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2021.06.25

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40歳でGAFAの部長に転職した著者が教える「わかりやすい話の伝え方」

40歳でGAFAの部長に転職した著者が教える「わかりやすい話の伝え方」

GAFAといえばいまや知らない人はいないグローバルIT企業4社の総称です。そこで働く人はどのような方法で思考し、部下や上司、取引先と接しているのかと気になる人は多いですよね?

話題のビジネス書『40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法』著者の寺澤伸洋先生は、同書でGAFA転職前の17年間で師事した上司Nさんから学んだ思考法を紹介しています。そこでSchooは寺澤先生を招き、全2回にわたってその考え方のエッセンスを伺いました。

この記事で取り扱うのはその後半。テーマは「人に伝える」ということです。

目次

  • 桃太郎の話を知らない外国人にどう説明する?
  • 話が伝わらないのは、受け手ではなく、伝える側の問題であることが多い
  • 伝える順番を再構成して文章をわかりやすくしよう

 

 

桃太郎の話を知らない外国人にどう説明する?

 

 

「桃太郎の話を知らない外国人に桃太郎の話を説明してみてください」

 

授業の最初に寺澤先生からリアルタイム受講生に向けて、上記が問われました。「アメコミに例えればわかりやすいのでは?」「イラストに描くと説明しやすいかも」などタイムラインには色々なアイディアが寄せられます。

 

それらを受けて先生はまず、よくある回答として以下を提示します。

 

(1)「昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川に選択に行きました…」と、1から全部話してしまう

 

(2)川から流れてきた桃の中に赤ん坊がいて、おじいさんとおばあさんに育てられて、大きくなってからきびだんごを持って鬼退治に出かけ、途中イヌ、サル、キジを仲間にし、最終的に鬼を退治して財宝を得る話

 

(1)は0点、(2)は50点とNさんに言われたと先生は話します。ここでポイントとなるのが“人はだらだら話されると集中力が続かない”ということ。そのため、意識しなければならないポイントがいくつあるかをまず先に伝える必要があるのです。

 

 

1.ポイントを箇条書きでまとめておくこと

 

2.最初にポイントがいくつあるかを伝えること

 

上記のポイントを押さえた説明は、以下の画像の通りです。

 

 

 

 


話が伝わらないのは、受け手ではなく、伝える側の問題であることが多い

前述の説明を聞いて「何をそんなに簡単なこと言ってるの?」と感じた方は多いかもしれません。しかし、「仕事の話になると全体像を話すことなく、いきなり細かいところから話を始めだす人が本当に多い!」と先生は指摘します。

 

例えば社長から承認を得なければならない案件がある場合。先生はいきなり「社長! キジを仲間にしたいので、承認をしてください!」と要求から話を始めてしまった経験があるとのこと。日々大量の情報を処理する必要がある社長は、個々の社員と同じ前提を共有できているとは限りません。時間を取っては申し訳ないからと手短にまとめようという気遣いがあっても、話がきちんと伝わらなくては意味がないでしょう。

 

そのため、手順を追ってポイントごとに話す意識が重要となってくるのです。

 

「話が伝わらないのは、受け手ではなく、伝える側の問題であることが多い」と寺澤先生。だからこそ、「自分の視点」ではなく「相手の視点」で物事を考える意識が求められるということです。

 

ここでセクションは移り、再び先生から問いが発せられました。

 

今回はスピード問題。問題を見てから30秒でいったん回答を描き込んでほしいとのこと。そして回答後に改めてゆっくり考えて“問題文をどう表現すればより分かりやすくなるか”を考えます。

 

それでは、問題を見てみましょう。以下の画像の文章をお読みください。

 

 

 


伝える順番を再構成して文章をわかりやすくしよう

ややこしい問題文に、リアルタイム受講生からは多数混乱したという声が寄せられました。そうなってしまうのは、問題文に問題があるはず。どうすれば30秒で理解できるようなわかりやすい文章に直すことができるのでしょうか?

 

先生はこの文章がわかりにくい理由は、「伝える順番が悪いから」だと話します。箱をつなげていくように物事を構造化するボックス思考で考えてみましょう。
問題文のそれぞれの部分をボックスでつなげると、以下の通りになります。

 

1)ミララミアはウラヌスと反応する
2)ウラヌスはキワロイドでできている
3)一方、メタロイドもキワロイドからできている
4)メタロイドはミララミアと反応しない

 

 

 

先ほどの文章がわかりにくかったのは「『反応する』の枠が先に出ているのに『反応しない』の枠が最期まで出ないのが原因」だと寺澤先生。
そこで、わかりやすい説明の順番にするにはどうすればいいのかを考えてみます。
先生が提示する条件は次の通り。

 

【1】先に対比する枠を作って、そこに情報を入れられるようにする
【2】次に、対比するコンテンツを入れる
【3】最後に、共通点をまとめて伝える

 

そのメソッドを詰め込んで再構成した文章が以下の画像のものです。

 

 

 

この文章を見れば、問題の答えは①ウラヌスだと容易に判定できるのではないでしょうか。先生は改行することも見やすくするために重要だとコメントをピックアップして語ります。特に日本語の文章において、改行は話のブロックをわかりやすく可視化するために特に意識すべきものです。

 

また、「元の問題文の文章に既視感がある」というコメントも。「自分の頭に浮かんだ言葉をそのまま書くと元の文章のようなわかりにくいものになってしまう」と先生は話します。そこで、自分の中で構成を考えてわかりやすく文章をつくりかえるかどうかで相手への伝わりやすさは大きく変わってくるようです。

 

以上で、今回の授業の3つのテーマのうちの2つ、「ポイントを押さえて話す」と「ボックス思考で考えよう」についてのセクションを終えました。最後のひとつ「比喩を積極的に使おう」についても気になる方はぜひ、実際の授業動画をご覧になってみてください。

 

また、まず伝える前に知りたいロジカルな考え方を知りたい方は第一回の授業「ロジカルに『考える』トレーニング」を視聴することをおすすめします!

 

文=宮田文机

 

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『「人に伝える」トレーニング』

 

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