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2017.12.18

interview

AIは、心が読めない。 答えを出さない「哲学対話」で、 AIに出来ないことを考えてみた

AIは、心が読めない。 答えを出さない「哲学対話」で、 AIに出来ないことを考えてみた

「AI」を考える僕らの哲学座談会

AIスピーカーやAIロボットの登場など、近年、何かと話題の人工知能。その有能さ故に、「人の仕事を奪うのでは」とまで囁かれています。しかし、AIにできないことだってあるはず。

1つのテーマに対し、「みんなで問いを立てる」、「みんなで意見を述べる」という行為を繰り返す「納得して働きたい僕らの哲学座談会」。自分と向き合い、他人と向き合い、問いと向き合う姿勢を育みます。

今回のノートは、あえて答えを出さない「哲学対話」の普及活動をする小川先生と人工知能開発者、そして受講生で「AIの苦手なコト」について考えた“思考の軌跡”をお届けします。

小川泰治 先生

NPO法人こども哲学・おとな哲学アーダコーダ事務局/学校教員

大山 匠 先生

人工知能開発者

橋本 幸乃

受講生代表

学びノート

SESSION哲学対話って、なんですか?

1

この授業のテーマは哲学座談会ですが、どういったことをするのですか?

2078

哲学対話という手法を用いて、皆さんのコメントをもとに、座談会を行なっていきます。

25

哲学対話ってなんでしょうか?

2078

なにか一つの答えを出すというよりも、「問い」を用いて、お互いの考えやその理由を丁寧に聞き合うことを大切にする場です。

ですので、ビジネスで行われる会議のように、合意形成を行う場でもありませんし、意見をぶつけ合うディベートでもありません。おしゃべりの場ともまた違います。

2078

どんな問いを扱うのかというと、「そもそも人は何のために生きるのか?」「自分はなんのために生きているのか?」など、哲学対話ではすぐには答えが出ないけれど、気になる「問い」をもとに対話を進めていきます。

25

今回は、受講生の方からの投稿から「問い」を決めていくんですよね。

2078

はい。今回は、皆さんからいただいた「AI」に関する4つの問いから、「人工知能には何ができないのか?」について対話を進めたいと思います。

SESSION人工知能は、「感情」を理解するのが苦手?

2

「忖度」が苦手かもしれないですね(笑)

2078

あーそうですね。忖度はできないですね(笑)

2117

確かに(笑)

1

カウンセリングですかね?

2117

カウンセリングは面白いですね。

2078

どうなんですかね。AIにカウンセリングしてもらいたいですか?(笑)

25

なんだか、理詰めされそうで怖いですよね(笑)

3

曖昧な判断ですかね?

2078

確かに!

25

あー確かにー。

4

自動運転の自動車が事故を起こした場合の責任の所在はどうなるのでしょうか?

2078

AIに責任は取れないでしょうね…。取らせてもしょうがないでしょうね…。AIをぶっ壊しても仕方ないですから(笑)

1

(話しはそれますが…)面接官がAIの就活なんて嫌です!(笑)

2078

そういったことも起きそうですよね。

2117

一部では起きてますよね。

25

ホテルでもありますよね。ロボットが受付をしてくれるところとか。

2117

人間が面接官だとバイアスが掛かることもあるので、フラットな目で見るためにもAIは有効だという話しもあります。

2

その場の空気を読むことですかね?

2078

これは人間だけにしかできないことかもしれません。

2078

では、次の問いにシフトしていきたいと思います。この辺までで見えてくるものってなんでしょう。AIにはいったい何ができないと感じているのでしょうか。何かポイントを探したいので、少し抽象化した意見をいただければと思います。

25

感情ですかね?

2078

曖昧さや、ラーメン二郎への「愛情」とか、合理的ではないものが苦手そうかもしれませんね。

次にお聞きしたいのは、「AIが苦手そうなことに共通することは何か?」それについてお聞きしたいと思います。

SESSIONAIは、0から1を生み出すことができない?

25

ここまでは、「AIには何ができないのか」について、みなさんに質問してきました。続いては、問いを絞って、「AIが苦手なことの共通項」についてお聞きしたいと思います。

4

感動的なものはAIが苦手にしそうです。

2078

AIは感動できるんですかね?難しそうですよね…。ディープラーニング(機会学習)でAIに感動を教えることはできるんですか?

2117

AIはデータを食べないと賢くなれません。「感動」というデータは集められないと思うので、学習するのは難しいかもしれません。

2078

「感動」は人それぞれなので、AIに教えるのは難しいでしょうね。

2

0から1でしょうか?

2078

「0から1」というのは共通項かもしれませんね。例えば、コンピュータも人間が0からつくるから、動くようになるんですもんね。

2117

クリエイティビティはAIが苦手とするとことかもしれませんね。

4

「インスタ映え」は理解できそうですね?笑

25

今っぽいですね(笑)

2078

これはできそうです。インスタで反応のいい写真のデータを集積してAIに教えれば、理解できそうですね。

1

「データで表せないもの」ですかね。

2117

そもそもデータがないと、AIに教えるための材料がないことになるので、それは苦手かもしれません。

2

「心の動き」ですかね?

2078

確かに!このあたりは「データとして表せないもの」なので、先ほどのお話しに通じるかもしれません。

2078

では、なぜ私たちは、AIが「心の動きが伴う行為(感情)」を理解できない気がするんでしょうかね。こちらをまた、皆さんに伺いたいと思います…。

25

まだまだ続く哲学対話。この続きは、録画授業で視聴できます!気になる方はぜひ、ご覧ください!

2017年12月18日 公開

この授業の動画をSchooで観る

2017年12月03日 放送分
「AI」を考える僕らの哲学座談会

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