目次
- 投資の観点から見るブロックチェーンの特徴とは
- ブロックチェーンによるC向け事業はプラットフォーム要らず?
- こんなことが学べた! 放送のポイント
2020.02.26
何がブロックチェーン“ならでは”なのか、実践例から考える。
FinTechや仮想通貨への期待が高まり、“ブロックチェーン元年”と呼ばれた2019年。2020年はブロックチェーンがより一般的に活用されていくことが予想されますが、どのようなサービスが今後展開されていくのでしょうか。
本授業は、株式会社gumi代表取締役会長である國光宏尚先生を講師に招き、株式会社TRUSTDOCK取締役でありJBA(日本ブロックチェーン協会)理事でもある肥後彰秀さんがモデレートしながら、ブロックチェーンの活用方法について考えていきます。
また、ブロックチェーンの普及はプラットフォーム事業を不必要にするかもしれません。というのも、プラットフォームは交換される双方のモノやデータの価値を担保することがサービスであり、その手数料によって成り立ってきたビジネスだからです。
ブロックチェーンの技術を活用した経済活動においては、すべての情報が唯一無二のものとして存在するため、不正を起こすことが不可能です。これが先述したブロックチェーンの特徴である「トラストレス(trustless=信用そのものが不要)」という言葉に集約されています。
また、ブロックチェーンがもたらす「ディセントラライズド(decentralized=分散型)」な社会では、多くの人々が関わることで、少しずつ利益を分散することができると國光先生は示唆しました。GAFAが集約してきたIT事業の利益を、ブロックチェーンを通じて個々が取り戻す時代の到来とも捉えられます。
「これまで既存の事業をディスラプトすることで大きくなってきたGAFAが、企業ではなく世界中の人々によってディスラプトされる」という未来像が、授業終盤で印象的に語られています。
そのほか、授業前の30分間を利用して行われていた雑談時間も必聴です。〇〇ペイやeKYCなど、トレンドワードを交えながら近年のFinTech周辺の話題を楽しくまとめています。
次回の「Techキーワード超解説」は、「ブロックチェーン「価値のインターネット」が導く未来社会」です。ぜひチェックしてみてください!
文=宿木雪樹
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國光先生はブロックチェーンの特徴について、「トラストレスで自律的に動く分散型ネットワークである」こと、「唯一性を持ちながら交換できることで、資産価値を生み出す」こと、そして「広義におけるトークンエコノミーである」ことだと定義しました。
株式会社gumiでは、こうしたブロックチェーンの特徴を生かした事業を展開する17の企業に対し投資を行っており、投資先からはブロックチェーンを活用したゲームコンテンツなどがすでにリリースされています。
インターネット技術がもたらした情報価値の低下の背景には、コピーによる同データの普及があります。対してブロックチェーンはデータをコピーできない性質を持つため、一つひとつのデータの価値を保てる点が最大の特徴である、と國光先生は解説します。
言い換えると、ブロックチェーンは「提供するデータの供給量を制限することができる」手法です。これまで誰かとデータを交換するとき、人はお互いのデータをコピーして交換しましたが、ブロックチェーン上では唯一無二のデータとしてそのデータを受け渡すことができます。
こうしたシステム上では、希少性と情報価値は比例するため、正当な交換条件をもとに経済活動を生み出せるのです。