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2022.11.29

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私の人生は“麻雀理論”そのもの。元ビリギャル・小林さやかさん

私の人生は“麻雀理論”そのもの。元ビリギャル・小林さやかさん

キャリア形成に大切なことは「可能性を広げること」だけではありません。

時には今持っているものを「手放す」ことも必要であり、それこそが新たな選択肢を生むきっかけになります。しかし、理解はしているものの、実際に行動に移すには勇気が必要。

今回は、元「ビリギャル」としてセミナーなどで大活躍、これまでのキャリアを手放し、今はアメリカ留学中の小林さやかさんが実践する「麻雀理論」について紹介します。

※この記事は、コロンビア教育大学院|教育研究家|「ビリギャル」本人の小林さやか
さんが講師を務めたSchooの授業『「元ビリギャル」小林さやかさんが語るキャリアの決断力』を再編集したものです。

目次

  • 恩師に教えてもらった「麻雀理論」
  • 何かを手放せば、何かが自然に入ってくる
  • 「円満離婚」が麻雀理論を意識するきっかけに
  • ビリギャルになれたのも「手放した」から
  • 天職に感じた仕事も、思い切って手放してみた

恩師に教えてもらった「麻雀理論」

「このままでいいのかな」「本当はこれをやりたいんだけど、時間がなくてできない」など、現状にちょっとモヤモヤしていたり、現状を変えたいけどどうしたらいいか分からないという方も少なくないのではないでしょうか。

 

そんな方に、私の恩師である坪田先生が教えてくださった考え方であり、「有限」な時間の使い方について考え、現状を変えることに役立つ「麻雀理論」をご紹介したいと思います。

 

そもそも麻雀とは「4名のプレイヤーが13枚の牌を手牌として対戦相手に見えないようにして目の前に配置し、順に山から牌を1枚、自摸(ツモ)しては1枚捨てる行為を繰り返して、点数が高い人が上がるという頭脳競技です。

 

1度に持てる手牌の数は決まっていて、これは要らないなという牌を手放して、新しい牌を取り入れてそこに新しい可能性を見出ていくのですが、これはキャリアの選択にも当てはまってくるのではないかと思っています。

 

例えば、1日に使える時間は24時間、皆さんに平等に与えられています。仮に睡眠時間が8時間としてそれを省くと16時間。仕事や趣味、家事育児など、時間の使い方は人それぞれですが、時間を増やすことはできません。

 

 

何かを手放せば、何かが自然に入ってくる

現状を変えたいと思っている方にとって、限られた時間の中で「今」を変えるには、「今いる環境」「時間の使い方」を変えることが必要で、そのために「今持っている何か」を手放して余白をつくることが大切です。

 

もし、今あなたが仕事にワクワクしていないのであれば、思い切って転職に向けて動いてみるのもいいでしょう。また、毎日「2時間SNSを見てしまう」のであれば、そのうちの1時間で新しいものを学びはじめるだけでも、新しい可能性に出会うことができるかもしれません。

 

まずは今持っているもの中から何かを「手放す勇気」を持つことが、現状を変えるスタート地点に立つことなのだと思います。何も手放さずに新しい何かをプラスしても、余裕がなくなったり、なかなか継続できなかったり、そもそも「始められない」ということにもなってしまうのだと思います。

 

「円満離婚」が麻雀理論を意識するきっかけに

私がはじめて麻雀理論を意識したのは、離婚を経験した時です。一般的に離婚というと、お互い嫌いになって、歪みあった末にしてしまうものという印象があるでしょう。

 

当時、私と旦那さんとの関係は悪くなく、結婚生活に大きな不満があったわけではありませんでした。ただ、「このままでいいのかな」「何か環境を変えたいな」と現状にちょっとしたモヤモヤを抱えていました。

 

そんな時に恩師、坪田さんの言葉が私を動かしました。

 

さやかちゃん、今の人生に悩んでいたり、辛いと感じる時間があってパフォーマンスが上がらない状態が続くんだったら、結婚という牌を持ち続けることはもったいないと思わない?大きなものを手放したら、必ず大きなものが自然と入ってくるから、もし今の生活にワクワクしていないのだったら、この牌を手放すのは合理的な決断だと思うよ

 

嫌いになった訳でもない人と別れることは怖いことでもありました。それこそ当時の私にとっては結婚生活が大変を占めていて、それを一気に手放すことは大きな勇気が必要でした。

 

それでも、私は新しい可能性を手に入れるために、十分な時間を設けて話し合いを重ね合意した上で、お互いの未来のために「別れる」という決断をしました。そして、二人で一緒に役所に離婚届を提出。その後、桜満開だった中目黒の目黒川沿いで、二人で乾杯をして円満にお別れをしたのです。

 

ビリギャルになれたのも「手放した」から

振り返れば、「ビリギャル」になれたのも、「麻雀理論」が大きいと思っています。

 

高校生だった頃の私はもちろん「麻雀理論」を知らなかったのですが、友達と遊ぶことが大好きで、毎日のようにカラオケに行ったり、プリクラを撮ったり、合コンに参加したりと、いわゆる「ギャル生活」を謳歌していてその時間が宝物でした。

 

しかし、エスカレーター式の学校に通っていた私は、他大学への進学も選択肢に入れたいと思い、母の勧めで学習塾の面談にいき、その後通い始めることに。ここで恩師の坪田先生と出会うことになるのですが、この選択が私の運命を変えたのです。

 

志望校は慶應大学一本に絞りました。それからは、友達と遊ぶ時間を手放し、受験勉強に没頭。無事合格することができました。

 

当時を振り返ると、私の人生に新しい景色を見せてくれただけでなく、目標を達成するために二人三脚で支えてくださった坪田先生や時間を共にした受験仲間との時間は、かけがえのない財産となっています。遊びたい欲求、遊び友達との時間を手放してみて、得られたものは本当に大きいです。

 

天職に感じた仕事も、思い切って手放してみた

就職後も、大好きだった職を手放したことで新たな可能性を広げられました。大学卒業後はウェディングプランナーとして働いていたのですが、仕事は本当に楽しくて「天職」だと感じていました。

 

しかし、ちょうどビリギャルとして認知され「子どもたちに経験を伝えてほしい」と講演の依頼などもいただくようになった頃でもありました。

 

「私も人生が変わりました」といった感想を聞くたびに、だんだんと自分自身の心境も変化していき「私にしか伝えられないメッセージを届けたい」「ビリギャル本人として真剣に活動してみようか」と大好きだったウェディングプランナーの仕事を思い切って手放すことを決めました。

 

その後の活動によって、これからの学校教育について学びたいという強い欲求が生まれ、大学院で研究をすることに。さらに今は、住み慣れた日本を離れ、ニューヨークに住み、コロンビア教育大学院で、教育研究を続けています。

 

私の人生はまさに「麻雀理論」そのもの。現状を変えたいと思っている方は、「麻雀理論」を参考に、まずは何を手放すかを考えてみてはいかがでしょうか。

 

手放す勇気を持つことから、あなたの新しい可能性が広がっていくはずです。

 

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
「元ビリギャル」小林さやかさんが語るキャリアの決断力

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