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2020.07.06

column

仕事がデキる人になるための「謝罪のお手本」。ベストな謝罪の3ステップ

仕事がデキる人になるための「謝罪のお手本」。ベストな謝罪の3ステップ

仕事の中でも最も憂鬱なもののひとつが「謝罪」です。しかし、お客様と接する以上、そういった事態が生じることは避けられません。

そして、謝罪を通してお客様をより不快な気持ちにさせてしまうのか、それとも誠意をしっかりと伝えることで納得していただきより自社のファンとなってもらうのかは、あなたの謝罪スキルにかかっているのです。

Schooの授業『謝罪のお手本』で謝罪スキルを磨き、来るべきそのときに備えましょう。

講師は株式会社スパークスラボ、マスタートレーナーで『仕事がデキる人が必ずおさえている謝罪・クレーム対応の鉄則』著者の浅井真紀子先生です。ここではその内容を抜粋して紹介します。

目次

  • 3つの分類で苦情を理解する
  • 苦情に対する謝罪でまずすべきことは?
  • 謝罪の流れをつくる

 


3つの分類で苦情を理解する

 

 

謝罪は、苦情に対する対応として発生します。そのためまずは苦情を理解することが適切な謝罪対応を身につけるために必要になります。

 

浅井先生は、以下の3つの型に分けて苦情を理解することを提案します。

 

・コンプレイン(Complaint)
・クレーム(Claim)
・ディマンド(Demand)

 

 

コンプレインは「不平・不満」など不快な感情を解消したいという思いから生じた苦情です。それに対してクレームは商品のお届け時刻が予定より遅れてしまったなどこちらに非がある場合の当然の要求。ディマンドは特別扱いをしてほしい、便宜を図ってほしいなど自分本位の要求です。

 

苦情の内容が感情面にまつわるコンプレインなのに、クレームに対する謝罪をしてもお客様の不満は解消されません。まずは相手の苦情が3つの型のどれに当てはまるのかを考えることが正しい謝罪の第一歩です。

 

先生曰く人が苦情を申し立てる理由は大きく「思い描いていた理想に現実がそぐわない場合」と「かなしい、不満などの感情が溜まって怒りがあふれ出している場合」に分けられます。

 

いずれの場合も使える謝罪の基本として覚えておきたいのが「Iメッセージを使うこと」。Iメッセージとは自分(I)を主語として発するメッセージのこと。相手の苦情が自分に対してどのような影響を与えたのかを伝えることで感情によりそうことができます。

 

反対に相手(YOU)を主語にしたYOUメッセージは発信する側の「思い込みや主観」を押し付けてしまうことになりかねないため、謝罪の場では控えるようにしましょう。

 


苦情に対する謝罪でまずすべきことは?

『苦情に対する謝罪』と聞いて最初にすることは何だと思いますか?

 

先生から参加者に対しこの質問がなされました。

 

その答えは、「『限定的』謝罪」です。

 

限定的謝罪とは「何に対しての謝罪なのか」を明確にした謝罪のこと。例えばお客様の不快な気持ちに対して「ご不便をおかけして申し訳ございません」「ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません」などと謝ることを指します。

 

苦情にはディマンドのように理不尽なものもありますが、その場合も相手が不満を抱いているというのは確かです。そんなときに事実確認や要望確認、対応策の提示をしてしまっては神経を逆なですることになりかねません。しかし理由もなく謝罪しては不自然ですし、マニュアル対応と受け取られるリスクもあります。

 

そのため、限定的謝罪で誠意を示すことがベストな選択肢といえるのです。

 

 

ちなみに先生によると、苦情を申し立ててきた相手を怒らせてしまう人は「おとなしい人」と「ぶっきらぼうな人」の2種類に分けられるとのこと。

 

苦情に対し、極端に憶病になってしまうこと、こちらの感情に任せて反抗的な態度をとってしまうことのいずれも謝罪にとってマイナスに働きます。

 

「誠意をもって(共感)話を聞き(傾聴)相手にメリットのある提案をする」という先生考案の謝罪のポイントをしっかりと身につけましょう。また、対応する「人」「時間」「場所」を変えるというのも、相手にクールダウンを促し誠意を伝えるための選択肢として覚えておくことをおすすめします。

 


謝罪の流れをつくる

謝罪の流れは以下の3STEPに分けられると先生はいいます。

 

【STEP1】相手の気持ちを受け止める
【STEP2】事実と要望を把握する
【STEP3】解決策の提示・理解促進

 

 

STEP1は相手の話を聴く姿勢を表明するためのフェーズです。まずは笑顔で応対をはじめ、苦情の言葉を伝えられたらトーンチェンジして謝罪の姿勢を示しましょう。ここで限定的謝罪を用いることで傾聴の姿勢と真摯な態度を示すことができ、苦情の詳細入手もスムーズに進みます。

 

STEP2は傾聴によって何があったのか、相手が何を求めているのかを把握するためのフェーズです。話を聴きだす中で重要な三原則が「相手の話をすぐに否定しない」「話の腰を折らない」「うわの空で聴かない」。三原則に違反する態度をとってしまうと「この人には苦情をしっかりと聴いてもらえない」と判断されより怒りを引き出してしまう可能性が高いです。

 

そうならないために、以下の5つのルールを守りましょう。

 

1.うなずいて聴く
2.相づちをうつ
3.相手を見て聴く
4.質問しながら聴く
5.メモを取りながら聴く

 

 

傾聴時は、相手に対して話をしっかりと聴いているというサインを送る意識が重要です。またこのようなルールを守ることで話の内容が入ってきやすくなり適切な対応を考えることが可能になります。

 

また、ここでキーワードとなるのが「共感」。「全面的」「部分的」「過程的」「立場的」「個人的」など多様な共感方法を使い分けて「この人は話を聴いてくれている」と相手に感じてもらえることを目指しましょう。

 

STEP3は具体的な解決策を提示し、相手をゴールへと誘導するフェーズです。できること・できないことを明確にしたうえで解決策をお伝えすることができたら、改めての謝罪と感謝でクロージングを行います。

 

感謝の気持ちを伝えることで再度来店するのが気まずいといった理由でお客様の足が遠のくことを防げる効果があるということです。

 

実際の授業では「コロナ禍でマスクがないことに対して苦情が申し立てられたら……」など具体的な謝罪のお手本も提示されました。そちらはぜひ実際の授業でご確認ください。

毎週月曜9:00からビジネスパーソンが今日から使えるノウハウの提供を目的に開講されている朝Schoo。5月・6月のテーマは「○○のお手本」でした。

 

「謝罪」のほかにも参考にしたいお手本が配信されています。

 

文=宮田文机

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