目次
- 日本のオープンイノベーション、遅れの原因は「取り組み方」にある
- オープンイノベーション成功のカギは「NIH症候群」の克服とビジョンの共有
2020.02.14
高度経済成長の時代から、技術革新やR&Dを中心に発展を続け、驚異的なスピードで先進国へと変貌を遂げた日本。
しかしビジネス競争がより激化した現代では、一企業の自前主義産業だけで世界はおろか国内の競争に打ち勝つのが難しくなってきました。
そこでいま注目され、活用され始めているのが「オープンイノベーション」という手法。ただし、現状はビジネスに結びついていないことがほとんどです。
果たして、この現状を打破するソリューションはあるのでしょうか。
この授業は、Global Mobility Service株式会社・代表取締役の中島徳至先生、eiicon company・代表の中村亜由子先生、セコム株式会社・オープンイノベーション推進担当リーダーの沙魚川久史先生、京浜急行電鉄株式会社・新規事業企画室担当の橋本雄太先生の4人を講師に迎え、日本のオープンイノベーションに潜む課題やソリューションについて対談していただきました。
ここでは、授業を視聴する前に押さえておきたい注目すべきポイントを紹介します。
オープンイノベーションはどうすれば成功するのか。
このテーマに対し、自身の取り組みや経験を例に語ってくださったのは、セコム株式会社・オープンイノベーション推進担当リーダーを務め、2016年にはイノベーション推進に向けた「セコムオープンラボ」を主宰し成功に導いた実績を持つ沙魚川久史先生です。
まず先生が語り始めたのは、オープンイノベーションの敵「NIH症候群」について。日本メーカーのオープンイノベーションが成功できない理由はここにあると述べています。そのうえで、沙魚川先生が見出し実践した解決策は、トップダウンの仕組みを最大限利用したものでした。
3人の先生も、沙魚川先生の解決策に「オープンイノベーションにトップダウンは欠かせない」と語り、関心を寄せます。
また他にも、先生方は「ビジョン共有の重要性」にも触れています。この点についても解決策を見出し、実践した経験を持つ沙魚川先生。
そもそも、「セコム=安全・安心」のビジョンに近づき難さを感じていたという先生が実践した取り組みは、現代日本においてとても斬新かつ画期的なものでした。
沙魚川先生が実践した2つの解決策とはいったい? 詳細は動画をご覧ください。
次回の授業は2020年2月17日、テーマは「ヘルステックは医療をどう変えるのか」です。ぜひチェックしてみてください。
文=トヤカン
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「日本におけるオープンイノベーションの現状は、世界的に遅れている? それとも進んでいるのでしょうか?」
授業内で取り上げられた質問に、4人の先生方が出したのは「その二択なら遅れている」という答え。
書籍『オープンイノベーション成功の法則』の著者であり、日本最大級の企業検索・マッチングプラットフォーム「eiicon」を運営している中村亜由子先生は、「そもそも日本と世界では文化、環境が異なるため、現状を比べる対象にはなりづらい」と語ります。
ではなぜ、先生方は「遅れている」という答えを出したのでしょうか。
その要因は日本企業の多くが未だに脱却できていない社会的な課題や、イノベーションに対する取り組み方にあるとのこと。
Global Mobility Service株式会社の代表取締役として、フィリピンやカンボジア、インドネシアを中心に低所得層でも与信審査に通過する仕組みを構築し続けている中島徳至先生は、「いま求められているのは新サービスのイノベーションのはずなのに、日本企業は……」と違いに触れ、それがオープンイノベーションを気持ち悪くさせ、遅らせていると語ります。
日本企業が行なってしまっているイノベーションとは? また、日本企業がいまだに脱却できない社会課題とは?