目次
- 考え方の癖そのものは悪ではない
- 感情体験×回数=考え方の癖
- 感情体験が大きい瞬間の心のつぶやきにフォーカスする
2022.01.27
何をするにもどうせうまくいかないだろう。そんなネガティブ思考に無意識にとらわれていませんか?
Schooの授業『「どうせうまくいかない」 -勝手な決めつけを緩める方法-』では、自分の行動にマイナスな影響を与えやすい考え方の癖と向き合っていく方法について、人材開発領域のプロコーチとして活躍する株式会社LABEN CAREER代表取締役の大坂谷勇輝(おおさかや・ゆうき)先生が解説します。本記事は、その一部内容をお届けします。
考え方の癖は先天的なものではなく、経験に基づいて作られるものです。感情が大きく動く体験が繰り返されることで、考え方の癖はできあがります。
「私の実体験として、中学時代万年補欠の野球部員だったことがあります。そこで何度も失敗を責められてからネガティブに考える癖がついてしまい、たとえ褒められても何か裏があるのではないか、と疑うようになってしまいました」と、大坂谷先生は自身の過去を振り返ります。
考え方の癖は感情体験の蓄積によって作られていくものだと認識しておくと、自ずと向き合い方がわかってきます。
自分の考え方の癖に気づくためは、心の中のつぶやきを観察すると効果的です。Twitterのつぶやきをイメージすると分かりやすいかもしれません。自分の内側の言葉は、すなわち本音であり、考え方の癖の影響をダイレクトに受けています。心の中のタイムラインを覗き込み、特に感情体験が大きかったシーンのつぶやきをじっくり観察してみましょう。それを紙に書き出してみると、より明確に自分の考え方の癖が見えてきます。
自分の考え方の癖に気づくと、ついその原因を分析したくなりますが、あまりおすすめしません。というのも、原因となる過去のできごとが明らかになったところで過去を変えることはできず、落ち込んでしまうことが多いためです。変えられない過去よりも、変えられる未来へエネルギーを注いでいきましょう。
無意識のうちに作られる考え方の癖を自覚し、どのように向き合っていけばよいか考えることが、ネガティブな決めつけを緩める第一歩です。自分の癖に気づいた時点で、すでに100点だと大坂谷先生は言います。ネガティブ思考にとらわれがちな考え方の癖を変えたいと感じている方は、ぜひ授業動画をご覧ください。
文=宿木雪樹
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自分にマイナスな影響を与えやすい考え方の癖には、さまざまな種類があります。例えば、すべての問題を善悪で極端に判断する「白黒思考」や、事実に関係なく、こうなるに違いないと未来を悪く予想する「占い思考」などが挙げられます。ただし、こうした考え方の癖そのものは悪ではありません。考え方の癖はニュートラルな状態であれば、本来の能力を発揮してくれるものです。先ほど挙げた占い思考も、ポジティブに発揮されれば想像力や直感力といったスキルとも言い換えられます。
では、私たちにとってプラスとなるはずの考え方の癖が、マイナスに転じてしまうのはなぜでしょうか。それは、身を守るためにさまざまな状況を想定する生存戦略が人間に備わっているからです。私たちが不安や危機に意識が向きやすかったり、過剰反応してしまったりすることは、生物として仕方ないことでもあります。