データに見る仮想通貨 2018年3月度報告
こんな変化の激しい仮想通貨だからこそ、「どんな情報に注目すればいいのか」を判断する力が投資家に求められています。AIを用いて収集した仮想通貨のビッグデータをもとに、気になる仮想通貨市場の解説した本授業をご紹介します。
河野 勝吉 先生
FACTBASE 取締役
田原 彩香
受講生代表
2018.03.20
河野 勝吉 先生
FACTBASE 取締役
田原 彩香
受講生代表
「優位性とは何か」というと、僕なりの解釈で言いますと、「価格と価値の差を見極めている状態」が「優位性のある状態」なんじゃないかなと思っています。
逆にいうと、「優位性のない投資は、ギャンブルと同じ」です。勘で投資をするのは、あまりにリスクが高すぎます…。
価格と価値の差を見極めていると。
そうですね。実際、価値はけっこうゆっくりゆっくり上がっていくんです。
価値が上がっていきそうなものは、皆が放っておかないんです。だから、実際の価値よりも価格のほうが上がってしまう状態もあるんですけど…。
それがいわゆるバブルとも言われていますが、そのような状態を過大評価されているという状態だと思っています。
なので、今の仮想通貨の価格と、実際の価値を比べたときに「過大評価されているのか、過小評価されているのか」というのを、自分である程度見極めている状態で投資をします。
すると、かなり勝率が上がるんじゃないかなと思います。
なので、皆さんがこれから投資をするいろんな通貨があると思いますが、その通貨がいま、「過大評価されているのか、過小評価されているのか」。
というのは、常に考えるようにすると良いんじゃないかなと思いますね。
なるほど。だから、優位性のない投資はギャンブルと同じということなんですね。
はい。ここでは具体的に「どのような投資が優位性のある投資か」というのを、ご説明しますね。
まず、1個目の事例では、ビットフライヤーのビットコインのチャートを見ていきます。
2月10日に「ビットグレイル」というイタリアの取引所がハッキングされて、不正なトランザクション(取引)が発生してお金が盗まれたみたいな発表をしました。
そのときに、価格が上がっているんですよね。通常このようなバッドニュースが流れた際は価格が下がるので、これって、けっこう不思議な現象だなと思うんです。
この優位性の例は、「情報伝達の時差」という例なんです。
これは、ビットグレイルがハッキングされる直前に、偶然、コインチェックが日本円の出金再開など、ポジティブなニュースがたくさんあったことが価格の上昇に寄与しているんだと思います。
しかし、ハッキングニュースが出たにも関わらず、値段が上がった要因は本当のところは、「まだ取引所がハッキングされたということに気づいている人が少なかったこと」が理由だと考えています。
というのも、ビットグレイルという取引所は、イタリアでもマイナーな取引所だったんです。
その取引所のホームページにハッキングされた事実を知らせていてはいたんですが、大きく報道されることもなく、ほとんどの人が気づかなかったんです。
このときに、もし自分だけが知っていたら、実際の所は、(取引所がハッキングされたことにより)ビットコインの信頼が下がったかもしれないと推測できるわけですよね。
なので、この②(取引所がハッキングされた日)の時点では、比較的過大評価されている状態になっていると。なので、ここで、本当は売っていると強いですよね。
でも実際の価格は、いろいろニュースが良かったので、上がった(売らずに買われた)んです。
WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)という世界最大の経済メディアがあるんですが、そのTwitterアカウントのフォロワーが1551万人もいるんです。
ハッキングから10時間後くらいにそのニュースがWSJにツイートされました。
そこから一気にニュースが広まるんですよね。日本のTwitter上や、いろいろなメディアにニュースがシェアされてから一気に価格が下がり始めたんです。
この事象から「情報に早く気づくというのは、1個の優位性になる」というふうに思っています。
なるほど。いま、Twitterで情報を得られているんですね。
やはりTwitter上での情報の拡散は早くてですね…。かつ、いろんな仮想通貨の投資家がTwitterをよく参考にしているんです。
うちのSIGNALを利用しているユーザーさんたちにもアンケートをとると、8割~9割くらいがTwitterで情報収集しているというふうに答えています。Twitterは、かなり多くに人が見ていますね。
ひとつおもしろい話しがあります。
Twitterでいろんな仮想通貨の情報や、重要な株式銘柄など、そういうトレードに役立つ速報を届ける「岡三マン」というアカウントがあるんです。
このアカウントがツイートをすると、けっこう値段が動くという事象が何度かあったんです。
すごいですね、岡三マン。
そうなんですよ。かなり早いんですよね。
投資資金の多い投資家など、いろんな投資家が見ているので、実際の値段の動きに影響しやすいというふうに思っています。
続いては「人々の心理」今度は心理のほうですかね。
そうですね。
つぎは、LISKという通貨。もちろん知っている人が多いと思うんですけど、「リブランディング」というのをしましたと。
リブランディングをすると、ものすごく簡単に言うと、「ブランドもっと良い感じにする」ということなので、かなり期待をして、リブランディングの直前に買った人はいるんじゃないかなと思うんですよね。
でも、結果として、リブランディングの日から、価格がどんどん落ちていきました、ということがあったんです。
これは、リブランディングの発表がけっこう前にあったんですよね。リブランディングの発表が1月の10日前後にあったんですけど。そのときに、皆が、「リブランディングするから値段が上がるだろう」と。
実際、そのような戦略も聞いて、かなり価値が上がったんだと思って、どんどんどんどん値段が上がっていった。つまり、過大評価してきていると。
なので、皆がどんどん期待してLISKを買ったんですけど…。いざ、リブランディングする前に抜けよう(売ってしまおう)と思うんですよね。一番期待が高いときなので。
そういう心理戦みたいなものがやっぱりあって、リブランディングの直前が一番高いだろうと読めている人は、ここで良い成績を残していたんです。
ただ単にリブランディングだけを見たときに、「これは上がりそう」と買ったら損をしているみたいなことがあるので。
その通貨のちょっとした数か月間の歴史を見て、どのように人の心理が動いて、どういうイベントがあったかみたいなものを理解する人は、優位性がある、みたいな事例としてあります。
コメントを見ると、「LISK好きです」という方とかいらっしゃいますね。
ですね。
「リブランディングしていない」というコメントもありました。
もちろんですね、このようなことを実際後付けで、「こうかもしれない」くらいの...。ちょっとおもしろい授業をしたかったので、こういうふうに説明していまして。
実際、こうじゃないかもしれないですし、本当に相場を、こういうふうに動きましたということを断定することは基本不可能なので…。
ある程度、確率論的な話になってしまいますが。ただ、そういう歴史をちゃんと理解する方が優位性があるよということを今日は伝えたいので、そのような例を使わせていただきました。
なるほど。ありがとうございます。その他にもいくつか例があるんですよね?
そうですね。個人的に、ちょっとおもしろいなと思った例としては、「買うことがとんでもないぐらい面倒くさいICOに参加する」ということもけっこう優位性だなと思っています。
ほとんどの人は実際に、行動に移さないんですよね。なので、値段が上がりそうと思っても、「面倒くさいから参加しないでおこう」という人が多いんです。
例えばなかなか理解することが難しいホワイトペーバー(通貨の目論見書のようなもの)などをわざわざ数週間かけて読まないといけないような通貨は後々上がったりする事例もあります。「5分で売り切れるような人気のICOに並んで、滑り込んで参加する」ということも優位性でしょう。
他にも、「〇〇砲」みたいな仮想通貨界隈のインフルエンサーの影響も大きいでしょうね。
例えば、マカフィー砲とか、そのような仮想通貨界隈で影響力のある方が、「この通貨イケてる」というふうにツイートしたときに、すごい値段が上がるみたいなことがよくあります。それが連日続くみたいなときがありました。
あとはフェイクニュースがあったときに、「これフェイクニュースなんじゃないかな?」と思った人が、本社に電話をして、「やっぱりフェイクだった」ということを自分だけ知って、底で購入しできたということがあったりします。
他にも、過去5年分のチャートを毎日研究して、上がりそうなパターンを見つけて購入したりとか。
あとは、これはけっこうあるパターンなんですが、うっかりサイトに上場予定の通貨が表示されているのを見つけて購入するみたいなこともあります。けっこう何回も見てきていますね。
投資のきほんをまとめていきましょう。
はい。「優位性の作り方は様々」です。やっぱり、皆が「投資の時間軸もぜんぜん違う」んですよね。買って数年放置するみたいな人もいれば、もう1秒に1回取引するみたいな、すごい短期トレーダーもいると。
なので、それぞれが本当に「時間軸も、見ている指標も違う」中で、自分なりのしっくりくる優位性を築くとすごい強いなと思っています。
逆に、人の投資のアイディアはぜんぜん参考にならない部分もありますね。
その人の見ている時間軸も指標も全部理解して、はじめてその手法を自分が理解できるということなので、ちゃんと「自分自身の優位性を築きましょう」というのが重要かなと思います。
仮想通貨市場の値動きの傾向として。これはけっこう知っている方も多いと思うんですけど。
あまり知らない方のために、仮想通貨市場は主にこういう傾向がありますという、代表的な例を3つ出しました。
まず1つ目が、「ビットコインを中心に動く」です。よく、Twitterのスクリーンショットで、全部下がっているみたいなスクリーンショットが回ったりというのがありますよね。
ビットコインが下がると、他のアルトコインも一緒に下がりやすいというのが、あるあるです。
なので、ビットコインの値動きを研究して、ビットコインがまず上がるかどうかというのを理解するようにすると、かなり、アルトコインの投資も含め、仮想通貨市場では良い成績を出しやすいんじゃないかなと思っています。
これが1つ目ですね。
はい。2つ目が、「人々の心理の影響が高い」ということです。
実体の価値が向上するようなイベントがあったときに、それよりも過剰に反応することがあります。
過剰に反応して、逆に下がったりとか、上がったりとか…。上がりすぎ、下がりすぎが多いというのが、仮想通貨市場のもう1個の特徴なんじゃないかなと思っています。
他にも、コミュニティーが強いと価格が上がりやすかったりとか、インフルエンサーに影響されたりということもあります。例えば、Twitterで「誰々が上がると言った」とか「誰々がこれを買った」みたいな投稿があった時に、実際に価格が上下しているのを、仮想通貨の投資をされている方は、よく見られているんじゃないかなと思っています。
とにかく、人々の心理の影響が高いということなので、「人々がどういうふうに思っているか」みたいなところをちゃんと理解するようにすると、そこまで勉強すると、成績が良くなるんじゃないかなと思っています。
3つ目は、さっき話した例にも似ているんですが、「出来事と価格の形成に時差がある」ということです。これは個人投資家の影響度が高いというふうに思っています。彼らが気づくまでに時間がかかったりするので。
実際、悪い出来事があったり、良い出来事があったりしたときに、価格に反映されるまでは、まだ時差がある。その点は、けっこう優位性が出せる部分じゃないかなと思っています。
それが3つ目ですね。そして、優位性の作り方。
はい。これらをもとに、「どういうふうに頑張れば優位性が作れるか」ということを紹介したいと思います。
優位性は、「情報収集力×分析力×実行力」で作れると思っています。
特に、情報収集のところと、分析力のところで、どのようなことをすれば良いかというようなところをお話しします。
まずは、「情報収集力」のところです。一番良いのは、自らの足を使って、いろいろ検証することですね。実際に人に話しを聞きに行くことが重要で、本当に価値が高いので、それが一番良いと思っています。本当に、成績が出ているトレーダーたちは、そのような動きをしているところをよく見ました。
次に、「情報収集」についてです。「情報収集」役立つツールはいっぱいあります。僕らのSIGNALも含めてご紹介していきたいと思います。
ツールという部分では、Twitterで実力のある投資家をフォローするというのも、けっこう個人的にはおすすめしています。
特におすすめしているのは、ビットコインが一番重要ですし、ビットコインを中心に動いていくので、ビットコインの値動きに詳しいFXのトレーダーさんが、個人的にはすごい参考にしていますね。チャートを毎日投稿して、テクニカル分析、人々の心理は今こういう感じだからここで反発しますとか、そのようなことを投稿されている方はけっこういるので。
ぜひ、フォローしてみていただけると良いかなと思います。
これからは、ちょっと、情報収集に役立つツールをいくつか紹介していきます。個人的にも使っていますし、たくさんあるツールの中の、本当に一部なんですけど。いろんなツールを今から紹介していきます。
一つ目は、「イナゴフライヤー」です。これは何かと言うと、世界中の各取引所で、ビットコイン大きめの注文が把握できるもので、例えば10ビットコイン以上や、100ビットコインなど、そういった大きめの注文があったときに全部教えてくれるというツールです。
なので、世界中で今、どのくらいのビットコインが売られているのか、あるいは買われているのか、みたいなことがわかります。
さらに、かなりリアルタイムに近いので今、この瞬間に、世界中でたくさん買われたとかが分かるんです。例えば、世界のあの取引所で4000ビットコインの売りがあったとか。
そのようなことがリアルタイムで流れてくるツールです。主に、ビットコインでFXをやられているような、超短期のトレーダーが見ているツールですね。
個人的に好きなポイントは、それぞれ、音が違っていて。良い買い注文が入ると、すごいおもしろい、良い音が鳴るんです。
マイナスの注文が入ると、窓が割れるような、ガラスが割れるような音が出たりとか。そのような感じも、おもしろいポイントですね。
二つ目は何でしょうか?
次は、「CRYPTOCURRENCY CALENDER」という海外のサービスです。
今、これから予定している各仮想通貨、アルトコインも含めて、いろんなファンダメンタルのカレンダーサービスですね。
これからどういったイベントが予定されているのかというのを、一目で確認することができます。
日本版で言いますと「CoinKoyomi」というサービスがあって。英語が苦手な方はこれを見ても良いかもしれないですね。
「ビットコイン相場.com」もけっこうおすすめしています。
いま対応しているのは、日本と欧米と韓国なんですけど、それぞれ、価格がどれくらい推移しているのかというのが見れるんです。
例えば、韓国がいきなり上がるとか、日本がいきなり他国より下がる、みたいなところを見ることができます。ビットコイン相場は、日本の取引所間の価格も全部見ることができるので、個人的にはおすすめしているサービスです。
そして最後ですね。
あとは僕らの「SIGNAL」なんですが(笑)
メインですね(笑)
LINE@で仮想通貨のニュースを配信しています。
他のニュースサイトと違うのは、本当に仮想通貨だけに絞った、いろいろなファンダメンタルとか、ニュースを提供するサービスとなっています。ぜひ、登録していただけると(笑)
あとは、これから3月にリリースのアプリなんですが、アプリは、LINEのサービスとは違って、どっちかと言うと、いろいろな指標がのる予定です。
例えば、特定の仮想通貨に、この前どういうイベントがあったのかとか、その仮想通貨はどのような指標があって、どの指標が値動きに関連性があるか、などを分析しやすいような設計にしています。
「分析力の高め方」は、やっぱり、結局実践することが一番良いなと思っています。ビットコインの値動きを研究するのが一番良いんですが、個人的におすすめするのは「10000円チャレンジ」ですね。
10000円を元にビットコインをずっと運用すると。そこで、ショートもロング経験できるんです。
少なめでやってみるんですね。
はい、10000円でスタートすれば、損しても、数1000円程度です。
実際、自分がポジションを持っているときが、一番情報が入ってくるし、勉強になるので、おすすめしています。
10000円チャレンジというのは、けっこうTwitterでも流行っているようなものですね。高い金額からスタートすることはリスクもあるので、やめていただきたいと思っています。
本当に、ものすごい勢いでお金が減っていくので、10000円くらいからやっていくのが良いんじゃないかなと思っています。
少額チャレンジということですね。
はい。あとは、チャートを勉強すると良いんじゃないかなと思っています。ファンダメンタルを並べてみて、自分が上がると思ったファンダメンタルがどうなったかとか、どのように価格と相関があるかみたいなものを見ていくと、すごいわかってくるのでおすすめしているんです。これは、SIGNALでも、アプリのほうでゆくゆく実走するような部分ではあります。
あとは、よくわからないというときに、自分なりに仮説があったら、1回飛び込んでみるのがすごい良いんじゃないかなと。
リスクを抑えて、本当に少額でやってみると、経験になって。次に同じようなことが起きたときの優位性に繋がるというふうに思っています。
「仮想通貨市場のトレンド」を教えていただきました。
仮想通貨は2020年以降も存在しますか?
存在すると思います。本当に長期的な目線で言うと、やっぱり仮想通貨自体は、すごい伸びていくと思って、このようなサービスを作っていますし。
短期的には、今年の年末に値段が上がるかどうかみたいなことはわからないですけど、長期的には、本当に良い、価値のある仕組みになっていくんじゃないかなと思いますね。
2018年03月20日 公開
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