目次
- そこまでする!? ディズニーシーでほとんどの人が気づかない「お湯」
- ウォルトディズニーの「一流」の定義とは?
2021.01.23
子どもから大人まで一日中楽しめて、夢の世界に飛び込んだようなワクワクを共有できる場所。テーマパークには、マーケティングやビジネスに活かせる要素が散りばめられています。
Schooでは、二大テーマパークでの経験実績を持つ、日本で唯一のテーマパークコンサルタント清水群さんを講師にお招きし、連載講座『テーマパークで学ぶビジネスの教科書』を開講。
第三回目は、「テーマパークが選ばれ続ける理由」にフォーカス。急流すべり、メリーゴーラウンドといった代表的な施設のほか、言わずと知れたディズニーランドの生みの親であるウォルトディズニーから、その秘訣を学びます。
本記事では、清水先生が考察する「ウォルトディズニーに学ぶ一流とは」を深堀してお届けします。
そして清水先生は、ウォルトディズニーによる一流の定義を解説します。
「簡単に気づかれないのが一流。簡単に気づかれるのは二流」
二流がダメということではなく、簡単に気づかれるのはお客様にとっては当たり前で期待通り。それを上回ってこそ初めて一流と呼ばれます。
簡単に気づかれない、ということは、裏を返せば気づく人がいるということ。ここで清水先生は、「98%のお客様が気づかないことをやりましょう」と、具体的な数値目標を示します。
「気づいてくれる2%の人は、あなたの会社や商品、サービスのファン。ファンだからそこまでじっくり見て気づいていただける。そうすると、気がつけば感動して誰かに伝えたくなる。それが“クチコミ”になる」と、清水先生は話します。
会社がわざわざ「ここまで私たちはやっている」と宣伝しなくても、一流のサービスを徹底していれば、感動したファンの誰かがクチコミで広めてくれるはずです。東京ディズニーリゾートのリピート率の高さは有名ですが、「みんながまた遊びに行きたい」と思えるのは、簡単には気づかれない一流のサービス一つひとつに感動しているからとも言えます。
「気づいてほしい、と思っていないところがまたすごい。気づいてくれと思ったら二流になってしまう。お客さんのためにやっていることなので最悪気づかなくてもいい、というスタンスでいられるのもひとつ大きなポイント」と分析します。
授業の残り時間で、清水先生は多くの受講生から寄せられた質問に解答。
多くの方から寄せられたのがこの質問。「テーマパークを運営する側にとって、いわゆる“お客様センター”はどういう位置づけ?」。清水先生は、「リピートをしていただくための要」と定義します。その理由は、実際の授業をご確認ください。
文=田中ラン
一流のサービスは、テーマパークなどのサービス業に当てはまることだけではありません。自分のビジネスを伸ばしたい、ファンをつけたいと思ったとき、ウォルトディズニー流の視点で考えてみてはいかがでしょうか?
『テーマパークで学ぶビジネスの教科書 第3回 ウォルトディズニーに学ぶ『一流』とは?』 http://schoo.jp/class/7077/room
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清水先生は早速、一枚の写真を見せます。東京ディズニーシーを象徴する、プロメテウス火山です。清水先生は「今度行ったら、ぜひ火山の周りをぐるっと回ってみてください」と言います。火山の周りから、水が出ているところが何か所かあり、その場所を受講生の皆さんに見ていただきたいからです。
水が流れているところで、一か所だけ水に触れるところがあります。きっと、少し驚いてしまうかもしれません。なぜならその水は、温かいお湯だからです。「火山の地熱で沸いて出た水だ」という印象を与えるためではありますが、ここに清水先生は注目します。
このことを清水先生が知ったのは、ディズニーリゾートで働いているとき。お湯が出てくることを「なんでそこまでするんだ」と正直思ったそう。水が出ていて、それがお湯だったと気がつく人はほとんどいないはずだからです。
しかし、そのときに清水先生の職場の先輩は、「ウォルトディズニーが考える一流のサービスとはこういうこと」と教えてくれたそう。