目次
- 「うまい」文章は不必要!?
- 書くのが速くなる「3つの素材」
2022.05.13
1時間で3,000字、5日間で本1冊を書き上げる秘訣とは?
もしももっと速く文章が書けるようになったら、生産性が飛躍的に高まるはず。しかし、それを実現するのは容易なことではありません。一体どうすればいいのか……。
そんな悩みを解決するヒントを教えてくれたのは、人気ブックライターの上阪徹さん。ベストセラー『10倍速く書ける超スピード文章術』の生みの親でもある上阪さんが考える、爆速ライティング術とは?
※この授業はSchoo「10倍速く書ける超スピード文章術」の授業を再編集したものとなります。
では、素材とは何か。大きく分けると、以下の3つに分類できます。
1.独自の事実
2.数字
3.エピソード
以下の例文をもとに考えてみましょう。
"「なぜ成城石井のワインは1,500円の安さでもおいしいのか。
ヨーロッパから船積みされたワインは2カ月かけて日本に運ばれますが、冬でも30度近い気温になる赤道直下のエリアを通過することになります。
普通のコンテナで運んでいたら、内部はとんでもない暑さになる。昔はそんな状態でワインが運ばれていたのです。これがワインに影響を与えないはずがない。
その問題を解決するべく、成城石井が取り組んだのが、リーファーと呼ばれる定温コンテナ輸送で直輸入することでした。30年も前のことです。
そして、日本に着いてからも完全定温、定温管理の倉庫を建造し、ワインを保管している。24時間温度や湿度を管理し、冷気が全体にまんべんなく自然滞留される仕組みも取り入れている。
成城石井はここまでやっているのです。だから1,500円のワインでもおいしいのです」"
上記の文章における“独自の事実”はどこでしょう?
「ヨーロッパから船積みされたワインは2カ月かけて日本に運ばれます」「冬でも30度近い気温になる赤道直下のエリアを通過する」などがそれに該当します。
“数字”は「1,500円」「2カ月」「30度」など。
“エピソード”は「日本に着いてからも完全定温、定温管理の倉庫を建造し、ワインを保管している」といった部分。
ちなみに、上記の文章は上阪さんが実際に書いたものですが、所要時間は5分以下とのこと。“3つの素材”をただ並べただけ、といいます。
つまり文章とは、「そこにある事実や素材を紡ぐもの」ということ。このようにシンプルに考えることが大切なのです。
小説家のようにゼロから物語を生み出す必要はありません。肩の荷を下ろして自分を呪縛から解き放ち、“爆速ライティング”に取り組みましょう!
文=宮田文机
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メール、レポート、企画書……、日々なにかしらの文章を書く機会は多く、それが仕事の大部分を占めてきているといっても過言ではありません。
すなわち、書く速度を速くすることは、多くの人にとって仕事の生産性を高めることに直結するのです。しかし、文章を書くのに時間がかかってしまうのは当たり前でもあります。
それは、“誰も書き方を教わっていないから”。ほとんどの人は小学校以降、作文術について専門に習ったことはないでしょう。
当時を振り返ってみれば、「うまい」と言われていたのは以下のような文章のはずです。
・優等生が書いた立派な文章。
・評論家が書いた難しい文章。
・文豪先生が書いた格調高い文章。
このような文章のうまさをWebサイトやメールといった普段アクセスする媒体に求めるでしょうか? 答えはNO。誰もそんなことを期待していないのです。それなのに、私たちは「うまく書かなくちゃいけないという呪縛」に囚われてしまっています。
必要なのは「うまい」文章ではなく「わかりやすい」文章。大人の書く文章──「実用的文章」を学べば、そのような呪縛は解くことができるはずです。
そのポイントとなるのは「どう書くかではなく、何を書くか」。そしてこの「何を」が文章を書く上で重要な「素材」であり、素材自体が文章の中身の“9割”を構築します。