目次
- 言いづらいことの伝え方
- モチベーションが低く見える部下への対処法
- 年上の部下との接し方
2020.10.14
コロナ禍によりチームメンバーと直接会うことが難しい状況が発生した2020年。マネジメントを担当する方はこれまでと勝手の違う働き方に大いに戸惑われているのではないでしょうか。
直接会うことができない状況でもチームの結束を高め働きやすい環境を作り出すために使えるのが「カウンセリングマインド」。カウンセリングの専門家以外がカウンセリングのノウハウを仕事やプライベートで活用する考え方です。
Schooの授業シリーズ『人を活かすアドラー式カウンセリングマインド』では、ベストセラー『嫌われる勇気』でもおなじみのアドラー心理学に基づいたカウンセリングマインドの活かし方を、有限会社ヒューマン・ギルド取締役研修部長兼公認心理師の永藤かおる先生から学べます。
第2回となる今回は前回の授業『カウンセリングマインド基礎 -人を尊重し、信頼を育む-』で学んだ考え方を、モデルケースを利用して模擬的に実践し、みなさんが日々の業務で生かせる状態を作り出します。
2つ目のテーマは「部下とモチベーション」。
部下に何を聞いてもはっきりした返答がなく、働き方のスタンスの違いも感じているというマネージャーの悩みです。部下のモチベーションが下がった原因を突き止められずにいる方に向けて、コメント欄では「本当にモチベーションが下がっているのだろうか」「いろいろな話題を振って話を聞いてあげる」といった意見が寄せられました。
さて、永藤先生がレクチャーするカウンセリングマインドからの解決案は以下の3つです。
1.相手の温度/テンションに合わせる
2.やる気/モチベーションの仕組みを知る
3.Yes,ButをYes,Andに変えてみる
「もしかしたらこの相談者は『自分にはこんなにやる気があるのに……』と自分と比べてモチベーションの違いを感じてしまっているかもしれない」と先生。むやみやたらに「がんばれ!」と鼓舞することは逆効果。相手の温度やペースに合わせて話をするのがベストなコミュニケーションの方法です。
続いて知っておくべきなのが「やる気/モチベーションの仕組み」。やる気やモチベーションが湧くのはDecision(決断)→Vision(展望)へと向かう過程でPassion(情熱)とMission(使命)を携えたときです。さらにそこにLogic(論理)を加えて“やらない理由”を排除するのが永藤先生流。この流れを理解し、相手と共有することがモチベーションを上手に支えることにつながります。
さらに、「Yes,But」(でも……)ではなく「Yes,And」(それに……)という思考の流れを意識的に実践することでやるための推進力を手にすることができるということです。
最後のモデルケース「年上の部下との接し方」の主人公は自身より20歳も年上の部下を持つことになった方。相手の業務への経験が豊富であるため支持することに気後れしてしまっています。さらにチーム内のコミュニケーションも世代間のギャップからかうまく機能していないと感じるということ。
リアルタイム視聴者からは「状況が私と似ています」というコメントも寄せられました。
先生が用意した解決案は以下の3つ。
1.タテの関係ではなく、ヨコの関係を意識する
2.共感的コミュニケーションを心掛ける
3.指示・指導ではなく、相談の形にする
一つ目のポイントは「誰に対しても」だと先生は強調します。リーダーだからとリーダー風を吹かせず、感謝の気持ちや礼儀を示した方が結果的にはうまくいきます。
二つ目の共感的コミュニケーションは相手の関心に関心を持つこと。このために絶対に必要なのが「相手の話を聴く」ことです。時間の限りはあるかもしれませんが、話を聴くことでコミュニケーションを良好な状態に保つことが重要なのです。もしも相手の言い分に納得いかない点があっても組織全体にとって建設的かそうでないかを判断軸にして返答しましょう。
三つ目は年上部下への接し方特有のテクニックです。おそらく自身も複雑な心情であろう年下部下。力でねじ伏せるようなやり方ではなかなか協力は得られません。知識や経験を無駄にしないようチームの一員として尊重し、建設的な「ご意見番」となってもらうことを目指しましょう。
以上、3つのモデルケースでカウンセリングマインドの実践法が解説されました。自身の状況と重なるケースを見つけられた方もいるのではないでしょうか?
今回取り上げた授業はこちら!
『オンライン1on1実践 -人を活かすアドラー式カウンセリングマインド- 第2回 モデルケース別、オンライン1on1実践①』http://schoo.jp/class/7155/room
また、シリーズ第三回『モデルケース別、オンライン1on1実践②』の授業では、また新たな角度からカウンセリングマインドの実践法が解説されています。
気になる方はぜひそちらもご覧になってみてください。
『第3回 モデルケース別、オンライン1on1実践②』
http://schoo.jp/class/7156/room
文=宮田文机
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今回用意されたモデルケースは以下の3つ。
-モデルケース1「言いづらいことの伝え方」
-モデルケース2「部下とモチベーション」
-モデルケース3「年上部下との接し方」
まずは一つ目、「言いづらいことの伝え方」から学んでいきましょう。
用意されたのは29歳の新人マネージャーの悩み。部下や上司、異動してきた社員との接し方に悩み、特にオンライン上での注意や依頼の伝え方に苦慮しています。
「このマネージャーが、解決すべき問題は何?」「同じ悩みを抱えているとしたとき、あなたなら、どのように解決しますか?」という2つの質問を用意した永藤先生。
さまざまなコメントを総覧したうえで、4つのステップで解決案を提示します。
1.課題の分離
2.アサーティブ・コミュニケーション
3.リーダーのあり方
4.オンラインでの伝え方
一つ目は問題が起きた時、問題に対し誰の課題なのかを考えることです。「~気がする」というような曖昧な不安を解体し、また他者の機嫌など自分の課題に当たらないものを切りはなしましょう。
二つ目は自己表現のトレーニングのこと。DESC法に従って、状況と自分の気持ちを説明し、代替案を提案したり選択肢を提示したりします。
三つ目はリーダーになりたてで空回りしてしまっている人へのアドバイス。リーダーの役割は人を下から支える人です。みんなをひっぱらなければと気負い過ぎず、「リーダーがいなくても問題なく回る組織づくり」を目指しましょう。
四つ目は意図が伝わりづらいオンラインでのコミュニケーションの極意です。狭い画面の中で情報を伝え、受け取らなければならないオンライン。建設的なことは3割増しに、非建設的なこと、ネガティブなことは端的に、そして丁寧に伝えましょう。
「不機嫌な人がいても無理に付き合わず少しずつ距離を取りましょう」と永藤先生は語ります。