目次
- 今は次の未来をつくるための「お試し期間」
- 世界を勇気づける言葉たち
2020.08.17
コロナ禍ですっかり気持ちが滅入ってしまった……。旅行にも行けないし気持ちが塞ぐ。
ここ最近、そういった言葉をよく耳にします。
そんなとき、心の薬となってくれるのが「言葉の力」です。誰でも一度は落ち込んだとき、くじけそうなときに、身近な人や読書から得た言葉の力に救われたという経験があるのではないでしょうか。
コロナ禍の今知っておきたい世界を勇気づける言葉について取り上げるのがSchooの授業『世界を勇気づける言葉~今、言葉のちからを学ぶ』。
講師のひきたよしあき先生は博報堂でCMプランナー、クリエイティブプロデューサーとして多くのCMを手掛けてきた一方、政治、行政、大手企業などのスピーチライターとしても活躍するまさに“言葉のプロ”。
ひきた先生が今受講生の皆さんに伝えたいとセレクションした言葉の数々に触れ、心に活力を取り戻しましょう!
それでは、実際に先生がセレクトした今世界を勇気づける言葉たちのうち5つを見てみましょう。実際の授業では10の言葉が紹介されました。「すべての言葉を知りたい!」と感じた方はぜひ、アーカイブ動画をご覧になってみてください。
1.気にすることなく、人を愛しなさい
この言葉は、世界的に有名なマザーテレサが発した以下の文章から抜粋されました。
人は不合理、非論理、利己的です。気にすることなく、人を愛しなさい。あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。気にすることなく、善を行いなさい。目的に達しようとしたとき、邪魔立てする人に出会うでしょう。気にすることなくやり遂げなさい。
ここで重要なのが「気にすることなく」という部分なのだと先生。前述のように、現在は絶対というものがないお試し期間です。これまで気にしてきた人の目を「気にすることなく」何かをやってみることが大事なのではないでしょうか。
2.書けるわけではないが、書かなければ始まらない
『限りなく透明に近いブルー』『コインロッカー・ベイビーズ』など数々の名作を世に送り出してきた作家の村上龍さんが自著『半島を出よ』のあとがきに記したというこの言葉。
ひきた先生は本を書いてみたいと考えていながら手をこまねいていた時期にこの言葉に触れ、一歩踏み出す気になれたといいます。やったことのないことに取り組むときは「○○ができるわけではないが、○○しなければ始まらない」と心の中で唱え、自分自身を勇気づけてみてはいかがでしょう。
3.洗心
ミスタージャイアンツとしてプロ野球界を代表する名選手長嶋茂雄さんが心に刻んでいたというのがこの言葉。長嶋さんは、バッターボックスでバットを振った時、それがホームランであれ、三振であれバットを回した時には「洗心(=心を洗う)」しているんだと話していたそうです。お試し期間にチャレンジすることを増やすと、思わぬ失敗をした、時間を無駄にしたなどと感じてしまうときもあるでしょう。
そんなとき自分は失敗であれ、成功であれ洗心することには達成したんだと考えればまた立ち上がる気力もわいてくるはずです。
4.客観という視線はない
『深夜特急』シリーズなどで知られるノンフィクション作家の沢木耕太郎さんの言葉です。このコロナ禍において連日ニュースで感染者数などのデータが紹介されています。
しかし、「伝え方には主観が入ります」と先生。例えば沈痛な面持ちでデータが紹介されれば、そこには「残念なニュースだ」という主観が入っています。そこで言葉をうのみにして惑わされることのないよう、自分の目線を持ちましょう。そのための警句として働いてくれるのが「客観という視線はない」なのです。
5.上り坂と下り坂は同じ数
先生が落ち込んでいるときにネット上で出会ったというこの言葉。気持ちが下がっているときにはついつい下り坂の方が多い人生のように思えてしまいます。しかし、よくよく考えてみれば坂が下り坂なのか上り坂なのかは、視点の置き場所によって変わります。
坂の上から見たら下り坂でも、下から見れば上り坂。先生曰く、大事なのは下り坂・上り坂に関わらず「前進しているんだ」と思うことです。前に進みながら強くなっていくという意識を持つことが大切です。
以上、ひきた先生の選んだ10の言葉のうち5つを紹介しました。残りの5つの言葉もまた違った角度から私たちの気持ちを勇気づけてくれます。
ひきた先生の授業はこれだけではありません。2020年5月3日、コロナ禍の真っ最中に行われた第一回の授業ではまた別の言葉が紹介されています。そちらもぜひ合わせてご覧になってみてください。
『第1回 世界を勇気づける言葉~今、言葉のちからを学ぶ』http://schoo.jp/class/6919/room
『第2回 世界を勇気づける言葉~今、言葉のちからを学ぶ』 http://schoo.jp/class/6988/room
文=宮田文机
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授業開講時点(2020年6月18日)の世の中の空気感について先生は、二つの特徴を指摘します。
一つは、一時期よりはコロナの猛威は落ち着きを見せているもののアメリカと中国の対立、日本国内の誹謗中傷問題などどこかギスギスした空気感が漂っているということ。
もう一つは、リモートワーク・テレワークが当たり前になりコミュニケーションの形態に新しいものが生まれてきているということ。zoomの画面にふと子どもの姿が映りこむなど、オフィシャルとプライベートの融合が進んでいるのがそのポイントの一つだと先生はいいます。そして、「それは良いことだと思います」と先生。
それは、今は「今は次の未来をつくるための『お試し期間』」と考えているからです。これは慶応大学特任准教授の若新雄純(わかしん・ゆうじゅん)さんと作家エージェント会社、株式会社コルクの代表である佐渡島庸平(さどしま・ようへい)さんの対談で先生が感銘を受け、抜粋した言葉です。
これまで「絶対」とされていたものがコロナ禍で絶対ではなくなった。そして、絶対の対義語は「曖昧」なのではないか。現在は今までの絶対が混とんとなってあいまい化しているお試し期間といえるのではないか。
上記の趣旨で語られたこれらの言葉。心に置いておくことで「ちょっとくらい失敗してもいいし肩の力を抜いていい」と楽な心持ちになれるのではと先生は指摘します。
リアルタイムの受講生からも「ワクワクしてきました」「気持ちが楽になります」といったコメントが寄せられました。