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2022.03.11

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成果を上げているチーム・リーダーの特徴と3原則とは

成果を上げているチーム・リーダーの特徴と3原則とは

人材育成は企業の数年、数十年先を見据えたときの最重要課題といっても過言ではありません。

みなさんは「コーチング」という言葉をご存じでしょうか。部下や育成対象者の自主性を高めつつ、目標達成に必要なモチベーションや行動を引き出す手法で、新人のみならずマネジメント層の育成にも効果的だとされています。

そんなコーチングを世界中のエグゼクティブに行っているのが2001年に設立された株式会社コーチ・エィ。

Schooの授業シリーズ『チームで成果を出すためのコーチング』第一回では、これまで300人以上のリーダー向けにコーチングを実施してきたコーチ・エィ エグゼクティブ・コーチの本間達哉先生を招き、「今求められるコーチ型リーダーとは」をテーマに、成果を上げられるチーム・リーダーの条件やそのために求められるスキルについての講義を実施しました。

この記事では、授業の前半をテキストで紹介します!

目次

  • 成果を上げているチームにはどのような特徴があるのか
  • 成果を上げているチームのリーダーにはどのような特徴があるのか
  • コーチングの意味と、コーチ型リーダーの3原則

 

 

成果を上げているチームにはどのような特徴があるのか

 

 

「成果を上げているチームにはどのような特徴があるでしょうか?」

 

これが、「コーチは“質問するのが仕事”」と解説する本間先生からの最初の質問です。コーチはあくまで相手の自主的な目標達成を支える役割。そのため、一方的に何かを教えるのではなく、相手から答えを引き出そうとするのです。

 

受講生代表の大木さんは「メンバーがPDCAを能動的に回していけるチーム」と回答します。ほかにも、以下のような回答がタイムラインにコメントの形で寄せられました。

 

・チームメンバーが問題や改善したことなどいろんなことを共有しやすい
・みんなの目的が一致している
・メンバーが目的のために積極的に行動する

 

先生はそれらをいずれも「その通り」と認めたうえで、成果を上げている組織の特徴として以下の10個をリストアップしました。

 

1.メンバーは、毎日前向きに仕事に取り組んでいる
2.メンバーは、新しいことに挑戦している
3.メンバーは、将来の目標やビジョンを持っている
4.メンバーは、仕事を通して成長していると感じている
5.メンバーは、創意工夫しながら仕事に取り組んでいる
6.メンバーは、自分の強みや課題を明確に認識している
7.組織には、一体感がある
8.お互いに有用な知識や情報・経験を積極的に共有している
9.メンバー同士が率直に自分の意見を伝えている
10.次のリーダーとなる人が育っている

 

これはあくまで代表的な10個で、ほかにも特徴はたくさんあります。先生が特に注目してほしいものとしてピックアップしたのが「10.次のリーダーとなる人が育っている」。組織が成果を“上げ続ける”ために、次世代のリーダーの育成は欠かせず、その面にまで目を配れているリーダーを先生は「コーチ型リーダー」と呼ぶそうです。

 


成果を上げているチームのリーダーにはどのような特徴があるのか

ここで、本間先生から2つ目の問いが発せられました。

 

・成果を上げているチームのリーダーには、どのような特徴があるでしょうか?

 

大木さんの回答は「メンバーのモチベーションをあげるのが上手いリーダー」。人それぞれモチベーションが高まるポイントは違い、理解するために観察やコミュニケーションを欠かさないことが求められます。

 

ほかには以下の回答が寄せられました。

 

・部下の意見に耳を傾けている
・長所を生かしてくれる
・信頼して任せることができる
・自分もみんなも健康第一になるように気を付けている

 

 

 

今回も、先生から10ポイントがリストアップされました。

 

1.相手の考えについてよく知ろうとしている
2.相手によってコミュニケーションの仕方を柔軟に変えている
3.相手の話をさえぎることなく最後まで聞いている
4.相手が話しやすい・相談しやすい態度や言動をとっている
5.相手に詰問ではなく自由に安心して応えられる質問をしている
6.相手が自ら考えたり、行動を起こせるような質問をしている
7.相手の変化や成長に気づいてそれを伝えている
8.提案や要望は、相手にとって明確で分かりやすい
9.定期的にコミュニケーションのための時間を取っている
10.相手の目指している目標を知っている

 

コミュニケーションを取っていることは前提として、相手の話を聞く、安心して応えられるような質問をするなどコーチングを達成するため、その方法に工夫を施すことが求められるようです。

 

これらの項目をチェックリストとして、自分や他者の「コーチング型リーダー力」を測るために活用してみましょう。


コーチングの意味と、コーチ型リーダーの3原則

ここで、そもそも「コーチングとは何か」という基本に立ち返ってみましょう。

 

コーチングとは、人材開発の手法で、特にリーダー開発に有効です。それは、自分で考えて自分で行動できる、すなわちリーダーになりうる人材を開発する手法だからです。具体的には、コーチングでは相手の目標達成に必要な知識、スキル、ツールなどを棚卸しし、相手に備えさせることに取り組みます。その際、単に目標達成を支援するだけでなく、そのために必要な能力を開発するところにまで踏み出すことが求められます。

 

 

 

業績向上と次代のリーダーの育成という2つのミッションを持つコーチ型リーダーのコミュニケーションには、以下の3原則があると先生は語ります。

 

1.interactive 双方向のコミュニケーション
2.tailor-made 個別的な対応
3.on going 継続的な関わり

 

人は話しながら自分の頭を整理します。そのため、一方だけが話しているという状況は自発的な思考を促すにあたって問題です。そのため、双方向のコミュニケーションが求められます。また、万人に通用するコミュニケーション術はありません。褒められればモチベーションがアップするという人もいれば、納得性を重視するという人もいます。個別的な対応が不可欠ですが、そのためには相手のことを深く知らなければなりません。そこで、継続的な関わりが重要になってきます。

 

「実際にその3原則をスキルベースに落とし込んでいきますと……」と本間先生は以下について学ぶことを促します。

 

・聞くこと
・観察
・質問
・承認(相手を見ていることを示す)
・フィードバック
・提案・要望

 

 

 

これらの求められるスキルを提示しつつ先生は、「リーダー自身が忙しくしているとそんな余裕がない」と指摘します。そのため、次のリーダーを育て、自身の余裕を生み出すこともリーダーの責務といえるのです。そして、プレイングマネージャーが増え、そのような余裕がエグゼクティブから失われているからこそ、外部のコーチングの必要性も生じてくると語りました。

 

コーチ型リーダーは部下に指示するだけでなく、育てることができるリーダーです。そして、その効果は必ず自身や組織のプラスとなって帰ってくるはずです。この記事の内容、そしてテキストでは紹介しきれなかった授業動画のエッセンスを取り入れ、コーチ型リーダーを明日から目指していきましょう!

 

文=宮田文机

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『チームで成果を出すためのコーチング -今求められるコーチ型リーダーとは-』

 

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