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2022.04.09

column

「赤ずきんちゃん」を使って学ぶ“情報が多いのにわかりやすい”スライドの作り方

「赤ずきんちゃん」を使って学ぶ“情報が多いのにわかりやすい”スライドの作り方

情報を詰め込み過ぎて結局何が言いたいのかわからないスライドは避けるべき。

そう考える人は多いでしょう。しかし、実際のプレゼンテーションでは、伝えなければならないことが多く、すっきりと見やすいものを仕上げるのは容易なことではありません。

いったいどうすれば、見やすくかつ必要な情報がまとまったスライドを作ることができるのでしょうか?

自らを「パワポ芸人」と称するサントリーの豊間根青地(通称トヨマネ)先生は“大人たちがずっと学び続ける場所”スクーにて、その方法を誰もが知る童話「赤ずきんちゃん」を題材に、楽しくまたわかりやすく講義してくれました。その授業が『秒で伝わるパワポ術』第3回「見やすいスライドの作り方 -情報ミチミチでも大丈夫-」です。

本記事では、授業の前半をテキストでまとめてご紹介します!

目次

  • 「赤ずきんパワポ」で学ぶ“わかりやすいスライド”
  • 「情報が多い=悪」……ではない!
  • 情報が多いのに見やすい資料をつくるための2つのテクニック

 

 

「赤ずきんパワポ」で学ぶ“わかりやすいスライド”

 

 

最初にこの授業のゴールを押さえておきましょう。

 

それは、「(やむを得ない事情で)情報が多いスライドを見やすくする方法を取得する」。プレゼンのスライドに必要な文字数はその目的によってケースバイケースです。そのため、一概に文字を少なくすれば良いというわけではなく、工夫が必要になってきます。そこでトヨマネ先生の知見が役に立つというわけです。

 

さて、それでは本授業の題材となる「赤ずきんパワポ」を見ていきましょう。プレゼンのタイトルは「私の体の部位の大きさに関する説明資料」。株式会社BadWolfの大神有留夫氏から、ズキン株式会社にあてたプレゼンです。要するに、『赤ずきんちゃん』でおばあさんを食べてしまったオオカミによる、赤ずきんちゃんの質問を解消するための説明資料ということですね。

 

 

 

解答すべき質問として挙げられたのは以下の3つ。いずれも、赤ずきんちゃんから、おばあさんに扮するオオカミへ対して投げかけられる質問です。

 

1.どうしてそんなにお耳が大きいの?
2どうしてそんなにお目めが大きいの?
3.どうしてそんなにお口が大きいの?

 

 

 

最初の質問への回答は「お前の声がよく聞こえるように」。散布図を用いて「お耳のサイズと声の聞こえやすさの関係」が示され、「耳の大きさと声の聞こえやすさの間に相関関係が確認されている」ことが主張されています。

 

 

 

ふたつ目の質問への回答は「お前のことがよく見えるように」。小さい目の視野と大きい目の視野に9倍の差異が生じていることが図を用いてわかりやすく表現されています。

 

 

 

みっつ目の質問への回答は「お前を食べるため」。「私のお口」「お前の身長」「野ウサギの体長」「80代女性のお口」の身長・体長が“Wolfpedia”を出典にわかりやすく示され、「圧倒的なお口の大きさでお前の身長をカバー」するという目的が明かされました。

 

 

 

さて、ここで「本日のまとめ」。私はお前のおばあちゃんではなく恐ろしいオオカミであり、「今からお前を食べる」という行動に移ろうとしているのです。

 

 

 

こうして恐ろしいオオカミ(大神有留夫氏)によるプレゼンテーションは幕を閉じました。

 


「情報が多い=悪」……ではない!

トヨマネ先生のプレゼンテーションに対し、「見やすい!」「こわい」などリアルタイム受講生からも多くの反響が寄せられます。

 

非常にすっきりと見やすいパワポだと皆さんも感じられたのではないでしょうか。

 

「しかし、このパワポを見て以下のように思う方もいらっしゃるのではないでしょうか」とトヨマネ先生。

 

「私だってこういうシンプルでわかりやすいスライドが作りたいけど、上司や顧客がミチミチを要求してくるんだもん…」

 

例えばみなさんは、以下のようなミチミチに情報が詰まったスライドを目にした覚えはありませんか?

 

 

 

「何がどうなっているかわかりにくいですよね?」と先生は問いかけます。しかし、これは絶対に否定されるものでもないとのこと。厚労省のような公的機関はどんな人が見ても絶対に認識のずれが生じない情報が網羅された資料を作ることが求められます。だからこそ、“やむを得ず”上記のような「ミチミチスライド」が出来上がってしまうのです。

 

「『情報が多い=悪』ではありません」と先生。記録・資料として使用するスライドはむしろ情報が多い方がいいと考えられます。スティーブ・ジョブズのプレゼンで使われるような情報の量が少ないスライドは「見せる」ため、大学の講義で使われるような情報の詰まったスライドは「読ませる」ため、とまずは目的を整理しましょう。

 

「情報が多いこと」ではなく、「わかりにくいこと」が悪なのです。


情報が多いのに見やすい資料をつくるための2つのテクニック

情報が多いのにわかりやすい。
そんなコンテンツの例として挙げられるのが「雑誌の記事」です。きちんとルールを設けてプロがデザインすれば、「情報が多い」と「わかりやすい」は共存できるということを覚えておきましょう。

 

 

 

さて、先ほどの赤ずきんパワポを「一枚にまとめろ」といわれれば、多くの方が下図のようなものを完成させるのではないでしょうか。

 

 

 

情報がミチミチにつまっていてどこから見ればいいか判断がつきません。このパワポを「情報が多いのにわかりやすい」一枚に先生が修正したのが、下図になります。

 

 

 

このような見やすいスライドを作るにあたって意識すべきだとトヨマネ先生が話すのは以下の2つのポイントです。

 

1.まず区切る
2.ストーリーを作る

 

例えば口頭の説明でも、最初に「○○と考える理由は3つあります」というようにゴールが示され、情報が整理されている方がずっと理解しやすくなるはず。スライドでも、ゴールを示し情報を整理するために、まずは「区切る」ことに着手しましょう。全体を縦横で分割して、基本構造がどうなっているのかをパッと見た印象で理解できるようにしてあげるのです。

 

「区切る」ときに使えるテクニックとして挙げられたのが「まずスライドを小さくして眺めてみること」。「『遠くから見た印象』がそのスライドの全てと言っても過言ではない」とまで、トヨマネ先生は語ります。もし手元に自作のスライド資料があるなら、さっそく試してみてください。

 

 

 

本記事で取り扱う授業の内容は以上です。「『ストーリーを作る』についてももっと詳しく知りたい!」という方はぜひ録画授業でトヨマネ先生の講義を受けてみてください。きっと明日から、情報過多でわかりにくいスライドを作ってしまうことはなくなるはずです!

 

文=宮田文机

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『見やすいスライドの作り方 -情報ミチミチでも大丈夫-』

 

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