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2021.05.04

column

スペシャリストとゼネラリスト、どちらの市場価値が高い?

スペシャリストとゼネラリスト、どちらの市場価値が高い?

あなたは自分の市場価値はどれだけか、と考えたことはあるでしょうか?

何の仕事をし、どれだけのスキル・経験を積んでいるかを客観的にみるための指標として市場価値という物差しを持っていることは重要です。そんな市場価値の高め方をテーマに、基本的な概念や思考法を学べるのがSchooの授業「市場価値を高めたい人がするべき自分の育て方」。

講師は大手クライアントのソーシャルメディアマーケティングや熱狂ブランド戦略を支援する株式会社トライバルメディアハウス代表取締役社長の池田紀行先生です。市場価値とは何か、いう基本から学び、今一度自身のキャリアについて考えてみましょう!

目次

  • 市場価値の高い人間は最初からエリート?
  • そもそも市場価値とは何か
  • スペシャリスト、ゼネラリストどちらかの議論に意味がないワケ

 

 

市場価値の高い人間は最初からエリート?

 

 

「『結局、市場価値の高い人間なんて最初からエリートなんだ』と思っている方もいるかもしれません」と池田先生。しかし、先生は決して偏差値の高い大学を卒業したり、一流企業に新卒で入社したりしてきたわけではないと語ります。

 

英会話の会社で営業を開始し、そこから何度かの転職を経た先生がトライバルメディアハウスを起業したのは34歳のこと。そこまでの職歴の多くは人から紹介された縁をつないで築いてきたものだということです。「今までやってきたことのすべてが現在の肥やしになっている」と先生。みなさんも現在取り組んでいることのすべてが無駄にはならないということをまずは押さえておきましょう。

 

ここで、受講生代表の徳田さんから「先生は市場価値を高めることを目的に生きてきたのではなく、いろいろなことをやってきた結果市場価値が高まったんですよね?」と質問が。「キャリアは『川下り型』と『山登り型』に分けられるとよくいわれます」と池田先生。流れのままに進んでいくのが川下り型、目標に向かって一つ一つキャリアを築き上げていくのが山登り型です。先生自身は実のところ山登り型であり、目的を目指す指向はかなり強かったとのこと。山登りの道中にあるものを柔軟に取り入れてきた結果、先生のキャリアは築かれてきました。

 


そもそも市場価値とは何か

そもそも市場価値とは何なのでしょうか?

 

先生はそれを、以下の図を用いて説明します。

 

 

 

自分が雇われている場合、問われる市場価値は、まずは「雇われる能力」で決まります。日本企業、特に大企業の場合一社に長く務める働き方が一般的でした。そこで注意したいのが、その企業だけでしか使えない企業特殊的技能ばかり発達してしまうこと。だからこそ、意識してさまざまな企業で通用する「雇われる能力」が必要となってくるのです。

 

一方、池田先生のような経営者に必要なのが「雇う能力」。どれくらいの人たちを雇用して、自分の持つ能力でレバレッジをかけ、価値を社会に還元することができるのか。これが問われる雇う能力がすなわち市場価値となります。

 

これらに掛け合わされるのが「環境適応力」。不確実性の大きい現代、先日まで通用していたものもどんどん陳腐化してきます。たとえ“手に職”を身につけても、20年、30年とそのままで市場価値を維持することはできません。先生はそれを川の流れに例え、「それなりに頑張っても現状維持、すさまじく漕がないと川上に上っていけない」と現代の厳しさを語ります。

 

リアルタイム視聴者からも多くの反響が寄せられました。ここで先生に問われたのが「自分の能力を言語化できるとはどういうことか」という趣旨の質問。先生はここで「メタ認知」というキーワードを取り上げます。メタとは、今いる自分をもう一人の自分が見ているような俯瞰した視点のことです。「俺はこんなに頑張っているのになんで会社は評価してくれないんだ!」と思う人の多くはメタ認知ができていない、と先生。

 

上司の評価に対し、平均30%増しで人は自己評価を下してしまうという話があります。自分はほんとにできているのか、それは自分じゃないとできないことなのか、世の中のニーズに合致しているのかを考えることが、雇われる能力に大きくかかわってくるようです。

 


スペシャリスト、ゼネラリストどちらかの議論に意味がないワケ

突然ですが、みなさんは、自身がスペシャリストとゼネラリストのどちらだと思いますか?

 

スペシャリストは専門的な能力を深堀って身につけている人のこと。ゼネラリストはスペシャリストたちをまとめて価値を作っていく人のことです。

 

 

 

実は、池田先生は、「スペシャリストかゼネラリストか」という議論に意味はないと考えているといいます。それは、どちらのスキルも重要だから。上記の図において”どれだけのタイルを獲得できているかが将来の所得を決める“と先生。

 

一人の人間でできることには限りがあります。スペシャリストがそのスキルを示せばいずれは「もっと収益を上げるためにチームをつくろう」という話になります。つまり、どちらか一方の方向に進むという思考ではなく、どのように両方のスキルを伸ばして多くのタイルを獲得していくかが重要だといえるのです。また、その領域のスペシャリストと関わるのであれば当然ある程度の知識は必要になります。そうなれば、専門知識を少なからず身につけることからは逃れられないでしょう。

 

多くのスペシャリストを束ねられるマネジメント能力を持つ人を「超スーパーウルトラゼネラリスト」と先生は表現し、その市場価値は非常に高いと語ります。ここで「いくつかの専門性(S)を表の3くらいまで伸ばすパラレルキャリアはどうでしょうか?」という質問が。

 

しかし先生曰く、そのようなキャリアの築き方はあまりおすすめできないとのこと。ほかの人に思い出してもらえるくらいまで深く専門性を身につけないと大きな市場価値は発揮できないようです。ニーズが大きく供給が少ないところを目指すのが市場価値を伸ばす基本。優秀なゼネラリストは通常一つの領域を人より深く極めたスペシャリスト集団を束ねようとするため、生半可な専門性を少しずつ身につけるのは効果的とはいえないのです。

 

 

 

「結局大事なのはプロになることだと思うんです」と先生。先生の定義におけるプロとは、相手の期待に応える、あるいははるかに期待を超えた仕事ができる人のこと。給料がもらえていればいい、とアマチュア根性に逃げず、いかにプロ意識を獲得・維持できるかが数年後の市場価値を大きく左右すると池田先生は語りました。

 

市場価値という言葉が、以前より身近に感じられてきたのではないでしょうか。本記事で取り上げる授業内容はここまでです。どうすればプロになり、市場価値を高められるのか。池田先生の明晰な解説を聴きたい方は、ぜひ録画授業をご覧になってみてください!

 

文=宮田文机

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『市場価値を高めたい人がするべき自分の育て方 第1回 「育ててもらう」から「自分で育つ」人に 』

 

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