“学びたい”を刺激するメディア。

2020.12.08

column

リモートの語源から考えるテレワーク時代の「伝わる」言葉術

リモートの語源から考えるテレワーク時代の「伝わる」言葉術

新型コロナウイルスの流行により、ビデオ会議やチャットを使ったリモートワークが当たり前のものとなりました。

そんななかで高まり続けているのが“言葉の力”。

身振り手振りや表情で十分に表現できない分、より巧みに言葉を用いて仕事やプライベートでのやりとりを進めることが求められています。

Schooの「心をつかむ超言葉術」は、電通の人気コピーライター・作詞家の阿部広太郎先生から誰かの心を動かす“言葉のつくり方”を学ぶことができる人気授業シリーズです。第8回のテーマは「リモート時代の『超言葉術』」。こんな時代だからこそ意識したい言葉の使い方を阿部先生とともに学んでいきましょう!

目次

  • 「リモート」の語源とは?
  • 人間は、環境に順応する天才
  • 気持ちをつなぎあう手段のすべてが言葉
  • リモート時代の「伝わる」コミュニケーションの方法

 

 

「リモート」の語源とは?

阿部先生が3月に発売し、すでに3刷を突破した書籍『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』(ダイヤモンド社)を元に進められるこの授業。今回は「第2章・言葉の正体」を元にした授業だと先生は話します。

 

みなさんは、リモート時代のコミュニケーションにもどかしさを感じてはいないでしょうか?

 

そんななかで高まり続けているのが“言葉の力”。

 

身振り手振りや表情で十分に表現できない分、より巧みに言葉を用いて仕事やプライベートでのやりとりを進めることが求められています。

 

Schooの「心をつかむ超言葉術」は、電通の人気コピーライター・作詞家の阿部広太郎先生から誰かの心を動かす“言葉のつくり方”を学ぶことができる人気授業シリーズです。第8回のテーマは「リモート時代の『超言葉術』」。こんな時代だからこそ意識したい言葉の使い方を阿部先生とともに学んでいきましょう!

 

 

阿部先生が3月に発売し、すでに3刷を突破した書籍『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』(ダイヤモンド社)を元に進められるこの授業。今回は「第2章・言葉の正体」を元にした授業だと先生は話します。

 

みなさんは、リモート時代のコミュニケーションにもどかしさを感じてはいないでしょうか?

 

新入社員やまだ会ったことのない人と直接会えない環境下で心理的安全性をどのように築き、「伝わる」をつくればよいのかと先生は問題設定を行います。

 

最初に受講生に尋ねられたのが以下の質問。

 

・スクー生のみなさんはこのリモート時代において何か工夫していることありますか?

リアルタイム受講生からは「表情を大げさにするようにしています」「『いいね』だけでなく一言コメントを書くようにしています」「あえて手紙やお菓子を送るようになりました」といったバリエーション豊かな回答が得られました。

先生はそれらひとつひとつにコメントしたうえで、話を「そもそもリモート時代とは何か」という根本のテーマに移します。

 

 

リモート時代の一番の変化として挙げられるのが「人と人の距離の変化」。さらに先生が「リモート」という言葉を深掘りすると、「複数の対象が離れている状態のこと」という定義が導き出されました。その語源は「『取り去る』や『無視する』を意味するラテン語の『remobere』」。複数の対象が異なる方向に「離れ」たり、「離れた状態での関係」を説明したりする意味あいを持ちます。またリモートワークと同義で用いられることも多いテレワークのテレは「テレビ」のテレと同じく距離を示す接頭辞のひとつです。

 


人間は、環境に順応する天才

先生は授業が放送された11月初頭時点の状況を指して「それぞれの『選択』が混ざる」と表現します。直接会うことを選ぶ人もいればソーシャルディスタンスを徹底するためにリモートを徹底する人もいます。そんななかで「人それぞれの選択に対するリスペクトは忘れちゃいけない」と先生。

 

「会う」も「会わない」もそれぞれの頭で考えた結論であり、尊重することは同じく重要だということです。

 

 

ここで紹介されたのが日本生産性本部による『働く人の意識調査』。

 

2020年5月の調査によると、リモートワークを始めた人の約6割が「そのまま続けたい」と回答しており、同じく約6割が「効率が下がった」と回答しています。「効率が上がった」という人は7.2%に過ぎません。

 

しかし、その2カ月後の7月の調査では9.9%の人が、5カ月後の10月の調査では10.2%の人が「効率が上がった」と回答しています。

 

ここから、少しずつ自宅での勤務に人が順応していっていることが読み取れます。

 

先生の言葉で言い表すと「人間は、環境に順応する天才&やり方を見つけ始めている」ということです。

 

そんな状況下で言葉はどのような役割を発揮するのでしょうか?

 


気持ちをつなぎあう手段のすべてが言葉

自分なりの言葉の定義(マイ定義)を持つことが言葉を使う上で重要だと考えている阿部先生。また、先生は語源収集家でもあり、頻繁に古典にも当たります。平安時代前期の「古今和歌集」仮名序にて紀貫之は「やまと歌は、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける」と記述しています。

 

そこには「和歌は人の心を種としてさまざまな言葉となったものである」という意味が込められており、つづいて「この世に生きている人は、出来事や行為がたくさんあるので、心に思うことを、見るものや聞くものに託して言葉に表しているのである」という文章がつづくそうです。

 

 

「僕は『心を種にして言の葉になる』というのがずっと響いている」と阿部先生。心に思うことを伝えるための表現手段が言葉なのです。普段使う話し言葉や書き文字だけでなく、プログラミング言語や手話も言葉に含まれます。より広義にとらえればダンスや映像、写真などにも言葉があると考えられると先生は語ります。

 

つまり、先生曰く「気持ちをつなぎあう手段のすべてが言葉」なのです。

 

そのことを先生は「ダイアログ・イン・サイレンス 静けさの中の対話」というソーシャルエンターティメントで実感したといいます。これは、ヘッドホンをつけて全く音が聞こえない状態にしたうえでグループを組み、90分間で言葉を発さずに意思疎通を行うというイベントです。

 

授業ではその様子を小学校で行ったワークショップ映像が流されました。

 

映像の中で触れられているのが、言葉を発せない状況でも身振り手振りを用いてとても豊かに意思疎通ができるということ。発する言葉以外はやはり普段考えている以上に豊かなようです。

 


リモート時代の「伝わる」コミュニケーションの方法

では、言葉が隔てられるリモート時代に我々はどのようにして「伝わる」コミュニケーションを行えばよいのでしょうか。

 

先生が大事だと語るのが「相手のことを知る」と「翻訳する」ということです。自分と相手が違った状況にあることは当然のことでありまずはそのことを慮り尊重しなければなりません。そのうえで、自分の心で思っていることをリモート環境で最も伝わりやすいように翻訳することが重要です。

 

 

リアルタイム受講生からの「リモート時代では質問の仕方も変えていく必要がありますか」という質問に対する先生の回答はYES。先生はリモート下の質問では「企画書のこの箇所は~」といったように詳細に意図を伝えることを心掛けているということです。

 

文=宮田文机

阿部先生の授業はここからさらに伝え方や行動を変えてみるという話題にまで進みます。ぜひ実際の授業動画でご確認ください。

 

『心をつかむ超言葉術 第8回 リモート時代の「超言葉術」』

http://schoo.jp/class/7426/room

今日の生放送

おすすめ記事

ペンシルからのプッシュ通知を設定しておくと、新着記事のお知らせなどをブラウザ上で受信できて便利です。

通知を受信しますか?