目次
- 効果的な「間」の取り方
- メリハリのよい伝え方を身につけるコツ
- 画面越しの表情・動作はオーバーに
2020.07.28
テレワークやリモートワークが必要になりオンライン上でコミュニケーションを取る機会が増えてきました。そんな中で「自分の言葉はちゃんと伝わっているだろうか」と不安になったことはないでしょうか?
オンラインでのコミュニケーションは視覚上の情報がリアルに比べて少なくなってしまう分、より意識的にコミュニケーション術を使う必要があります。
そんなデジタル上のコミュニケーション術をレクチャーするSchooのオンライン授業「これから求められるデジタルコミュニケーション力」。第一回のタイトルは「メリハリをつけた「伝え方」で印象はグッと変えられる」でした。
元NHKキャスターで『仕事ができる人は「声」が違う!』(すばる舎)の著者牛窪万里子先生の授業からデジタルコミュニケーションでものをいう「話し方」のコツを学びましょう!
牛窪先生のコミュニケーション術の2つ目のポイントはメリハリのよい伝え方の実践方法です。特に視覚情報が制限されるオンライン上でのコミュニケーションで使える知見が得られます。
メリハリをつけるための手法としてまずレクチャーされたのが滑舌の改善トレーニング。みなさんは、女性はサ行が、男性はラ行が苦手という傾向があることをご存知でしたか?
「新人シャンソン歌手新春シャンソンショー」「イライラするから笑われる 照れるからからかわれる」のようにあえて自分の苦手な発音が多く含まれた早口言葉を練習して滑舌向上に励みましょう!
2つ目のポイントはキーワードを「強調」すること。「みなさん、キーワードを強調する方法は次の3つの選択肢のうちどれだと思いますか?」と先生。
1.強く発音する
2.大きい声で発音する
3.高くして話す
正解は3の「高くして話す」。会話も音楽のようにリズムや高低差を利用することが重要です。そこで、強調する部分はサビと考え、ほかよりも音程を上げることを意識しましょう。コツは、むしろ強調する部分以外のトーンを押さえる意識を持つこと。強調する部分でポーンと高い山をつくるイメージで話しましょう。
うまくできないという方は、ニュースのアナウンサーのしゃべり方を追いかけるように真似してみるシャドーイングで訓練してみてもいいかもしれません。
最後に先生がレクチャーするのはオンライン上だからこそ意識したい表情・動作のつくりかたです。オンライン上ではどうしても細かい動作や仕草は伝わりません。
例えば手をあげるにしても大きくあげないと気付いてもらえないことも。人の話を聞くときに重要なポイントの一つが頷きですが、少しだけだと気づいてもらえず「本当に話を聞いてくれているかな……」と話し手を不安に思わせてしまうかもしれません。意識して大きな動作を取ることが第一のポイントです。
第二のポイントは目線の使い方。Web会議の際、画面に映った相手の映像を見ながら話していませんか? 実はオンライン上の会話においてベストな目線の位置はずばりカメラ目線です。相手の映像に目を向けると自分では目を見て話しているつもりでも視線が下にずれてしまうことになります。
また、カメラとの距離も意識してみましょう。強調したい内容を話す時は思い切ってぐっと近づくことで一気に注目を集めることができます。
このように画面越しの会話では意識してオーバーな表情・動作・リアクションを取るのがおすすめだと先生。
ときどきカメラを切ったまま声だけでオンライン会議などに参加する人がいますが、コミュニケーションにおいてマイナスの効果を生んでしまっているかもしれません。
最後に「何を伝えたかよりも、何が伝わったか」が重要だとして先生は授業をまとめました。自分の意図をオンライン上でどう伝えるか、その試行錯誤は考えている以上に重要だといえるでしょう。
Schooの授業では質疑応答の時間が設けられており、「資料を共有しながら説明するときに注意することは?」「オンラインで話を引き出すコツは?」などの質問がリアルタイム受講生から寄せられました。
また、シリーズ『これから求められるデジタルコミュニケーション力』は第二回、第三回が予定されています。次回の第二回「誰かに教えたくなる「オンライン会議」の極意」もお見逃しなく!
『これから求められるデジタルコミュニケーション力 第1回 メリハリをつけた「伝え方」で印象はグッと変えられる』
http://schoo.jp/class/6992/room
『第2回 誰かに教えたくなる「オンライン会議」の極意』
『第3回 相手と自分の本音を引き出す「質問」術』
文=宮田文机
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まず牛窪先生が発したのが「『間』を意識して話していますか?」という質問。受講生の皆さんや受講生代表の徳田さん(写真左)からは「私は忘れてしまいます」「間が怖いという感覚がありますね」という声が。
先生が提案するのは「『間』=相手に配慮する時間」とする考え方です。間をつくることで相手は話をゆっくりと飲み込んで理解することが可能になり、また間を効果的に使うことによって文章の意味が誤解なく伝わります。また、話の区切りも間によって表現できるため相手はスムーズに話の移り変わりを受け入れることができるようになるとのこと。
もちろん間を取ることには呼吸が整えられることで緊張が緩和されるなど、自分自身にとってのメリットもあります。
では具体的に間の取り方を見ていきましょう。
・短文と短文の間は「1拍」
・話が展開するときは直前に「2拍」
・強調したり、注意を引いたりするときは一瞬間を置く
まずは文章の合間に間を置くところからトレーニングを始めましょう。ここで重要なのが意味のつながりのある部分は一息で話すということです。途中で息が切れて間をおいてしまうと、以下の画像の「私は、神経質でくよくよする人が嫌いです(神経質なのは相手)」「私は神経質で、くよくよする人が嫌いです(神経質なのは私)」のように大きく文章の意味が変わってしまうこともあります。
授業では実際に1分間の自己紹介で間の取り方を受講生代表の徳田さんが実践し、牛窪先生から講評がなされる場面もありました。直後に「『え~』のようなつなぎの言葉は飲み込み、間をつくる」などの的確な指摘が牛窪先生からなされます。間の感覚をつかむ一助として、ぜひ動画でご覧ください。