目次
- 主体的に会議に参加するための一歩は日頃から思考力を『鍛える』こと
- 議論の流れを予測して、意見を事前に整理しておく
- 自分のスタンスを決めて、会議の進行をシミュレーション
2023.05.10
意見の伝え方に自信がなかったり、座っているだけで何も発言できなかったり……。会議での苦い経験は、多くのビジネスパーソンにとってなじみのあるものでしょう。主体的に会議に参加し、意義のある発言をできるようになると、社内でも一目置かれる存在になれるはずです。
授業「会議で意見を『伝える』コツと心構え」では、Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長の伊藤羊一(いとう・よういち)先生を講師に迎え、自分の意見を伝え、会議で存在感を示すための具体的な方法について学びます。本記事では、授業の一部内容を抜粋します。
セカンドステップ「準備する」は、先生が今回の授業でもっとも伝えたい部分だと言います。
「僕自身、会議前は必ず準備するようにしています。準備にかける時間は短くてかまいません。会議前に準備する習慣があるだけで、どんな人でも主体的に会議に参加できるようになります。準備が大事だとは分かってはいても、多くの多忙なビジネスパーソンは準備を怠ります。だからこそやることで、他の参加者との差別化を図ることができます」と、先生は準備の重要性を語ります。
先生は準備のポイントとして、以下の3点を挙げます。
・自分の主張
・反論への備え
・自分の立ち位置、入り方
「まずは資料を確認しながら会議の論点を予測し、主張のポジションを決めましょう。ポイントは結論、根拠、事実というピラミッド型をイメージしながらロジカルに主張を組み立てること。自分なりの考え方でまとめて、メモ書き程度の粒度で整理できれば大丈夫です」
加えて、自分の主張に対する反論への備えも忘れてはいけません。
「その自分の主張に対して、どんな反論がくるか事前に想定しておきましょう。同時に、それに対する答え方も考えておきます。自分の主張を考えたときのように、反論の主張を想像して、ピラミッドを描いておくとなおよいですね。これらの準備を習慣化することで、主体的かつ冷静に議論できます」と先生は解説します。
準備の最後のポイントは「自分の立ち位置、入り方」のイメージです。
「議論における自分の立ち位置は状況次第で変わりますが、ひとまず仮置きで決めておきましょう。意見を積極的に言うべきか、周囲に任せておけばよいかなど、最適な関わり方もシミュレーションします。
ここで議論へのスムーズな入り方もイメージしておきましょう。どんな流れで話が進むか想像し、『ここは言いたい!』という要点を決めておくこともポイントです。チャンスを逃してしまうと、言えなかったことを後悔してしまいますから」
しかし、ここまで準備しても、「実際にはその通りには進まないことが多い」と加える先生。準備どおりにいかないからといって準備しないのではなく、綿密な準備をしているからこそ柔軟な対応力がつくと結論づけます。
他にも「会議の流れに割って入るときのテクニックは?」という受講生からの質問に対し、「相槌やアイコンタクトが効果的。それに加えて、ちょっと前のめりな姿勢にしてみる」など、先生から実践的なテクニックを伝授してもらえる場面も。会議で存在感を示すためのヒントを知りたいという方はぜひ授業動画をチェックしてみてください。
文=宿木雪樹
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自分の意見をもとに主体的に会議に参加するためには、次の3つのプロセスを踏む必要があると伊藤先生は言います。
1.鍛える
2.準備する
3.実行する
「ファーストステップの『鍛える』は、考えて伝える力、つまり論理的な思考力とプレゼンテーション能力を身につけることです。これらはあらゆるビジネスに取り組むベースとなり、会議に主体的に参加するためにも必要となるスキルです。この力がなければ、会議で“イケてる”コメントができません」