目次
- お金や投資を学び始めたのは「なんでこのつらい仕事、辞められないの?」
- 根本的にケチで面倒くさがり「だから」わかりやすく発信する
- 学び続けるために重要なのは「宣言」と「締め切り」。それが“自由を手に入れる”ための第一歩
- 「自分だけ学んでいないから損をしている」と感じられるような状況を生み出したい
2022.03.14
将来の不安をなくすためにお金や投資について学びたい。でも、損をしてしまいそうで心配だし、どこから学んでいいかわからない……。
そんな思いを抱えている人に向けて毎月、Schooで人気授業『30歳までに知っておきたい経済の知識』で知見を発信しているのが #世界最速で日経新聞を解説する男≪セカニチ≫こと南 祐貴(みなみ・ゆうき)先生です。
毎日午前2時にInstagramのストーリーにて世界最速で日経新聞を解説し、noteやYouTube、Twitterでは株、不動産など幅広い投資知識から“選挙に行く意味”に至るまで、幅広い情報を公開。
さらに高輪ゲートウェイ駅徒歩5分のゲストハウス「Koru Takanawa Gateway」の経営者としての顔も持つ南先生。3月には初の著書『世界一面白くてお金になる経済講座――知識ゼロからはじめる投資のコツ』(ダイヤモンド社)の出版も予定されています。
南先生はなぜこれほどパワフルに学び、発信し続けられるのでしょうか? また先生のように“学び続ける秘訣”とは?
意外な失敗体験や、投資哲学とともに、南先生の「学びのストーリー」に迫ります。
──ほかに書籍や実体験から学んだ投資で大切なことはありますか?
南:「世の中の幸福度を増やした人が結局お金を手にする」ということですね。社員・ユーザー・株主の3方向すべてを幸せにしている企業が伸びるというマインドは投資家、藤野英人さんの本『投資家が「お金」よりも大切にしていること』から学びました。
だから私は、決算報告書を熱心に分析するよりも、社員へのインタビューとか、Amazonや価格コム、YouTube上のユーザーレビューを参考にした方がいいとよく話しています。
P/L、B/Sの基礎知識を知っておくのは良いことなんですが、“目に見える口コミ”みたいなものの方が企業分析で役立つと思います。例えばBtoB企業でも社員の満足度が高そうかどうか、私はめっちゃ見てますね。
──先生は学んだことをnoteの記事やSNSで積極的に、しかもイラストや動画なども使ってわかりやすく発信していますよね。その原動力はどこから生まれているんでしょうか?
南:それは私が根本的にケチで面倒くさがりだからですね。
私、常に頭の中で「面倒くせぇ……」ってうなってるくらい面倒くさがりなんです。だからこそ、一度とことん調べて仕組み化しちゃえば楽になると思ってる。いちいち面倒な説明をするよりも記事を読んでもらえば全部わかるように、noteで発信しています。
それにケチだから、何かを中途半端にやめたら“損した”と感じるんです。ご飯が残ってるのにお弁当を捨てちゃうみたいに不快なので、せっかくなら学びも記事の質も突き詰めたい。
だから、「どうしたら読者は最後まで読んでくれるかな」と思ってところどころにイラストを挟んだりとか動画を活用したりとかして、工夫や改善を繰り返しています。
こんな人間だから、発信したことを“せっかくなら”10倍、100倍の人数に届けたいという思いがあるんです。
──“面倒くさい”という気持ちに抗って、学び続けるために普段重視されていることはありますか?
南:重要なのは「宣言」と「締め切り」だと思います。
例えば私は「毎日午前2時に日経新聞を解説する」と宣言していますし、腹筋を割ろうとしていたときには「もし期日までに割れなかったら今まで何千時間も使って育ててきたSNSのアカウントを全て削除する」と言いました。
そうなると、例えば目の前にラーメンがあっても「これ食ったら、全部消えるな……」と思ったりして。
Schooの授業に関してもそうで、月1回必ず締め切りが決まってるからこそ「やばい準備しなきゃ……」と思えるんですよね。私は基本的に怠けものだから、宣言と締切がなかったら、おそらくやりません。でも、人類はみんなそうじゃないですか?
──昨今、「リスキリング」「リカレント教育」など社会人の学びに注目が集まってきている印象があります。先生は、社会人(大人)はなぜ、学び続ける必要があると思われますか?
南:私は、学び続けることは「人生の自由」を得ることにつながると思います。テキストを書く、動画をつくる、アプリをつくる……どんなスキルを身につけることも必ず何かの仕組み化につながります。たとえばコピーライティングなども、人の心を短い言葉でつかむ仕組みといえますよね。
仕組み化すれば、その分手間が減るので自由な時間が手に入ります。誰だって自由に生きたいし、好きなことに時間をかけたいですよね。そのために「今踏ん張ってみませんか」と私はいいたいです。
私、スクワットがすごくイヤだったんですけど「月曜日に終わらせたら1週間ハッピーに過ごせるぞ」と思って頑張ってました。スクワットはまじでヤバいです……。
──より自由な人生を手に入れるために、先生が今後、学びたいと思っていることはありますか?
南:一番は、英語です。なぜなら、日本語からのインプットだけだとちょっと限界が来るんですよ。本や映画、音楽などジャンルを問わず世界規模にインプットを広げたいので、今映画を見るときも字幕を出さないで頑張ってます。
ほかにも、学びたいことはありすぎて答えられないくらい無限にありますね。例えば「映え」についても勉強したい。私はゲストハウスの運営もしているんですが、やっぱり写真一枚で価値がガラッと変わったりするんですよ。
だから、写真とか、照明とか、インテリアとか、編集ソフトとか、「映え」にまつわる全てを学びたいと思っています。動画編集の知識も身につけたいですね。YouTubeの動画編集を自分でやるわけじゃないんですが、「こんなこともできる」みたいなコンテンツ作りの前提となる視点を持ちたいので。
──先生は今後、どのような将来像を描かれているんでしょう?
南:セカニチの活動を100倍くらいにパワーアップさせたいですね。TwitterもインスタもYouTubeもフォロワーを100倍にしたいです。Schooでの生放送視聴者数も100倍にしますので、ご安心ください(笑)。
まだまだ自分の影響力が小さすぎて、毎日絶望しています。例えば日本の証券口座の保有率ってまだ20%以下なんですよ。「周りの人が投資をしていないから自分もしなくていいや」と思っている人が多いんです。
日本人ってとにかくみんなと同じことをしたがる国民性があるような気がするんですよね。だから私はそれを逆手にとって、お金や投資について「自分だけ学んでいないから損をしている」と感じられるような状況を生み出したいと思っています。そうなると、日本人はめちゃくちゃ強いですよ。
──最後に、これから何かを学んでいきたい、あるいは、学び続けたいと考えている社会人へメッセージをお願いいたします。
南:学びのために一番有効なのは友達に宣言することです。「自分は○○をやる!」と宣言して「できなかったら叱ってくれ」と頼みましょう。口頭で宣言したうえで、LINEなどに記録も残してください。自分一人の内側に目標を閉じ込めたままでは、永遠にやらないですよ、絶対。
今学べば「将来の自由」が増えます。反対に後回しにするとどんどん自分の自由はなくなります。自分の人生、自由に生きたくないですか?
投資について何かを学びたいという人は、セカニチ初心者なら私の授業第一回『30歳までに知っておきたい投資の知識』をご覧ください。なぜ投資をする必要があるのか、逆に投資をしないリスクは何なのかについて解説しています。
私をすでに知ってくれている方は『「老後の資金対策のキホン」確定拠出年金の活用法』をぜひ。全国民に関係しているテーマです。ほかにも『お金持ちになりたければ選挙に行こう』など、見てほしい授業はたくさんあります。
また、3月には初書籍『世界一面白くてお金になる経済講座――知識ゼロからはじめる投資のコツ』も出ます。
私が人生をかけて築き上げた全ての知識を、この一冊にまとめました。知識がない方も、少し知識がある中級者の方も、どちらにも満足していただけるお金・投資・経済の本になっているので、ぜひ読んで、身の回りの方にも勧めてあげてくださいね!
企画/編集 =青野祐治
文=宮田文机
参考:
【プロフィール】
南 祐貴
午前2時に世界最速で日経新聞を解説する《セカニチ》として活動中。Instagram、TwitterなどのSNSを通じて、正しいお金の知識を無料で届けている。3月には初の著書『世界一面白くてお金になる経済講座――知識ゼロからはじめる投資のコツ』も出版予定。
#世界最速で日経新聞を解説する男 | セカニチ
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──南先生がお金や投資を学び始めたきっかけは何ですか?
南祐貴先生(以下、南):新卒で広告代理店に就職したんですが、毎日、深夜まで残業で。日本でトップクラスの企業のテレビCMの広告主を担当していたので、休むという概念がないくらいでした。
それで精神的に疲弊して「なんでこんなにつらいのに辞められないんだろう?」と思ったときに「そうか、お金じゃん。給料に依存してるからだ」って気づいたんです。
それで、社会人2年目の23歳からお金について学び始めました。
──どんな方法で学習を進められたんですか?
南:日経新聞や本、雑誌、マンガなどから情報を取り入れて、実際に株式投資も始めました。よくある「この銘柄が来る!」みたいな下世話なやつも含めて大量に読みましたね。その予言が当たったことは一度もなかったんですけど(笑)。
最初の株式投資では、勝ったんですよ。でも、それは今思うとただのギャンブルでしたね。保有株の株価が上がったらうれしいけど「もっと買っとけばよかった!」と悔しくなりましたし、下がったらもちろん落ち込むしで、ストレスが大きかった。
さらに、投資を始めて2年目、25歳のときに信用取引に失敗して、1カ月で700万円の損失を出しました。その当時の私の「年収手取り分相当のマイナス」ですね。メンタルも銀行口座の中身もすっからかんの状態。そこで、「投資をギャンブルにしちゃダメだ」ということに気づいたんです。
──25歳という若さでとてもヘビーな経験でしたね……。
南:当時は本当に絶望しました。そこで学べたのが「小さくコツコツ投資することの大切さ」でした。短期的な株価の上下で一喜一憂しても意味がないというか、結局買って(買ったことを)忘れるのが一番強いじゃんって気づいたんですよね。
でも内心「食っていかなければ」「私はこのまま何者にもなれず死んでいくのか」という焦燥感や不安がいっぱいでした。ポジティブでもネガティブでもなく、生きていくために選択したので、切り替えるほか選択肢がなかったんです。
例えば当時、私は任天堂の株を持っていて、「250万円(※)に上がったのに220万円で売ってダメージを喰らった」なんてこともあったんですが、今(2022年2月2日時点)、任天堂の株価500万円超えてますから。
そういった経験をしたからこそ、Schooの授業でも「うまい話に飛びついたりちょこちょこ動いたりするのは絶対NG」とお伝えしています。
多くの人が株取引で100万円くらい損して初めて「結局コツコツ長く投資するのが一番いい」ってことに気づくんです。でも、私が損した体験を話せば「みんなの100万円が(損せずに)浮くじゃん」と思って、今お金や投資について発信しています。
※…100株あたり。国内株式の売買単位は通常、銘柄ごとに100株/口と決められている。