目次
- HSP=5人に1人が抱える繊細な性質
- 居心地良く過ごすために「刺激を避ける」
- 「よく気がつく」を活かした仕事を
2023.02.09
深く傷つきやすい、光や音などの環境ストレスに敏感……。そんな性質をもつ方は、もしかしたらHSPかもしれません。HSPの人は日常生活でストレスを受けやすいため、居心地よく過ごすためには、いくつかの心がけが必要です。
HSPの定義や特性、居心地よく過ごすためのポイントを一般社団法人あがり症克服協会理事の宮松大輔さんが講師を務めた『HSPそんな私が居心地よく過ごす方法』から考えていきましょう。
次に、HSPの人が心地よく過ごすために気をつけるポイントを紹介します。
第一に大切なのは、外的な刺激を減らすことや、緩和をすることです。先ほど紹介したような性質をもつ人は、他の人と同じ刺激を受けても、感情の振れ幅や考えることが多くなります。
まず、あらゆる刺激を認識したうえで、できるだけそれらを自分から離す努力をしてみましょう。 人間関係の刺激を避ける方法は、周囲の人々との心の距離を保つ意識をもつことです。
HSPの人は相手に深く共感する性質があるため、一定の距離を保たないと過剰に同調してしまいます。みんなから好かれたい、仲良くしたいと願うことをやめれば、それだけでずいぶんと気疲れが減るはずです。 こうした性質上、HSPの人は他者から理解されたり、好かれたりすることがなかなか難しい側面もあります。
マズローの五段階欲求で言えば、承認欲求や社会的欲求を満足させづらいのです。満たしづらいこの欲求に執着してしまうと、生きづらさを強く感じるでしょう。 この葛藤を乗り越えるためには、そのさらに上の自己実現欲求に目を向けることが大切です。
自分の可能性を高め、創造的なことをする。こういった目標を見つけると、HSPの人は居心地良く生活することができます。
“繊細さん”が居心地よく過ごす方法をまとめます。
・繊細さ、敏感さは、先天的な「特性」として割り切る
・八方美人的ふるまいを卒業して、適度なマインドディスタンス(人との心の距離)を保つ
・「自己実現欲求」を満たすような行動をする
このような心掛けをすることで、日々の生活が今よりずっと楽しくなるかもしれません。
HSPの性質は決して悪いものではありません。HSPには「よく気がつく」という長所があります。
人をケアすることや動物や自然に関わること、正確性が必要とされること、技術職、クリエイティブなことに向いている傾向があり、長所を活かすことで力を発揮することができます。
例えば、人と相対する教師や介護士、動物に関わるトリマー、正確性や感受性が活かせるデザイナー、カメラマンなど、適職を選ぶことで活躍することができるでしょう。
自分自身にHSPの傾向があると感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。また自分はHSPではないけれど...という方は、HSPの方がどのような苦しさを抱えているかを知るだけで、繊細さんに出会った時に優しく接することができるかもしれません。
ペンシルからのプッシュ通知を設定しておくと、新着記事のお知らせなどをブラウザ上で受信できて便利です。
通知を受信しますか?
HSPとは、Highly Sensitive Personの頭文字を取った言葉です。感覚が極めて敏感で、感受性が豊かな性質をもった人のことを指します。
HSPの定義は、4つの特性をすべて満たすこととされています。
1、考え方が複雑で、深く考えてから行動する(Depth of processing)
・一を聞いて、十のことを想像し、考えられる
・調べ物をはじめると深く掘り下げ、その知識の広さを周りに驚かれる
・お世辞や嘲笑をすぐに見抜いてしまう
2、刺激に敏感で疲れやすい(Overstimulation)
・人混みや突然の大きな音が苦手
・友達との時間は楽しいものの、気疲れしやすく、帰宅するとどっと疲れている
・人の些細な言葉に傷つき、いつまでも忘れられない
3、感情的反応性と高度な共感性をもつ(Empathy and emotional responsiveness)
・人が怒られていると自分のことのように感じ、傷ついたり、お腹が痛くなったりする
・悲しいドラマや本、ニュースなどの人物に感情移入し、自分も傷ついてしまう
・人のちょっとした仕草、目線、声のトーンなどに敏感で、機嫌や考え方がわかる
4、あらゆる感覚がするどい(Sensitivity to subtleties)
・冷蔵庫や時計、冷暖房器具などの音が気になってしまう
・近くにいる人の口臭や体臭、タバコの臭いで気分が悪くなる
・第六感がはたらき、よく当たる
この4つの特性は、頭文字を取って「DOES(ダズ)」と呼ばれています。 こうした性質をもつことから、HSPの人は日常生活や人間関係の構築に悩みを抱えることも少なくありません。
他の人が気にしないことで深く傷ついてしまったり、刺激を受けることで心が疲れてしまったりするためです。 しかし、HSPは病気ではなく生まれ持った性質です。血液型と同じように、意志や治療で変えられるものではありません。
したがって、HSPで悩んでいる人は、この性質を理解して受け入れ、どうすればより良い生活をできるか考えていくことが大切です。