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2021.02.05

Column

日本からGoogleやAmazonが生まれないのはなぜ?

日本からGoogleやAmazonが生まれないのはなぜ?

なぜ日本からアメリカのGAFAや中国のBATHのような巨大IT企業は生まれないのでしょうか?

テレビ東京コミュニケーションズとSchooが共同事業の一環として制作する『ギモンの法則』は、声優・漫画家の徳井青空さんを学び手に毎回経済のプロフェッショナルをお送りする生放送番組。

「なぜ同僚のアイツは出世するのか?」「なぜあの会社は儲けているのか?」「なぜコンビニのヒット商品は生まれるのか?」といった多くの人が日常で抱く疑問が経済の法則で紐解かれていきます。

冒頭のギモン「なぜ日本から世界的IT企業は生まれないのか?」は、シリーズ第10回のテーマ。担当する講師はニュース解説者/The HEADLINE編集長の石田健(イシケン)先生です。

目次

  • 日本から世界的IT企業が生まれない4つの原因
  • 日本の勝機はどこにある?
  • 生徒のさまざまなギモンへ回答!

 

 

日本から世界的IT企業が生まれない4つの原因

 

2020年最後の授業である今回、まずは「なぜ日本から巨大IT企業が生まれないのか」というギモンへのリアルタイム視聴者のみなさんの仮説が募集されました。

 

寄せられたのは以下のような回答です。

 

・言語の壁があるから
・法律上の制約が多いから
・そもそも巨大にしようとしていないから
・日本にはほかと違う人・ものを排除する風潮があるから

 

「楽天やサイバーエージェント、LINEなど反証はいくらでもでてくるじゃないか」ということに触れたイシケン先生。続けて提示するのが以下の画像の4つの仮説です。

 

 

ユニコーンとは、創業10年以内で、まだ上場していないにもかかわらず規模が非常に大きい企業のこと。こういった企業がアメリカや中国に多いのは、マーケットの規模に比例しているからだとイシケン先生は語ります。

さらに「アメリカのユニコーン企業はアメリカ人だけがつくっているわけじゃない」とイシケン先生。いろいろな国から移民が来ているというのがその理由です。スティーブ・ジョブズの親は中東の移民でした。また、Googleの創業メンバーにはソ連(現在のロシア)出身のメンバーが。世界から集まった人材がアメリカの巨大IT企業をつくりあげたのです。

 

──ではなぜ、移民たちはアメリカで起業を行うのでしょうか?

 

その理由のひとつが英語圏はアメリカだけではないため、アメリカでヒットするサービスを生み出せば全世界で注目を集められるということ。また、起業家への投資を行うベンチャーキャピタルもたくさん集まっています。「これがアメリカの強さだ」とイシケン先生。近年日本の環境も整ってきてはいるものの、まだアメリカには及びません。

 

さらに、アフリカやインド、南米などでもユニコーン企業が勃興しています。それらの国々ではいま日本で当たり前に使われている技術がまだ使われていません。その結果、リープフロッグ現象(技術が中途の段階を飛び越えて一気に最新のものに入れ替わる現象)が生じることになったのです。

 

このような複合的な理由から日本では巨大IT企業が生まれにくくなっているということです。もちろん、日本も停滞するばかりではありません。起業家数は増加傾向にあり、LINEとYahoo!の合併のように巨大企業を生み出すための機運は生まれ始めています。

 

マイナスの側面だけでなく、前向きな議論がなされているという点にも目を向けましょう。

 


日本の勝機はどこにある?

ここで「合併っていいことなんですか?」と徳井さんから疑問が。「良い側面と悪い側面があります」とイシケン先生。悪い側面は「似たようなサービスばかりになってしまうこと」。良い側面は、「GoogleやAmazonといった全世界で巨大企業が勢力を増している中で日本企業が生き残る手立てとなるということ」です。

 

国内では知らない人のいない楽天も「楽天カード」という国内独自のサービスから大きな存在感を発揮していますが、全世界的なECというポイントでは現状Amazonに及んでいないとイシケン先生は分析します。「そもそもある企業が海外に進出するのは実はすごく難しく、AmazonやFacebookもアメリカ国内の売り上げが多くを占めている」と先生。

 

どの企業にとっても海外に進出するのは容易ではないからこそ、“どうやったらでてくるんだろう”という思考が求められるということです。

 

 

日本という国があと5~10年でインドネシア、ブラジル、インドといった国に経済規模で追い抜かれることはもうすでに分かっているとイシケン先生は話します。「それでも世界の中で上だからいいか」と諦めてしまうのは、かつて世界で1、2を争う経済大国だった立場としては寂しいところです。

 

日本の勝機として先生が挙げるのが、どこの国から生まれたものかに関係なくクールなものはクールと感じる風潮が生まれてきているということ。例えば中国の動画サイトビリビリ動画で日本のアニメが視聴回数を伸ばしていたり、美容系YouTuberの間で中国のメイクが流行ったり……。

「アジアのカルチャーに対する感度が世界で高くなっている中で、プラットフォームに投稿するコンテンツで日本が対抗する術はあるのではないか」とイシケン先生は語ります。

 


生徒のさまざまなギモンへ回答!

『ギモンの法則』では「ギモンのギモンの法則」と題し、講義の中で視聴者のみなさんから生まれたギモンを解消していくパートが用意されています。

 

 

多数ピックアップされたギモンの中で、まずイシケン先生により回答が行われたのが「15~20年前はYahoo! Japanが一番使われていた気がしますが日本だけだったんでしょうか?」というもの。

イシケン先生によると、アメリカでもYahoo! Japanがかなり伸びていた時期もあるものの、すぐにGoogleに追い抜かれてしまったということ。現在も残っているプラットフォーマーはそれだけ地力を持っているということです。

 

次のギモンは「市場を日本以上に拡大しないから?(日本から巨大IT企業が生まれないのか?)」。イシケン先生は言語的に出て生きづらい、日本のマーケットにある程度の規模があるので出て生きづらいという要素があることは認めつつ、「かつてTOYOTAやソニーのように世界進出した企業はあった」と発言。現在も成長途上の企業は多数存在し、諦める必要はないと語ります。

 

文=宮田文机

ほかにも授業では時間の許す限り、さまざまなギモンへの回答が行われました。その内容は、ぜひ実際の授業動画でご確認ください。

 

『ギモンの法則 -不確かな未来を経済でひらく- 第10回 なぜ日本から巨大IT企業が生まれないのか?』http://schoo.jp/class/7450/room

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