目次
- レジリエンスが関与する具体例
- 心が折れやすい人の特徴
- タクヤ先生が考える「鋼のメンタル」
2023.04.29
急激に変化する現代社会に対応するため、いま私たちに求められているのは、セルフマネジメント力です。特にビジネス上のメンタルにおいては「上司のきつい言葉に打ちのめされない方法」や「会社で生き抜いていくための心の育て方」といったマネジメント法がたくさん紹介されるようになりました。
過去10回放送された授業『5万件のこころ相談に答えた漢方薬剤師・タクヤ先生のメンタル養生メソッド』でも、こころと漢方の専門家で薬剤師の杉山卓也先生を講師に迎え、心やメンタルにまつわる知識やメソッドが紹介されてきました。
今回、取り上げられたテーマは「レジリエンスの育み方」です。レジリエンスとは、弾力性、回復力、しなやかさを表す言葉の総称。心理学においては「自身にとって不利な状況のとき、自身を対応される個人の能力」と定義されているそうです。どのように育んでいけば良いのでしょうか?
できることなら、心的外傷を経験しても心が折れないようにしたいところ。そのためにもまず、心が折れやすい人の特徴を把握し、自分に当てはまっているか確認することが大切です。
先生曰く、心が折れやすい人には以下のような特徴があるとのこと。
授業内で強調されたのは、「結果だけに目を奪われて一喜一憂しがち」という部分でした。例えば当月の営業成績が悪かった場合、心が折れやすい人は「成績が悪かった」という部分に焦点があってしまい、そこから先を考えなくなってしまうのだそう。
一方、レジリエンスが育まれている人は「なぜ悪かったのか」という過程に焦点を当てて考え始めるため、心が折れにくいとのこと。
「『なぜ自分がそのような状況にいるのか』『本来、自分は何をするべきなのか』を考えられれば、心を折るような状況下に自分を置かなくなるはず」と先生は語ります。
また、諦めが早い人も結果だけに目が奪われているため、心が折れやすいそうです。悪い結果の積み重ねだけを見てしまうがゆえに「どうせ自分なんか」「やっぱりダメだった」というマイナス思考が育ってしまうと先生。
諦めることは決して悪いことではありません。ただ、結果に付随する過程を見ずに諦める傾向だけは、なくしていくべきなのかもしれません。
メンタルについて調べているとよく出会うのが「鋼のメンタル」という言葉。授業内でも、この言葉について触れられます。
そもそも「鋼のメンタルは作れるのか?」という問いに関して、先生の回答は「作れないと思う」でした。
「もちろん、ある一定の強度まで達することは可能だと思います。でも地球上で最も硬い鉱物・ダイヤモンドでさえ方法によっては砕けてしまいますよね。心やメンタルもそれと同じで限界は必ずあるんです」
どれだけ強いメンタルといっても、外からの攻撃を真っ向から受け止め、ダメージを受けていることに変わりはない。それに対して強くなり続けようとすることは「心に無理を強いること」と同等であるというのが先生の考えです。
では、どのような心の状態が望ましいと考えているのでしょうか。先生は「しなやかで柔軟性のある状態」と語ります。どれだけ叩かれても折れない心より、ダメージになりそうな物事をいなす、しなやかな心を育んだ方が、急激に変化する現代社会に対応できるとのこと。
授業ではこの後、具体的な「いなし方」が紹介されます。また、授業後半30分は受講生からの質疑応答タイム。先生は、以下のような質問について分かりやすく回答してくださいました。
・心が折れる衝撃を軽くするために、日常生活で意識した方がいいことは?
現在進行形で辛い状況にあって心が折れそうな人、しなやかで柔軟性のある心を育みたいと思っている人は、ぜひ本授業を受講した後に、第1回も視聴してみてください!
文=トヤカン
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おそらく、多くの人が「レジリエンス」という言葉を聞いても、具体的なイメージが浮かばないはず。授業の冒頭では、そういった人のために以下のような具体例が挙げられました。
上のスライドは『PTSD(Post Traumatic Stress Disorder・心的外傷後ストレス障害)について書かれています。この状態は、戦地に赴いた軍人が発症しやすいと考えられており、実際に戦地で心理的外傷を経験し、故郷に帰ってきてからPTSDになった軍人は多いとのこと。
一方で、同じような心的外傷を経験してもPTSDにならない人もいます。先生はその差に「レジリエンス、つまり心の適応力や回復力が関与している」と語ります。