを共用するケースも増えており、ますます便利になってきました。
ただ、Excelを扱えるレベルが個々で異なった場合、熟練者が業務効率向上につながるテクニックを、わかりやすく教えなければいけません。「自分ではわかっているけれど、どのように教えればいいのかわからない……」といった人も多いのではないでしょうか。
今回紹介する『田中亨先生が教える「今月のExcelテクニック」』の授業では、Excelテクニックの紹介と一緒に「教えるときのポイント」と「教わるときの心構え」についても触れられています。本記事では、その一部をご紹介。
続いて先生が取り上げたのは、Excelテクニックを教える側に関する質問でした。内容は以下の通りです。
“オートフィルとフラッシュフィルの違いを初心者にもわかりやすく説明する方法があったら教えていただけないでしょうか?特にフラッシュフィルに関しては、どう説明しても理解してもらえません”
この質問に対し、授業内では「やってはいけない教え方」が挙げられます。そのやり方とは「テクニックと結果だけを教える」というもの。一見NGな教え方には思えませんが、これではExcelテクニックを使いこなせるようにはならないそうです。
「そもそも、学ぶ側が教わりたいのは『なぜそうなるのか?』『それがどんなときに便利なのか?』『このテクニックの注意するポイントはどこか?』の部分。ここを説明してあげないと理解させるのは難しい」とのこと。
では実際に、これらのポイントを踏まえた上でオートフィルとフラッシュフィルの説明をする場合、どのような感じになるのでしょうか。まず先生は、オートフィルの説明から始めます。そもそもオートフィルとは、連続したデータを作る仕組みのことであり、数の序列、曜日、年月日を連続してシート内に出したいときに便利です。
例えば、上の写真のように「A-101」と番号を打ち、この下に「A-102」「A-103」と続けたい場合があったとします。ここでオートフィルを知らない人は、わざわざ下のセルにカーソルをもっていき、1つずつ番号を入力していくはず。
これで、入力する内容が多くなるほど手間がかかってしまいます。ただオートフィルの仕組みを理解していれば、セルの右下にある「フィルハンドル」をクリックして下にドラッグするだけで、下の写真のような連続したデータが作れるようになるのです。
また上述したように、曜日や月日といった全体数があらかじめ決まっている連続データにも、オートフィルは活用可能です。上の写真F列に表示された曜日を見ると一目瞭然。日曜日の次が月曜日になり、連続して表示されていることがわかります。
一方、連続したデータが存在しない場合はオートフィルの活用はできません。
上の写真には、受講生代表の田原さんの名前が入力されています。しかし、田原という名前は他の名前と連続するものではないため、いくらフィルハンドルをクリックして下にドラッグをしても、田原の文字が下に続くだけなのです。
このように、オートフィルのやり方を教えるだけではなく「どのようなときに便利なのか」や「使えないケースはどんな場合か」まで含めて教えてあげることが重要と、先生は語ります。
この後先生は、フラッシュフィルの使い方と使用時のポイント、オートフィルとの違いについてわかりやすく解説します。先生はどのように教えてくださるのでしょうか?Excelテクニックの教え方の本質を学びたい方は、ぜひ本授業を受講してみてください。
文=トヤカン
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本授業は受講生から送られてきた質問や相談に対して、田中先生が解説していくという流れで進行していきます。今回、先生が授業内で取り上げた内容の1つがこちら。
上の写真は、前回の授業で取り上げられた「Excelに詳しい上司の説明を聞いてもマニアック過ぎて理解できない」という悩み相談の続きです。先生は、改めてExcelを理解するために心得ておくべきことについて語ります。
「どんな勉強や仕事でも同じように、Excelテクニックもすぐに理解できる特効薬なんて存在しません。これは心得ておきましょう。そして、上司の説明が理解できるようになる方法は2つだけです。教えてもらう側がもっとレベルアップするか、上司にレベルを落として説明してもらうしかありませんよ」
また先生は、文章の中に「私はまだ駆け出し」や「レベルが低い」と書かれている点について言及します。
「まず『何をおっしゃっているんですか!』と言いたいですね。私はもちろんあなたの上司だって最初は初心者だったんです。だから『駆け出し』とか『レベルが低い』という言葉で自分を卑下するのは好ましくありませんよ。そもそも初心者を笑うなんて、あってはいけないことですからね。ですから、素直に『私にはまだわからないので教えてください』と上司に伝えてみてください。恥ずかしいことでも何でもありませんし、上司もあなたに分かるように教えてくれるはずですから」