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2020.09.30

column

ユニクロの成功を分析! 一流のマーケターが考える、次の戦略は?

ユニクロの成功を分析! 一流のマーケターが考える、次の戦略は?

マーケティングにおいては「施策の実行力」ばかりが注目されがちですが、施策の成功の鍵は「戦略」にこそあります。身近にある商品やおなじみのサービスをチョイスして、「成功実例」からマーケティング戦略をトレースすることで「マーケターに必要な思考の筋肉をつける」。それがマーケティング筋トレです。

今回は、ブランディングテクノロジー株式会社執行役員・経営戦略室室長であり、6000人近くのマーケターが集まる学習コミュニティ『マーケティングトレース』を運営されている黒澤友貴先生が、一流マーケターに必要な戦略思考を得るための方法を解説します。

目次

  • 「なぞる」ことで一流マーケター思考を得る

 

「なぞる」ことで一流マーケター思考を得る

 

 

マーケティング戦略思考を身につけるために重要なのは、なによりも「戦略を言語化する力」です。

 

「この商品は人気があるな」「このサービスは一気に広まったな」と、成功した事例は目に入りやすいですが、「なぜ成功したのか」「なにがウケたのか」は、すでに世に広まった後では意外とわかりにくいもの。しかし、成功した事例の「結果」のみに気を取られることなく、「成功に至った道筋」を読み解いて、きちんと説明できるくらい自分の言葉でとらえることが大切です。

 

黒澤先生のマーケティングトレースでは、専用のフレームワークにあてはめるだけで「これ」と決めた企業のマーケティング戦略を言語化していくことができます。

 

 

マーケティングトレースの基本シートでは、まず「なぞる企業」の持つ商品やサービスの特性を分析したのち、その企業の競合相手や業界内での位置づけについて詳しく考えてゆきます。

 

モノやサービスにあふれた現代では、「一社だけの独占商品」は、ほぼ存在しません。ゆえにマーケティング上では差別化が大切になり、つねに「ライバルはどこにいて、自社はどこにいるのか」を意識する必要があるのです。

 

業界内での自身のポジション、そしてライバルのポジションをつかむことができたとき、ようやく「次の打ち手」に手が届くようになります。

 

 

授業内では、ユニクロをテーマ企業に定めて、実際にシートへあてはめていきつつマーケティング戦略を分析していきました。

 

その中で「ユニクロの売り上げ」を考えたとき、売り上げは「客数」と「客単価」のかけ算で表されます。また、「客数」と「客単価」それぞれも、新規顧客か既存顧客か、売れた服の種類はどうかなど、細かな指標へと分解していくことが可能です。

 

売り上げという「結果」を腑分けするように、サービスの持っている指標をどんどん細かくしていくことで、マーケティング対象の情報を具体的な言葉として落とし込むことができるようになります。

 

 

ユニクロの分析が進んだ結果、「現状の顧客は『なんとなくユニクロを選択している』場合が多い」と判明しました。この場合、今後のマーケティング戦略としては、「なんとなくではなく、もっとユニクロを積極的に好きになってもらう」方向が妥当といえます。

 

その方向性を打ち手として具体化したところ、「上から下まで全身コーデを提案して、ヘビーユーザーになってもらえるようにアピールする」、または逆に「ユニクロしか選択肢がない状態」を作るために、「制服としてのユニクロを提案する」という施策が考えられました。

 

このように、チョイスした企業のマーケティングトレースが完了したら、その結果をもとに「ならば、どういう施策を打つのがベストか」まで考えることが大切です。具体的な施策にまで意識を向けることで、トレースしたマーケティング思考を言語化、つまり、自分の引き出しを増やすことができるようになります。

 

 

競合と自社とのポジショニングが完了したら、相手のできること、自分のできることをしっかり見極めましょう。

 

顧客が求めているもの、他社がやっていること、自社にできていること、それらを区分して、重なり合うゾーンを言葉に落とし込むことで、「ブランドの持つ強み」を抽出することができます。

 

この「差別化ポイント」はマーケティングにおいて肝になる部分であり、ここをしっかりつかむことが正しい戦略設定の要となります。

 

実際の授業では、受講生の作ったシートをもとにした先生の具体的な添削とケーススタディが視聴できます。本記事で興味が湧いた方は、そちらもぜひご確認ください。

 

『マーケティング トレース チャレンジ 第2回 マーケティングトレースにチャレンジ~ユニクロ&SHOWROOM編~』

http://schoo.jp/class/7107/room

 

文=加藤敦太

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