目次
- いい資料に共通する「論理的デザイン力」
- キーワードを決める
- デザインにルールを
- 「情報」と「デザイン」の構造を一致させる
2022.07.12
報告書やプレゼン資料など、ビジネスの現場ではさまざまな書類を作る機会があります。誰でもプロと同じツールでデザインできるようになった時代だからこそ、「伝わるデザインと伝わらないデザインの差」が大きくなっています。
今回は、デザイナーの佐藤好彦氏が、「論理的に筋道を立てたデザインを行うための思考法」を解説します。
※この記事は、『資料作成で活きるデザインの基本的な考え方-論理的に筋道を立てた情報のデザイン-』を再編集しています。
「これぞ」という情報に絞って伝えることが大事になってゆきます。このときにまとめ方のコツとして挙げられるのが、「キーワードを作ること」。
「これだけは憶えてほしい」という情報を抽出し、それを短くてキャッチーなキーワードに仕立てることは、無駄な情報を整理することにもつながります。「これが最重要」と言えるキーワードを作って、相手の脳裏に焼き付けるくらいの気持ちでデザインしていきましょう。
トランプには赤色と黒色があり、数字札と絵札があり、クローバーやスペードなどマークの種類もいろいろあります。絞った情報の配置をどうするか悩んだときには、トランプに置き換えて考えてみるとよいでしょう。
例えば、数字札を並べた中に絵札が一枚混じっていれば、絵札が強調されます。また、ダイヤのカードのみを一列、ハートのカードのみを一列と分けていけば、 見た人に「マークごとに列が分かれている」というルールが伝わります。
しっかりと情報が伝わるデザインには「ルール」があるものです。言葉ではなく、見ただけで直感的にルールが伝わるようなデザインを目指しましょう。
情報の整理はそれ自体では意味がありません。整理した情報がデザインに結びついていないといけないわけです。
「強めたい情報」と「弱めたい情報」の強弱ができたら、「強めたいところは文字を大きく太くする」「弱めたいところは文字を細くする」など、整理した情報と伝えたい意図をデザインとして落とし込む必要があります。
論理性のあるデザインを身につけ、日々の業務に活かしていきましょう!
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プレゼン用パワーポイントや企画書など、重要な書類であればあるほど、「データが足りなかったら大変だ。これも盛り込みたい!」と、ありとあらゆる情報を目一杯詰め込みたくなりがちです。しかし、多すぎる情報は逆効果です。
何度も読み返すことが可能な資料であっても、読み手が内容を理解するまで必ず読み返してくれるわけではありません。むしろ、情報が多すぎるために「読むのが面倒くさい」と感じて、流し読みされてしまう可能性すらあります。
グラフィックデザインにおいては、技術で見た目を凝る前に「本当に伝えるべき、必要な情報はどれか?」をとことん考えて、ときには勇気をもって「いらない情報を削ること」が重要です。