目次
- 無駄をやめて“時間を生み出す”こと。これが本当の働き方改革!
- 資料作成はシンプルに! 文字数と余白を意識!
- チャットで気軽に社内連絡ができる環境にしよう!
2020.11.11
近年、日本は「働きすぎ問題」に注目が集まり「労働時間、残業時間の削減」が行なわれています。ただ多くの人は、こう思っているのではないでしょうか。
「時間が短くなっただけでは何も変わらない……」と。
Schooの人気授業「著者が解説 人気ビジネス書シリーズ」。今回紹介するのは、「時短+ハイパフォーマンス」を実現するためのメソッドが書かれた書籍『働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法』(日本実業出版社)です。本書の著者であり、株式会社クロスリバー社長・株式会社キャスター事業責任者の越川慎司先生を講師にお迎えし、本書についてご解説いただきました。
先生が挙げた現代ビジネスにおける無駄は3つ。そのうちの1つが「資料作成」です。越川先生は「資料作成」の目的から見直すべきと語ります。
「多くのビジネスパーソンが、伝えるための資料をきれいに作っています。しかし、資料作成の本来の目的は『伝えるため』や『きれいに作るため』ではなく『相手を思い通りに動かすため』なんです」
実際に、越川さんは「相手を動かす資料を作るにはどうしたら良いか」という問いを全国826人の意思決定者にヒアリングし、さらに「わかりやすいスライドとは何か?」を解明するためAIを入れてみたと語ります。ヒアリングの結果とAIが導き出したルールがこちら。
・約90%の意思決定者が「資料をシンプルにした方が良い」と回答
・10秒間資料を見て、要は何が言いたいのかがわかること
・1スライドは105文字に抑えること
その中で越川さんは、1スライド105文字に抑える明確な根拠について語ります。
「105文字以上だと閲覧率がグッと下がるんです。なぜなら、文字を頭の中に「絵」として視認できる限界が105文字であるためなんですね。実際に、ある企業の社員4,000名に提案資料を1スライド105文字以内で抑えてもらったところ、作成時間が約20%減り、提案書の成約率が22%上がりました。これこそ時間を短くして成果出す働き方改革の本質だと思っています」
続いて、現代ビジネスにおける無駄として挙げたのは「メール」です。中でも「メールを見ているか確認するメール」や「社内の相手に対する堅苦しいあいさつ文」が無駄を助長させていると越川さんが語ります。
その上で、先生がおすすめする方法はビジネスチャットの活用です。
「私の研修を受けたお客様のうち、63%の方が社内の連絡方法をビジネスチャットに移しました。すると、メールの作成時間が3分の1減少するという結果が出たんですね。なぜかというと、堅苦しいあいさつ文が『いまちょっといいですか?』に変わったからなんです。またビジネスチャットの場合、相手がオンラインしていれば約70%の確率ですぐに返信が来るという結果も出ています」
とは言いつつも「いまちょっといいですか?」と気軽に言える関係を構築できている人はほぼいないはず。したがってメールの無駄を減らすためには、日頃からお互いに会話する環境や時間が必要でしょう。
越川先生は、ある無駄を減らせば会話の時間も環境も生み出せると語ります。そしてそれこそが3つ目の無駄であり、多くのビジネスパーソンが「最も無駄が多い」と考えているものでした。
受講生からも賛同の声が多かった「無駄」とはいったい⁉ 詳細は、ぜひ実際の授業を受けて確認してみてください。
『「働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法」著者:越川慎司さん (著者が解説 人気ビジネス書シリーズ)』
http://schoo.jp/class/7310/room
文=トヤカン
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本授業は、越川先生の意外な言葉から始まります。
「実は私、『働き方改革』大反対なんです」
従来の働き方を変えようとしているものの、働き方改革には大反対。一見、矛盾しているように思えますが、そこには1つの理由があると越川先生は語ります。
「というのも、働き方改革に取り組む企業の88%が『残業時間削減』を目的にしているからです。残業時間を削減しても、隠れ残業をする社員が増えるだけ。本来目指すべきなのは『残業時間を減らすこと』ではなく『無駄をやめて時間を生み出すこと』なんです」