目次
- 「浦島太郎」パワポで学ぶ理想的なプレゼンテーションでのグラフの使い方
- そもそもグラフとは何なのか?
- 正しいグラフを選ぶための押さえるべきポイント
2022.02.28
数字やグラフを用いることでプレゼンテーションに説得力を持たせるテクニックの有用性は、広くビジネスパーソンに知られています。
しかし、がむしゃらにグラフを提示するだけでは、効果は十分に得られません。かえってわかりにくくなってしまう可能性すらあるでしょう。
自らを「パワポ芸人」と称する豊間根 青地(トヨマネ @toyomane)先生が、面白く&わかりやすくパワポのテクニックをレクチャーするSchooの授業シリーズ『秒で伝わるパワポ術』。
本記事では、第2回「数字はともだち -パワポのグラフはこう作れ!-」の内容を一部抜粋し、「浦島太郎」という親しみの持てる題材で、数字を使って、人の心を動かす方法をご紹介します!
ここからはスライドを振り返りながら、本題であるグラフの作り方について学んでいきます。
まず、先ほどのグラフと対比する形で「こんなグラフ、作ってませんか?」と呼び出されたのが以下のスライド。
確かに見覚えがあるという方は少なくないでしょう。「何ともいえない青、なんともいえないオレンジ、なんともいえない黄色……」と先生が指摘するのはOffice標準で設定されているカラーリングです。
このような「あるある」に陥らず、見やすいグラフを作るにはどうすれば良いのでしょうか?
「そもそもグラフって何なのでしょうか?」とトヨマネ先生。「物事の表し方の3種類」として提示されたのが、「言葉」「数字」、そして「視覚的情報」です。
「文字という情報は頭の中でイメージしないと理解できない」と先生は語ります。そのため、一目で内容がイメージできるようにするには、グラフのような視覚的情報に変換するのがベスト。これがグラフの本質的価値なのです。
さて、パワポでよく登場するグラフには、以下の3種類があります。
・棒グラフ
・折れ線グラフ
・円グラフ
まずはこの3つを押さえましょう。先生曰く、“わかりやすいグラフ作りはグラフ選びから始まる”。例えば、以下の『ユーザーの年代別構成比』がわかりにくいのは、そもそもグラフの選び方から間違っているからです。
正しいグラフを選ぶために押さえておきたいのが、“それぞれのグラフがどんな視覚的情報で数字を表しているか”。前述の3グラフはそれぞれ、下記の要素で数字を表しています。
・棒グラフ→長さ
・折れ線グラフ→位置
・円グラフ→角度
棒グラフは最も直感的なグラフであり、金額、人数、回数など“目に見える”数字を表す場合に適しています。“積み上げる”というイメージとセットで覚えてみてください。
一方、折れ線グラフは「率」と末尾につくような相対的な“目に見えない”数字を表す場合に適していることが多いと先生は語ります。
そして、最後の円グラフはくせもの。“顧客に占める20代以下の割合”など、「全体の中である一つの要素が占める割合」を示す場合以外は、使わない方がベターと考えた方がよいそうです。
このようなグラフの使い分けについて意識したことは今までなかったという方は少なくないのでは? まずは、この記事の知識を使って「どのグラフを使うか」を検討するだけでも、明日からのプレゼンの効果は変わってくるはずです。
まだまだ、ここまでの内容は授業の一部にすぎません。円グラフがくせものである理由、先生のパワポの配色方法などを知りたい方は、ぜひ実際の授業動画をご覧になってみてくださいね!
文=宮田文机
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「最初にスライドを見ていただきたいと思います」とトヨマネ先生。
先生は株式会社オモテジマトラベルという旅行会社の人間、受講生は村のこどもという設定で、「浦島太郎パワポ」を見ていきます。
「業務提携のご提案をさせていただきます」とタイトルページがめくられると、本日のアジェンダが示されました。オモテジマトラベルの事業についての説明が行われたうえで、「こども様(=我々)に対する認識」と「業務提携のご提案」がなされるということです。
株式会社オモテジマトラベルの会社概要・遠隔の後、「いじめられ亀を助けていただくことでお客様を竜宮城へ輸出する」というサービスモデルについての説明がなされました。サービス名は「海の聲(うみのこえ)」。「『時を止める』という、おもてなし」とキャッチコピーも添えられています。
しかし、オモテジマトラベルのビジネスモデルには、「探索コストの高騰」という重大な事業リスクも。ここで、グラフと数値が早速登場しました。グラフには『村の浜における年間発見いじめられ亀和とCPTの推移』というタイトルがつけられています。
さて、話題は続いて「2.こども様に対する弊社認識」へ。「亀をいじめてストレスを解消している」という昔話に即したストレス解消ポートフォリオとともに、『いじめの対象は亀が8割以上』という事実を指摘する円グラフも提示されました。
さらに、オモテジマトラベルが独自にとった村役場におけるアンケート調査「亀をいじめる子どもをどう思いますか?」の結果も棒グラフで示され、亀をいじめることのレピュテーションリスクが説かれました。
「そもそも、なぜストレスが溜まるのか?」と話はさらに深掘りされ、町と村のお駄賃の平均額の比較や、収入と支出のイメージも図像として表されます。なんと、「村のこどものお駄賃は町平均の6割」とのこと。
ここまでロジックを積み重ねたうえで、「両社にとってWin-Winとなる業務提携」の提案がなされました。「いじめるフリ」だけで送迎を誘導できる(=竜宮城に連れて行ってもらえる)という亀の特性を利用した、我々村のこどもが暴力の“前フリ”で脅かした亀をオモテジマトラベルに提供すると手数料が受け取れるシステムが紹介されます。これによって亀の負担が軽減されるだけでなく、下記フロー図の通り、亀救助に至るまでの工数削減・時間短縮にまでつながるとトヨマネ先生。
そのうえ、下図『年別売上高シミュレーション』の通り、収益も飛躍的に拡大することが予想されます。
これは我々だけにメリットのある提案ではなく両親や地域社会、環境、幕府、亀の利益にもつながる「五方よし」の高付加価値提携とのこと。最後に「年齢は、もっと自由になる」というフレーズとともに、トヨマネ先生のプレゼンは閉じられました。
立て板に水の語り口も含めて体感したいという方は、ぜひ実際の授業のアーカイブ動画で先生のプレゼンをご視聴なさってみてください。