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2020.03.05

Interview

会社は“価値観の近い人が集う”実践型コミュニティへーーツクルバ中村真広先生が考えるデザイン経営の本質

会社は“価値観の近い人が集う”実践型コミュニティへーーツクルバ中村真広先生が考えるデザイン経営の本質

ビジネス・デザイン・テクノロジーを融合し、価値を創造するための場づくり(出演:中村 真広)

目次

  • 企業をデザインするとは、「カルチャー」や「フィロソフィー」に形を与えること
  • 色んなアイデアに境界をつくって輪郭を描く。それがコンセプトになっていく
  • デザイン経営のあり方は「連続的な入れ子関係を作り、企業の輪郭を描く」
  • 経営者も事業部長も編集者も「デザイナー的思考」を持っている
  • 「デザイン経営」から「コミュニティ経営」へ。新しい共同体の形とは
「デザイン経営」が求められる時代。非デザイナーにとって、「デザイン」といわれると、別次元の話のように思え、難しく感じてしまう人も多いのではないでしょうか。

本授業の講師は、株式会社ツクルバのCCO(チーフ・コミュニティー・オフィサー)中村真広先生。

事業から組織文化、コミュニティまで一貫してデザインすることを得意とする中村先生が、デザインをどのように捉え、企業のデザインを行っているのかということを教わりました。

ここでは、ノンデザイナーの方でも理解できる「企業をデザインする考え方」についてご紹介します。

中村 真広 先生

株式会社ツクルバ 代表取締役 CCO

中田 有香

受講生代表

学びノート

SESSION企業をデザインするとは、「カルチャー」や「フィロソフィー」に形を与えること

27

経営・社会モデルにおけるデザインとはどのようなものですか?

293

経営におけるデザインって色々あると思っていて、組織を作っていく、会社を作っていく中で、概念的に見えにくいものって結構あると思うんですよね。

企業の文化とかフィロソフィーとか。そういうものをどういうふうに形に見えるものに、扱えそうなものとして作っていくのか。その辺が経営におけるデザインの一つかなと思っています。

293

あと社会モデルにおけるデザインっていうのは、一時期ソーシャルデザインという言葉も流行りましたけど、まさに社会の枠組み自体が、どういう新しい枠組みがあると、もう少し過ごしやすく、生きやすく、暮らしやすい生活が生まれるんだろうかとか。

293

そういった大きな引きの目線でのパラダイムシフトの中でどんな次のパラダイムを作っていくのだとか。

そういうものに接続しうるものかなと思っていまして、結構広義な意味になってくるなと思います。

SESSION色んなアイデアに境界をつくって輪郭を描く。それがコンセプトになっていく

293

デザインするときに考えていること。

例えば何か新しいアイディアを考えてくださいって言われた時に、ポンポンポンポン点のように思い浮かぶんですね。

293

あれもいいかも、これもいいかも、こんな可能性もあるかもしれないなと。

ただ、お題にはそれ特有の文脈があると思うので、色んなアイディアのなかでなんとなく境界を作って仕分けていく。

293

そして見えてきたアイディアの群を寄せ集めていくと、ひとつ輪郭が見えてくる。

それを引きで見て、相対化すると徐々にこういうものが作りたいのかなーという概念になっていく、コンセプトになっていくんですね。

293

それを、じゃあ今回のお題の文脈に乗せるとどんな感じになるんだろうね、見事はまったねと。

こういうような作り方を色んなフェーズでしているなと思っています。

SESSIONデザイン経営のあり方は「連続的な入れ子関係を作り、企業の輪郭を描く」

293

狭義のデザインの意味から、広くなっていくと広義のデザイン、経営のデザイン、ソーシャルのデザインというように、どんどん入れ子になっていくなと思ってまして。

293

グラフィックとか、UIとかが皆さんの想像する「デザイン」じゃないかなと思うんですが。

ここがもうちょっと拡張されていくと、ユーザーの体験とかサービス全体とか、システム全体のデザインになっていきます。

293

もっと引きで見るとビジネスモデルをいかに作るのかとか、各事業のエコシステムをどう組み合わせるんだとかという話ですね。

一番引きの話でいうと、社会モデルとかになっていくと思うので、もっと広義になっていきますね。

293

僕が思うデザイン経営のあり方でいうと、この連続的な入れ子関係を作りながら「企業の輪郭」を描くことなんじゃないかなと思っています。

これは僕も試しながらやっているんですが、輪郭を描くときに3つくらいの要素を掛け算しながら作れるなと思っています。

293

①みんなで感じる、体で感じる共有体験を作ろうっていうこと
②もやもやしている概念にちゃんと言葉を与えて言語化しましょうということ
③企業と社会とかもそうですけど、ちゃんと〇〇と対話するということ
かと。

この3つの軸ですね。実験的に活動し始めているってとこですね。

293

社会と会社の間にあるものを言語化するって意味だと、よく言われるのはMISSIONとVISIONとかは会社にとって大事だと言われますけど。

じゃあこれらって何なのっていうと、僕の言葉でいうのであれば、VISIONの方はDoであると思っています。何をするのか。

293

MISSIONの方はBeで、どうありたいのか。の部分かなと思っています。

例えばMISSIONは普遍的に追及するあり方を示していて、VISIONの方は時間軸を伴って、いついつまでにこんな会社になってこんな社会を作るというような話かなと思っています。

言い換えてしまうと、まあVISIONは父性、MISSIONは母性とも言えると思います。

293

あとは誰かに話したくなるようなストーリーをちゃんと語れるかみたいな話も重要だなと思っていまして。

例えば企業体で言ったらこういうところが根源で、どこから来たとか。どんな使命を持ち続けているのか、持ち続けたいと思っているのかとか。

293

どこを目指そうとしているのかというVISIONがあって、VISIONと今の現状の部分のギャップをどう目指して変えていくのかっていうところが全部一貫した時間軸のあるストーリーで語れると非常に素敵だなと思っています。

293

そして、ある時間軸でスパっと切ったときにちゃんとそれが理念体系として整合性のあるものになっているのかというのもすごい重要だなって思います。

根源的ななぜ始めたんですかっていうところ、コアな部分も重要だし、MISSION、VISION、いろんな戦略に結びついていって、最後戦術レベルになると。

27

なるほど。ありがとうございます!

SESSION経営者も事業部長も編集者も「デザイナー的思考」を持っている

27

質問が届いています。

「社会的、経営的、技術的な課題に対してアイディアを出して具体化する人がデザイナー?そうであれば誰もが多かれ少なかれ実践していそうだから非デザイナーという存在はいなんじゃないか。」

というご意見も届いております。

293

そうですよね。そう思います。

いわゆるデザイナーと、狭義の意味でのデザインをやっている人っていうようなイメージが多いと思うんですけど。

もっと引きの目線で、企業の経営をしていますと、CEOとして企業の経営をやっている人っていうのは、コンセプトメイキングしていないのかというとしていますし。

293

サービスのオーナーとしてやっている事業部長とかは、事業におけるビジョンをちゃんと考えていたり、さっきの意味でいうと、デザイン的な考え方で事業や経営を見ている人は多いなって僕は思っています。

293

なので専門職としてデザインをやってきた人がいかに経営に入るかというよりは、経営の中でいかにデザイン的な考え方を使って物事を見るかみたいなとこも非常に大事だなと思っているので、まさにこの質問者の考えに共感しますね。

27

意識せずにデザインの考え方を使って物事を考えている方って多くいらっしゃるということですね。

293

いると思います。

例えば、編集系の人とかって、すごいデザイン的な考えに近いなと思うところがあります。

文脈を入れ子構造で作っていくだとか、全体の整合性を取るとか。

なので編集者とデザイナーって近いでしょうし、いわゆるデザイナーだからって話ではないと思います。

27

そう考えると、共通言語を考えやすいというか、共通点で考えやすいですよね。

293

そうですね。

27

はい、ありがとうございます。

SESSION「デザイン経営」から「コミュニティ経営」へ。新しい共同体の形とは

27

では最後のセクションをお願いします。

293

はい。デザイン経営からコミュニティ経営へっていう話です。

これも造語なんですけど、このように関心が移ってきています。

引きで見たときに、社会における企業のあり方って何なんだろうっていう問いが生まれてくるわけなんですね。

293

すごいメタな話になるかもしれないんですけど。僕はこう考えていて。

経済が発展する前の社会は地域の共同体が強くて、強い関係性、ストロングタイと呼ばれる形の中で人々は暮らしていたと。

293

だからこそ村八分みたいな言葉も生まれてたと思うんですけど、そこが経済発展に伴って都市と田舎みたいな二項対立ができてきて、都市に暮らす人たちはなかなか人との繋がりを築きにくくなってきた。

293

それを補うところにSNSが一定の役目を持って発展していき、緩やかな関係性、ウィークタイの繋がりというのも一方であるよね。

というふうにインターネットの発展があったと。けどSNSで緩やかに繋がっても実際自分は満たされるのかっていうと満たされない人ももちろんいる。

293

なぜだろうと思うと、どこまでいっても直接的な交流を人々は求めている。

それにオフラインで出会いたいとか、共通の目的に対して共創をしたいだとか、そういうニーズはあるはずなんです。ストロングタイだと息苦しい、一方のウィークタイでも満たされない。

293

じゃあ新しい共同体の形って何だろうなっていうのを模索しているのが今の社会なんじゃないだろうかと僕は思っています。

ここに対して会社っていうのは、近い価値観の人が集う実践型共同体を担えるんじゃないのかと思っています。

293

なので今クラウドファンディングとかもそうですけど、共感して参加する経済っていうのが生まれつつあると。

なのでこれまで会社が相手にしてきたものって投資家だったりお客さんだったり、自分のとこのメンバーだったりにかぎられることが多かったんですけど、そうじゃなくて。

いまお客さんじゃない、メンバーじゃない、投資家じゃないっていうのにも、ファンっているはずじゃないですか。

293

このファンのコミュニティを作っていくていうのがすごく重要なんじゃないかって僕は思います。

27

なるほど。

293

会社の在り方自体も、これまでの営利的な会社だけでなくて、地球環境に配慮した経営のあり方だとか最近だと叫ばれていますよね。

293

今僕らは時代として「境界」にいると思っていて、これをどういうふうな会社のあり方を世の中に提示できるのかっていうのがツクルバとしての僕のチャレンジだなと思っています。

27

中村先生、ありがとうございました!

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文:梶谷レオ
編集:青野祐治
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2020年03月05日 公開

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