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2021.03.05

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1カ月で激変!? チームメンバーのモチベーションを高めるコツ

1カ月で激変!? チームメンバーのモチベーションを高めるコツ

「なぜあのブランドは売れるのか?」「なぜSNSマーケティングは上手くいかないのか?」「財政危機ってどのくらい深刻?」……。

現代人が抱えるさまざまな疑問を毎週木曜よる9時から経済の法則で解決するSchooの人気授業シリーズ「ギモンの法則」。2021年2月、第二回目の授業の疑問は「なぜあのチームは高い成果を挙げるのか?」。コスト削減、原価、仕入れ等の専門家としてテレビ、ラジオなどで活躍する経営コンサルタントの坂口孝則先生を講師として迎え、2021年2月第一回「なぜあのブランドは売れるのか?」と同じくよさこいチームRIKIOHの問題を解決していきます!

大企業を中心にいかにチームを動かすのかを考えてきた坂口先生の知見をRIKIOHのギモン人、アルミさんや芸人ゾフィーの2人とともに、学んでいきましょう。

目次

  • 実際に悩んでいる事情と本当の問題は違うことが大半
  • 2問のクイズでわかるチームのモチベーションを挙げる方法
  • チームメンバーのモチベーションを高めるコツは「○○〇」!?

 

 

実際に悩んでいる事情と本当の問題は違うことが大半

 

 

アルミさんが抱える悩みが「チームのモチベーション維持ができていない」ということ。授業の冒頭では「チームのモチベーション維持に悩んだ経験はありますか?」とリアルタイム受講生の皆さんに対してクエスチョンが行われました。やはりチームのモチベーション維持に悩んだ経験を持つ方は少なくなく、コメント欄には「小さな目標を設定する工夫をしています」「トップと社員との考えに差があると維持が難しい」といった内容のコメントが並びました。

 

 

 

坂口先生は悩みをヒアリングする前に、アルミさんに最終目的を尋ねます。それは、“それが共有されていないということにまず問題がある”と思ったから。アルミさんも確かに目標自体はいくつか存在するものの、はっきりと最終目的を共有できてはいないと同意します。

 

モチベーションがないというのはあくまで事象であり、その原因を探る必要がある、と坂口先生。よさこいチームRIKIOHの場合は、“ほかの趣味などを優先して練習に来ない人がいる”ということが問題と考えられます。さらに先生は“ずっと来ている人と来ていない人の差”について深堀します。その点を明らかにしないと問題は解決しないとのこと。“ある程度踊れる人は練習しなくても大丈夫だったりする”ことが一つあるかもしれないと、アルミさん。

 

 

 

坂口先生曰く、コンサルティングにおいて“実際に悩んでいる事情と本当の問題は違うことが大半”です。だからこそ原因を突き詰めていく必要があるのです。初心者とある程度踊れる人の差に原因があるかもしれないと考えた坂口先生は、「初心者がすぐに檜舞台に上がれるような仕組みは難しいでしょうか?」とアルミさんに尋ねました。しかし、群舞であるよさこいでは、最低限の踊りを身につけることが必須のようです。

 


2問のクイズでわかるチームのモチベーションを挙げる方法

先生曰く、組織のモチベーションを挙げる方法は以下の3つしかありません。

 

1.内発的な燃え上がる情熱
2.金銭的なインセンティブ
3.人間関係

 

上記2つが難しいとなれば、3つ目の人間関係にフォーカスするとよいかもしれません。先生は仲が良い人がいる人とあまりいない人では、退会率に違いがあるのかどうかをアルミさんに伺い、“メンバー間が異常に仲良くなる仕組みづくり”が必要だと主張しました。「『強制的に』メンバー間を仲良くさせる仕組みづくりは本当に必要ですよ!」と坂口先生。ここから、話はいったん一般論に進みます。

 

ここで、坂口先生からクイズです。

 

・片面にアルファベットが、もう片面に数字が書かれた4枚のカード「A」「K」「4」「7」。「片面が母音(A,I,U,E,O)ならば、そのカードのもう一面は偶数でなければならない」というルールが成立しているかどうかを最小限の回数で調べるとき、どれを裏返せばいいか?

 

 

 

回答者として指名されたゾフィーのサイトウさんは「これ、僕にですか?」ととまどいつつ、「A」と回答しました。しかし、正解は「A」と「7」。

 

ここで、もう一つ問題が。

 

・片面に飲料が、もう片面には年齢が書かれた4枚のカード「ビール」「烏龍茶」「28才」「17才」。「アルコール飲料を飲んでいる(裏にアルコール飲料が書かれている)とき20才以上でなければならない」というルールが成立しているかどうかを最小限の回数で調べるとき、どれを裏返せばいいか?

 

 

 

「この答えは『ビール』と『17才』だとすぐわかりますよね?」と先生。サイトウさんも首を縦に振ります。ここまでの2問は、実はまったく同じ問題です。「人間というのは全く知らないもの・身近でないものが題材だと認知が歪む」と先生は話します。しかし、身近なものに置き換えると考えやすくなります。これは人間関係の場合も同じ。日ごろから接している人とほとんど接していない人では、人間関係の判断のしやすさが異なります。だからこそ、チームの関係を円滑にするためには、メンバーの情報を知ることができる仕組みを作らなければならないのです。

 


チームメンバーのモチベーションを高めるコツは「○○〇」!?

チームのメンバーがお互いを知るために先生が編み出したのが「ボール」を使った方法です。5~10人のチームがいるとすれば、朝の短い時間でボールを手渡し、24時間以内にあったうれしかったこと・新しかったことを話してもらいます。そして、ひとこと言ったら全員で拍手。そうしてボールを回して情報を共有し、拍手するという流れを続けます。

 

「だまされたと思ってこれを1カ月続ければチームの中の人間関係は劇的に改善します」と坂口先生は断言します。3年隣で仕事をしている同僚でも、プライベートのことは全く知らないということは意外とよくあります。

 

「うちの娘はバイオリンをやっている」「私もクラシックが好きで……」といったように情報がつながっていくことで、わずか1カ月でそれまで考えられなかったほどチームメンバーがお互いを知れるようになります。

 

 

 

ボールを使うことで話したくないという態度の方も話すことが促進され、より情報共有が円滑に回るとのこと。「目標には『他人ごとの目標』と『自分のごとの目標』がある」と先生。チームの目標を“自分ごと”とすることがモチベーション維持には欠かせません。

 

そのうえで、「目標設定を一対一でしてください」と先生。そして、目標が上から与えられたものと感じさせないため、「この目標を達成するためにどうやったらいい?」と尋ねましょう。「どうしたらいい?」と聞かれると、人は解決策を話してしまうもの。そうして人間関係を変えることが、メンバーの考え方を変え、行動を変え、最終的な結果を変えることにつなげるのです。

 

文=宮田文机

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『ギモンの法則 第2回 なぜあのチームは高い成果を挙げるのか?』

 

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