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2021.01.19

column

会社のビジョンと自分のやりがい、どちらを優先すべき?

会社のビジョンと自分のやりがい、どちらを優先すべき?

「何をモチベーションに働くか」。この問いは、多くのビジネスパーソンが心の底で自問するのではないでしょうか? また、経営者や組織運営に関わる人は、社員のモチベーションをどうやって高めるか、悩んでいるかもしれません。

今回は「ビジョンが先か、人のやりがいが先か」をテーマに、組織やその一員が持つべき意識について考えます。

中央大学国際経営学部准教授でありMalz株式会社代表の木村剛先生と、米国アドラー大学院修士号を持ち、講師、講演家、メンタルコーチとして活躍する平本あきお先生。授業では、対極的な考えを持つお二人の講師がテーマについて熱い議論を交わしました。

本記事では、その授業の様子の一部を深堀していきます。

目次

  • 組織とはビジョンに向かって戦略を実行するもの
  • 個人のやりがいがなければ人は働けない
  • トップダウンかボトムアップかでなく両軸で考える

 

 

組織とはビジョンに向かって戦略を実行するもの

 

木村先生が終始伝えていたポイントは、そもそも会社という組織はビジョンがなければ成立しないということです。

 

まず、組織は共通の目的を持つ点で集団と異なります。この目的というのがあるからこそ、組織を構成する人々は役割分担ができ、一つの目的に向かって進むことができるのです。

 

 

そしてこの目的がビジョンであり、現状とビジョンのギャップを埋めるための指針が戦略になります。その戦略を遂行するための組織を構成するのが、人です。

 

この順序で考えれば、会社のビジョンと人のやりがいを比べたとき、会社のビジョンが先立つことになるでしょう。

 

木村先生は併せて、日本企業の多くは技術面では勝ったものの、事業では負けたという過去の事例を挙げます。会社が適切なビジョンを打ち出さなければ、現場での努力が成果を上げたとしても、市場で打ち勝つことはできません。

 


個人のやりがいがなければ人は働けない

一方、平本先生は一人ひとりの人がそれぞれモチベーションとなるビジョンを持たなければ成果を上げることはできないし、会社も回らないと反論します。

 

 

例えば高級スポーツカーと軽トラックを比べた時、どんなに性能に差があってもガソリンが入っているほうが速く走ります。それと同様に、人もスキルよりも原動力となるモチベーションが必要です。

 

会社のビジョンが個人のモチベーションになればベストですが、会社のビジョンは個々に浸透させるのは極めて難しいものです。だからこそ、人のやりがいが会社のビジョンより重視すべきだと平本先生は語ります。

 

自分の会社であるという意識を持って個々が働けば、現場の提案から組織全体が適切な戦略をとっていける。こうしたボトムアップの経営は、デジタル・トランスフォーメーションに対応していく中でも効果的です。

 

文=宿木雪樹


トップダウンかボトムアップかでなく両軸で考える

 

社員自身がビジョナリーであることが組織を形作る一方、組織がどこに向かいたいか方針を持たなければ、市場では負けることになる。このジレンマについて木村先生と平本先生は実在する企業の例やたとえ話を交えながら議論しました。

 

会社のビジョンをもとに、個人のやりがいとの共通項を増やしていくことが重要だという部分は二人の意見が共通します。そして、人と会社のビジョンが相互作用を起こし、環境変化に適応していける柔軟な組織を作っていくことが大切という結論へ。

 

授業では、二人の意見がぶつかり合うトークセッションの熱が伝わってくるシーンが数々あり、受講生の皆さんからは感嘆の声や真剣な質問が寄せられました。

 

 

この質問には、二人の講師のまったく異なる視点からアドバイスが。詳しくは授業動画でご覧ください。

 

今回は、シリーズ「どっちを重視?会社のビジョンと人のやりがい」から、初回授業の内容をお届けしました。授業全体を通して、会社の視点と人の視点を行き来しながら、働くことの意義について新たな発見が多い授業です。

 

経営者としてビジョンや社員のモチベーションについて悩んでいる人、あるいは今働いている会社にやりがいを見出せない社員の人は、ぜひ今後の授業もチェックしてみてください。

 

『どっちを重視?会社のビジョンと人のやりがい―ビジョンが先か、人のやりがいが先か 』http://schoo.jp/class/7247/room
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