目次
- 課題設定に必要なテーマを決めて、疑ってみる
- 課題を明確にするための因数分解と事実確認
- 課題ごとに価値を決めよう
2021.04.03
新型コロナウイルスによってさまざまな仕事に影響が出ている現代。苦渋の決断を余儀なくされる場面も少なくないなか、何とかいまの仕事を継続させたいと踏ん張っている人もいるでしょう。そんなときの一助となり得るのが「課題解決力」です。
Schooの授業『何から始めたらいいかわかる「課題設定の方法」』は、経営コンサルタントとして数々の事業課題を解決してきた坂口孝則先生を講師に迎え、さまざまな仕事で活用できる課題設定の方法を学ぶ授業です。課題を抱える“ギモンビト”として登場するのは、お笑いコンビ「ゾフィー」のサイトウさん。
彼が経営する居酒屋「やまよこ鮮魚店」は、コロナウイルスの影響で借金が4000万円までふくらみ、3店舗中2店舗を閉店せざるを得なくなりました。坂口先生はどのような方法で課題を洗い出すのでしょうか。本記事では、授業内で語られる内容の一部を深堀して紹介します。
続いて坂口先生が、おこなったのは“テーマの因数分解”。ここでいう因数分解とは、細かく分類することを意味しており、今回は「売上」が分類の対象です。先生が売上に対して因数分解をおこなった結果はこちら。
ちなみに分類する数に制限はなく、思いつくかぎり何個抽出しても構いません。
因数分解の後におこなうのは、それぞれの項目に対する事実確認です。先生いわく、事実や現状は何かと比較してみると確認しやすいとのこと。
「今回の例をもとに考えるならば、新型コロナウイルスが流行する前と今を比較して、考えてみると良いでしょう。この方法で事実確認ができれば、それぞれにどのような課題があるのかまで明確に導き出せるんです」
課題が明確になった後におこなうのは“課題の価値設定”です。おそらく多くの人が「すべての課題を解決したい」と思うはず。ただすべてを同時に着手するのはとても効率が悪く、好ましくありません。なるべく早く、かつ1つでも多く課題を解決するためにも、それぞれの課題に価値をつけ、着手する順番を決めることが大事と先生は語ります。
そしてもう1つ。先生は、価値を決める上で常に持っておいてほしい視点をサイトウさんと受講生に伝えます。この視点は、現場で働くビジネスパーソンが間違った課題を設定しないようにするためにも大変重要です。先生が数多くの経験から導き出した重要な視点とは? 詳細は、ぜひ実際の授業で確かめてみてください。
授業ではこのあと、上述した方法を用いて受講生とともにやまよこ鮮魚店の課題を洗い出していきます。なんと坂口先生、この授業のために事前にやまよこ鮮魚店に来店してみたとのこと。先生が考えた課題の紹介も見逃せません。
文=トヤカン
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坂口先生が最初におこなったのは“テーマ決め”です。ここでいうテーマは、事業の現状から見た目標とも言い換えられ、まずは以下のような2つのテーマを決めることから始めてみるべきと先生は語ります。
「まずはテーマを『あるべき』と『ありたい』の2つに分けてみましょう。『あるべきテーマ』には、自分達が生き残るために最低限必要なこと、『ありたいテーマ』には、ある程度ビジネスで成功しているけれども、より成功しブラッシュアップするために必要なことを当てはめていきます。
事業の現状にもよりますが、今回は状況的にも『あるべきテーマ』を解決させることが優先順位として高いでしょう。まずはどんなテーマが『あるべきテーマ』に当てはまるのか考えてみてください。今回は一例として『売上の維持』を掲げます」
この後、多くの人が「テーマに沿った課題を洗いだしていくのだろう」と思うはず。ただ先生は「もう1ステップ踏んでいただきたい」と語ります。その1ステップとは「選んだテーマをあえて1回疑ってみる」ということ。
ちなみに今回の例では「本当に売上を維持すべきなのか? むしろ売上を減らした方がいい可能性はないか?」というのが、疑う内容になるとのこと。このように掲げたテーマをあえて初期段階で疑うことで、他にテーマとして考えられる可能性を排除でき「やはりこれで良かったのだ」と思えるそうです。