目次
- 仕事を断る準備①「問題は何かを理解する」
- 仕事を断る準備②自分の反応のくせを知る
- 仕事の断る準備③自分の軸を立てる
2022.01.05
「アサーティブ」をご存じですか? アサーティブとは、相手を尊重しながら、誠実、率直、対等に物事を伝えるためのコミュニケーションスキルのことです。
Schooの連載授業『相手を尊重しながら主張する方法』では、イギリス滞在中にアサーティブに出会い、トレーナーとして20年のキャリアを持つ、NPO法人アサーティブジャパン代表理事・森田汐生先生が講師を勤めます。
連載授業の第5回目のテーマは『仕事が多い時の無理のない断り方』。人材育成担当者ともなると、部下の指導をしながら、上司の指示に従う等と、板挟みで「No」が言いづらい立場です。そんなシチュエーションをうまく回避する方法を、アサーティブから学びましょう!
本記事では、「Noをうまくいえる準備」を3つに分けて深掘りしながら紹介します。
ネガティブな感情を表現する時、どうしても「くせ」が出てきます。そのため、自分の反応のくせも意識しましょう。
例えば、無理な仕事を振られた場合。あなたはどの反応に当てはまりますか?
・ドッカン(反撃する)…打ち返すのかのように「無理です!」とつい怒りが出る
・オロロ(我慢する)…言ってもムリと諦めて、ストレスを溜めていく
・ネッチー(仕返しする)…仕事はするが、またですか!?と異様に驚いて見せる
こういった自分の反応のスイッチを、「誰にどんな時に押しがちなのか」という反応のくせを知っておくことが、上手な断り方につながります。
最後の準備は、Noを言う交渉で欠かせないもの。それが、「自分の軸を立てておく」こと。
「たとえ相手が上司だとしても、Noの交渉にあたって譲れないもの、大事にしているものはなにか、持っておいていただきたい」と、森田先生。
自分の軸がないと、結局「あの人からこう叱られた」等、自分の視点が相手に向いてしまいます。
アサーティブは、質、スピード、メンバーの成長、顧客の満足など自分は何を大事にしたいかを把握して交渉するコミュニケーションスキル。自分の軸を持っていることで、落ち着いて交渉ができるので、ぜひ棚卸してみてください。
総括すると、「アサーティブなこと」とは、ドッカン、オロロ、ネッチーにならずに、仕事上で信頼関係ができ、問題解決のために対等に向き合って、自分の軸を貫き率直に具体的な提案ができるよう意識することです。
頭で理解していてもリアルな場面で使えるか分からない!という方、ご安心を。森田先生は「アサーティブな主張法 実践篇」を用意しています。
先ほどの「仕事の断る準備」を踏まえて、演習問題を出題。「上司に新しいプロジェクトのリーダーを頼まれた。引き受けることが難しいと感じる」といった場合、あなたならどうしますか?ほかの受講生の回答や、先生の模範解答を見て、仕事の断り方の参考にしてみてくださいね。
相手を尊重しながら、誠実、率直、対等に物事を伝えるためのコミュニケーションスキル、アサーティブ。全5回の連載授業では、「新人・若手とうまくかかわるコツ」といった誰しもが直面するお悩みに沿って“アサーティブとは何か”を紹介していきます。
人事や人材育成をする立場でありながら、上司からの仕事が多くてフラストレーションが溜まる……なんてお悩みの方!森田先生に励まされながら、ビジネスでアサーティブを取り入れて、日々快適に過ごしてみませんか。
文=田中ラン
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仕事を断るためには、ポンと「No」を言っても伝わりません。仕事を頼まれたけど断りたいと思う原因・問題は何か、を理解することが第一歩です。
たとえば、「ことがら問題」。期間やプロジェクト自体にフォーカスして断るきっかけがあれば、対処が可能です。次に、「くり返し問題」。自分がいつも指名されて、手いっぱいになっている状態です。最後は、「人間関係問題」。この人からの仕事は受けられない、といった人間関係が絡む場合は、「Noと言えるかどうかではなく人間関係そのものの問題だ」と一旦整理しておきましょう。
「Noと言わなければいけないときに、何の問題に自分は対応しなければいけないんだろうか」を分析して、仕事を断る準備を始めます。