目次
- 自己紹介の目的は「興味の入り口」をつくること
- 忘れられない「自己紹介」のつくり方
- マイ定義を考えるためのポイント
2020.08.16
仕事でもプライベートでも自己紹介をする機会はたびたび訪れます
「一体効果的な自己紹介って何だろう?」そう考えたことはありますか。
なければ、そのような機会を一度設けることでこれからの人生においてプラスに働くかもしれません。
スクーの授業『心をつかむ超言葉術』の第二回「忘れられない『自己紹介』のつくり方」では自己紹介を考える際の基本的な考え方から実際のつくり方までレクリエーションを交えて教わることができます。
講師は「いつやるか? いまでしょ!」といった名コピーの生みの親として知られる株式会社電通のコピーライターで『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』著者の阿部広太郎先生です。
思わずほっこりしてしまうような先生の優しい語り口も魅力的な授業で得られるノウハウを体系立ててこの記事ではご紹介します。
「今回のテーマは忘れられない『自己紹介』のつくり方です」と先生。
大体のことは伝えても忘れられてしまいます。例えば、自分が伝えたことであっても寝る前に思いだせることはほんの少ししかないのが実情ではないでしょうか?
だからこそ、「伝わるとは、思いだせること」といえるのだと先生はいいます。
ここでヒントとなる教材として紹介されたのが、リクルートが運営する共通ポイントサービス「リクルートポイント」のテレビCM「すべての人生が、すばらしい。」編です。
「人生は、マラソンだ」と大勢と一緒に走る俳優の池松壮亮さん演じる主人公。しかし、中盤で雰囲気は一点、開放的な音楽とともに主人公はコースを飛び出し、ほかのランナーもめいめい勝手にさまざまな場所を目指します。
このCMで行われているのが「マラソン→個人競技」という見方の提示だと先生。
このように、その人なりの「○○とは何か」という定義(先生曰く「マイ定義」)があると記憶に残りやすくなると先生はいいます。
その考えは、自己紹介にも応用することができます。
例えば「広告」「コピーライター」という仕事を阿部先生がマイ定義した例が以下です。
・広告→世の中に一体感をつくる仕事
・広告→関係創造業
・コピーライター→言葉を扱う商人
さて、あなたはご自身の仕事をどのように自己紹介しますか? 上記のように「ヤジルシ(→)」で言い換える形で、自分の仕事をマイ定義してみてください。
これが、今回の授業で行われたワークショップです。リアルタイムで授業に参加すればコメントで自分の案を提出することができほかの人から反応がもらえるうえ、場合によっては先生から講評がもらえることもあります。
自分なりのマイ定義を考えるために先生が用意した問いかけは以下の通り。
・どんなことを目指して働いてますか?
・どんな思いで仕事と向き合ってますか?
・どんな夢をそこに抱いてますか?
それでも浮かばない場合は、より具体的に自分が仕事の中で好きな瞬間ややりがい、充実感を覚えるタイミングを思い出してみましょう。
なんとなく思いつきそうなんだけど最後の飛躍が思い浮かばない」という場合は、言葉を言い換えてみると効果的かもしれません。Web上の類語辞典(シソーラス)なども活用して新たな言葉の言いかえを探ってみましょう。
授業で受講生の皆さんから出されたマイ定義の例は以下の通り。
・アルバム印刷業→おもいでラッピング
・学生新聞の記者→青春を切り取る者
・広告業→応援テロリスト
ほかにもたくさんのマイ定義が授業では取り上げられました。それらについて知りたい方、先生の講評が見たい方はぜひ実際の授業をチェックしてみましょう。「マイ定義はどこまで抽象的でいいんでしょうか」「アイディアが煮詰まった時先生はどうしていますか」など気になる質問への質疑応答も行われています。
本授業はシリーズ『心をつかむ超言葉術』の「第二回」です。第一回「「I LOVE YOU」の訳し方」の内容を踏まえているため、そちらを視聴すればより授業内容の理解が深まるでしょう。また第三回「記憶に残る「名前」のつけ方」、第四回「「伝わる企画書」の贈り方 」なども気になった方はぜひご覧ください。
『心をつかむ超言葉術 第二回 忘れられない「自己紹介」のつくり方』http://schoo.jp/class/6872/room
『心をつかむ超言葉術 第一回 「I LOVE YOU」の訳し方』 http://schoo.jp/class/6871/room
『心をつかむ超言葉術 第三回 記憶に残る「名前」のつけ方』http://schoo.jp/class/6873/room
『心をつかむ超言葉術 第四回 「伝わる企画書」の贈り方 』http://schoo.jp/class/6874/room
文=宮田文机
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前回の授業を振り返ったのち、自己紹介の定義から本題をスタートさせた阿部先生。その持論では「生きていくことは自己紹介をし続けること」と定義されます。その目的は、「『興味の入り口』をつくること」。短い時間で自身のすべてを伝えようと思っても、それは限られた時間では無理な話です。
「『もう少し聞いてみたい、話したい』と思ってもらえたらOKと考えましょう」というのが先生の考えであり、この授業で目指す自己紹介の理想です。
2008年に人事部配属で電通に入社し、翌2009年に試験を経てクリエーティブ局へ転局となった阿部先生。そこで出されたのが「自分の広告をつくりなさい」という課題でした。
学生時代がんばったこと・自分の経歴をかき出し、友人に自身の経歴を聞いて回った結果、46の「阿部広太郎」を広告するためのコピー案が生み出されたということです。
その例は、以下のようにそうそうたるもの。
・汗も、恥も、文字も、たくさんかきます。
・情熱とか嫌いな人には、悪夢の男です。
・松岡修造がライバルです。
・夢をたくらむ時に、いい顔をします。
しかし、先輩のクリエーティブディレクターから「いいね」といわれたのは阿部先生自身バリエーションの一つとして加えていただけの以下のコピーでした。
・阿部広告太郎
そうしてボディコピー(広告を説明する比較的長めの文章)を添えてつくられたのが以下の広告です。
このエピソードで阿部先生が伝えたいポイントは2つ。
1.キャッチコピーとボディコピーのようにコピーには役割分担がある
2.自己紹介で目指したいトンネルの出口がまた新しい入口になる
この自己紹介広告における出口は「阿部くん、あれ見たよ」とほかの人から声をかけてもらうことです。例えばSNSの投稿であればいいねやシェアのような反応を得ることが目的の一つといえます。