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2021.07.14

column

「認知バイアス」がもたらす苦手意識。苦手な人と関係を築く方法とは?

「認知バイアス」がもたらす苦手意識。苦手な人と関係を築く方法とは?

「あの人、なんか苦手」。仕事仲間や上司に対してそんな気持ちを抱き、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。苦手な相手でも対応していくために必要なのは、相手に対して抱くその苦手意識そのものの理解を深めることです。

Schooの授業『苦手な人にも対応できる関係のつくり方』は一般社団法人日本マインドリーディング協会理事の岸正龍先生から、苦手意識がある相手との関係性の作り方について学びます。本記事では、多くの場合苦手意識と結びついている認知バイアスについて取り上げます。

目次

  • 人は否定的な気持ちが全面に出やすい
  • 一度苦手意識と向き合い、自覚することが大事
  • 認知バイアスに気づくことで、本当に苦手な相手を知る

 

 

人は否定的な気持ちが全面に出やすい

 

 

たとえば二台分のスペースを使って停車している車を見たとき、あなたはどう思うでしょうか。多くの人がその車の持ち主に対して、「邪魔だな」というネガティブな感情を抱くと思います。しかし、この車がどんな経緯で二台分のスペースを使う必要があったかは、その場面だけ見たあなたには判別できません。もしかしたら、やむを得ない事情でそこに駐車したかもしれません。

 

このように、部分的な情報からつい否定的な感情を抱いてしまうとき、認知バイアスが働いています。認知バイアスとは、周囲の環境や自分の思い込みが、非合理的な判断をもたらしてしまうことを指します。

 

対人関係における苦手意識の多くは、この認知バイアスから生じています。これまでの経験や生育環境によって得た印象が起因して、特定の条件を持つ相手のことを苦手だと思い込んでしまうのです。

 

 

 

わかりやすい例として、上図のような異なるタイプの女性を見比べてみましょう。この二人を見て、「左の人はまじめそう」「右の人は遊びが好きそう」といった印象を浮かべ、多くの人はどちらか苦手なほうを意識するはずです。

 

本当は左の人のほうが遊ぶかもしれないし、右の人はまじめかもしれないのに、第一印象だけで苦手なほうを選んでしまう。この感覚が、苦手意識に結びつく認知バイアスです。

 


一度苦手意識と向き合い、自覚することが大事

こうした認知バイアスを無理に取り除こうとする必要はありません。ただ、自分が認知バイアスによって苦手意識を抱いている、ということを自覚することが大切です。

 

 

 

第一印象は苦手だったけれど、話してみたら意外といい人だった、という経験はありませんか?あれは、認知バイアスで苦手意識が生じていた人の本来の性質を認識できることで、好意を抱けた結果です。本当は苦手ではない人は意外と多いので、苦手意識だけで人を避けてしまうのは、実はもったいないことなのです。

 

認知バイアスから生まれた苦手意識を自覚できれば、相手にかける言葉も変わってきます。人間が否定的な感情を優先的に出してしまう性質は、職場では過剰な叱咤や、嫌味な発言につながってしまいがちです。相手を直接否定する言葉が浮かんでも、一度それを飲み込んで、どう伝えれば相手に受け入れられるか考えてから発言するよう意識してみましょう。

 

 

 

苦手意識から生じた相手を否定してしまう言葉は、相手からの苦手意識も強めてしまいます。互いの苦手意識が強化されては、より良い関係性の構築など望めません。相手を変えることはできませんから、自分が変わることから始めましょう。その一歩として、否定的な言い方を反射で言わないことをおすすめします。

 


認知バイアスに気づくことで、本当に苦手な相手を知る

そこまで意識しても、なお苦手な相手はいます。それは、実はあなただけでなくほとんどの人が苦手だと感じるタイプかもしれません。授業内では、多くの人が関わると疲弊してしまうタイプについても詳しく説明しており、このタイプと距離を置いて接する方法についても触れています。

 

本記事は、「苦手な人にも対応できる関係のつくり方」の授業内容の一部をお届けしました。授業では、この他にも人間関係を円滑にするためのTipsが紹介されています。苦手な人との関係構築に悩んでいる方は、ぜひ授業動画をチェックしてみてください。

 

文=宿木雪樹

今回取り上げたSchooの授業はこちら!
『苦手な人にも対応できる関係のつくり方』

 

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