ここ一番でアガらず、自分を出す力 #1 姿勢・呼吸法を改善する
今回は、自身のあがり症を自覚し、それを克服した「あがり症克服のプロ」鳥谷先生に、どんな場面でも100%の自分を出す力方法を教えていただきます。
鳥谷 朝代 先生
一般社団法人あがり症克服協会 代表理事
徳田 葵
受講生代表
2017.12.13
鳥谷 朝代 先生
一般社団法人あがり症克服協会 代表理事
徳田 葵
受講生代表
そうですね。自尊心という言い方であったり、自意識が過剰になっている状態、絶対に失敗したくないという思いがあがりの原因ですね。
意識が自分に向いてしまっているというところがあるんですね。
「あがる」というのは、手足、声の震えや頭が真っ白になる、赤面するなどの状態のことを言います。「頭に血がのぼる」が語源だそうで、過度に緊張している状態が「あがる」ことだと考えてよいと思います。これは、訓練すれば治していくことができるので、安心してくださいね。
過去の失敗が原因となって、「恥をかきたくない」「人にあがっていることを見られたくない」と強く感じたときに、自分で自分を守ろうとする自己本能の一つで、これが過剰に出ると、いわゆる「あがり」の症状が出てきます。
就職の面接で緊張してうまく話せません。どうすればよいでしょうか…
面接はそもそも緊張するものなので、緊張すること自体は決して悪いことではありません。面接が一生を左右することもありますしね。
面接では、発声が弱かったり、顔がひきつるといったことはできれば避けたいですよね。面接前に授業内で説明するストレッチや発声練習、顔のトレーニングをするようことでそうしたことに対処できるはずです。
それと当たり前ではありますが、しっかりと準備をすることが大事です。自分の答えをしっかりと用意しておくことで自信を持って、面接にのぞめるでしょう。
緊張を和らげるために、よい食べ物などはありますか?
あります。よく聞かれる質問です!
よく噛むものとかですかね?
それも一理あります。噛むことが緊張感を和らげてくれます。よく野球選手が試合中にガムを噛んでいますが、それはリラックス効果があるからですね。
では、先生のおすすめはなんでしょうか?
「トリプトファン」という成分が含まれた食べ物です。これが「セロトニン」を増やすと言われています。
「セロトニン」とはなんですか?
緊張すると「ノンアドレナリン」が出るのですが、それをコントロールして、緊張を和らげるのが「セロトニン」という脳内物質です。
その「セロトニン」の分泌を促すのが「トリプトファン」です。これは赤身の肉や魚、乳製品に含まれています。
ですので、本番前にホットミルクを飲んでみるのもいいでしょう。ただ、これさえ食べれば良いというわけではないので、その点は気をつけてもらえればと思います。
過去大きくやらかしてしまった経験がトラウマのようになってしまい、それ以来あがり症になってしまいました。その時の経験がちらつくんですが、何か対処法はありますか?
私は中学1年生のときの本読みの失敗で「あがり」を意識するようになり、以来17年ほどあがり症に悩まされてきました。
常に本読みの時のトラウマがチラついていましたが、それを克服することが出来たんですね。それが出来た理由は、トラウマを「成功体験で上書きしていくこと」でした。
あがり症の人は、人前で話すことに対して悪いイメージがあるわけですよね。「苦手だ→出来ない→嫌だ」という負のスパイラルに陥ってしまっているわけです。
これを良いスパイラルに持っていく必要があります。例えば、プレゼンや朝礼が苦手な人は同じコトを誰かの前でやって、「うまく出来たね!」と褒めてもらう、ということが重要です。
私の教室でも同じことをやっているのですが、こうした成功体験を上書きしていくことが、トラウマの克服につながるのではないかと思います。
人見知りとあがり症に関連はありますか?
限りなくイコールだと思います。私はあがり症の方に向けに講座をやっているのですが、講座が始まる前の30分ぐらいは、お通夜みたいにシーンとしています(笑)
話しかけたりとか、交流が生まれたりというのは全くないんですね(笑)
全くないんです。私から「隣の方に話しかけてみてくださいね」というと、挨拶はするのですが、どこかよそよそしく、会話があまり続かないみたいなんです(笑)
人見知りもあがり症を克服するためには、普段から、知らない人に挨拶をしたり、話しかけてみたりするなど、ちょっとしたことから始めて、小さな成功体験を積んでいくことが重要だと思います。
親しくない職場の人にいきなり話しかけられると、頭が真っ白になって、何も思い出せなくなったり、語彙が極端に少なくなったりしてまいます…。突然の雑談にはどう対処すれば良いでしょうか?
話しかけられた時に、「何か話さなければいけない。何か面白いことを言わなければいけない。」と思うと、緊張して何も言えなくなってしまいますよね。
この時に有効な会話テクニックとして、「オウム返し+一言」があります。例えば、「おはようございます。今日は暖かいですね」と言われても、特に話しかけてきた方も、そこまで深く考えてはいないと思います。
そのときに、何か面白いことやいいことを言おうとは思わず、例えば「今日は暖かいですね。最近どこか行きましたか?」のようにオウム返しをした後に、何か一言を付け加える。
無理に語彙を広げようとか、いいことを言おう、などは考えずに、まずは相手の言ったことを一つ受けて、それ対して質問を投げかけていく、という「会話テクニック」を使ってみるのも一つの手かもしれません。
2017年12月13日 公開
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