目次
- 「11ミニッツ・マジック」でビジネスが格段に楽になる!
- 心理テクニック①「11ミニッツ・マジック」
- 心理テクニック②「一般的にクリーム」
- 心理テクニックをビジネスに活かすTips
2020.10.22
営業ナンバーワンになりたい! 大きな案件を獲得したい! もう一歩のところで達成できるビジネスの目標を、心理学が叶えてくれるかもしれません。
Schooの人気連載授業『ビジネスで使える賢い心理学』は、一般社団法人日本マインドリーディング協会理事の岸正龍先生から、人の心の動きにフォーカスしたビジネス理論を教わります。
実際に寄せられた質問をベースに、⼼理テクニックをどうビジネスに活かすのか学んでみましょう。
いよいよ本題です。岸先生オリジナル考案のふたつの心理テクニックを教わります。まずひとつめは、「11ミニッツ・マジック」です。
まずは、この心理テクニックの基となった実験を紹介します。カリフォルニア大学の実験で、ホームレスの人が3パターンで物乞いをし、どれくらいの人がお金を恵んでくれるか統計をとりました。その結果、「37セントください」とお願いしたら75%もの人が恵んでくれたそうです。
「中途半端な数字を聞くと、あげるかあげないかという判断より、『なんで37セントだろう? どういう意味があるんだろう?』と考えるリソースに意識が持っていかれてしまう。人間の意識は、1回にひとつのことしかできない」と、岸先生は分析します。
11ミニッツ・マジックとは、この“1回にひとつのことしかできない”人間の特性を活かした心理テクニックです。「自分が本当に言いたいことを、相手に考える隙を与えずに判断させるには、中途半端な数字を言うことが効果的」だそう。
例えば、遅刻してもらいたくないために「9時11分に待ち合わせ」と伝えれば、相手が気になって、結果として9時11分より前に来るといったことです。これはどんな場面でも使えそうですね!
次にご紹介する心理テクニックは、「一般的にクリーム」です。
方法は簡単。相手が答えにくい質問に、「一般的に言うと~」をつけるだけ。これだけで、答えを引き出すことができるテクニックです。
たとえば「お給料に満足していますか?」と単刀直入に聞かれると、無意識に抵抗の気持ちが生まれ、正直に打ち明けにくいと思います。しかし、「一般的に言うと、〇〇さんくらいの年齢の女性はお給料に満足できていないデータが出ていますが、どうですか?」と聞かれると、いきなり答えやすくなりますよね。「一般的に言うと~」を使うだけで、本当の情報が出てきやすくなります。
ここでポイントは、「皆さんが仰っているのは」など類似の言葉ではなく、必ず「一般的に言うと」と言うこと。他の言葉では微妙にニュアンスが変わり、無意識の抵抗を超えられなくなります。
最後は、岸先生が実際に寄せられた人生相談をベースに、今回学んだ心理テクニックを実践します。
「次の交渉でまとめないといけない案件があります。どんな方法でも構いません。アドバイスをください」
「入社以来はじめての契約高ナンバーワンが見えてきました。ここまで来たらどうしてもナンバーワンをとりたいです。なにかオススメのテクニックを教えてください」
このアドバイスを、今回学んだふたつのアドバイスを使って解決できます。あなたなら、どんなアドバイスを与えますか? 考えてみてから、ぜひ答えを実際の授業で確認してみてください。
そのほか授業では、岸先生が受講生の質問や疑問に答えています。「一般的にクリーム」の名前の由来は何でしょう? これにもきちんと心理テクニックが利用されています。答えは授業で岸先生が丁寧に回答してくださいっています。
有効に使える⼼理テクニックを、バックボーンとなっている実験や知⾒を含めて解説するSchooの連載授業『ビジネスで使える賢い心理学』。今回ご説明した授業を含めて、今後3回にわたって実際に相談にのった案件を下敷きに心理テクニックをお伝えします。
『ビジネスで使える賢い心理学 第9回 「11ミニッツ・マジック」で行動を促す』
http://schoo.jp/class/7101/room
『第10回 「理由アタッチメント」でいい返答を引き出す』
http://schoo.jp/class/7102/room
『第11回 「デコデコデコイ」で交渉に勝つ』
文=田中ラン
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本題に入る前に、心理テクニックの大前提をレクチャーします。
心理テクニックとは、「相手の無意識化に埋まっているボタンを押すこと」と岸先生。人間は、意識で判断する前に無意識のボタンが押されて、動いたあとに理屈で考える生き物。無意識で行動してもらうためには、心理テクニックを相手に悟られずにうまく使うことが大前提です。